子育て中は要注意?子どもに甘すぎるタイの人たちの行動とは

タイの子供









タイ人はみんな子どもが大好きで、子どもは大切に育てるという考えが根付いています。私にも6歳の息子がいますがどこへ行っても歓迎されるし、優しくしてもらえます。

日本に一時帰国すると小さな子どもを連れて入れないレストランがあったり、子どもが騒がないよう、走り回らないよう常に気をつかったりして、小さい子どもを持つ親が生活しづらいなと感じることがたくさんあります。

タイはみんなで子どもの面倒を見るという感覚なので、子連れでレストランに行っても断られるどころか、時には店のスタッフが子どもを抱っこしてくれたり、一緒に遊んでくれたりします。小さな子どもを持つ親にとってタイは天国です。

しかし子どもの躾や教育となると話は別です。タイ人は子どもにとても甘いです。甘すぎて「これでは子どもがダメになる!」と思うことがたくさんあります。今回はタイ人がどのように子どもに甘いのかをご紹介します。※1バーツ=約3.5円(2019年4月現在)

好きなものだけを食べさせる

カップラーメン

タイのお家のご飯事情

タイ人の間でも「食べ物の好き嫌いはしない。野菜もちゃんと食べる。」という考えはありますが、日本のように母親が料理を工夫して子どもに苦手な野菜を食べさせるようなことは滅多にありません

そもそも母親が料理を作ること自体あまりないかもしれません。タイは夫婦共働きが普通なので、手の空いた方が料理をするか、家にいるおじいちゃん、おばあちゃんが作ることもあります。料理をすると言ってもお惣菜を買ってくることも多いです。

もし子どもが好き嫌いをしたら、無理して食べさせるようなことはしません。給食のある学校でもビュッフェ形式なので、嫌いなものは最初から取りません

ジャンクフードやお菓子を食べすぎる

そのせいか偏った食事をする子どもがたくさんいます。ウインナーとご飯だけだったり、カップラーメンとコーラだったり栄養バランスが悪い食事をしている子どもが目につきます

ご飯をほとんど食べないでお菓子だけで食事を済ませる子もいっぱいいます。私の息子もお友達がお菓子をたくさん食べているのを見て羨ましがったりしますが、食事をきちんととる大切さを教えてお菓子はあまり与えないようにしています。

お小遣いが多すぎる

コイン

日本と違う給食事情

学校に上がったタイの子どもたちは基本的に毎日お小遣いをもらいます。というのはお昼ご飯を食堂で買って食べるからです。

タイの学校の多くは食堂がフードコートのようになっていて、ご飯もの、麺類、サンドイッチや軽食などお店がいくつも入っています。子どもたちは毎日好きなものを選んでお昼ご飯に食べます。

私が聞いたところでは、小学校高学年から中学生は1日100バーツ(約350円)もらいます。そのお金でお昼ご飯を買って残りはお小遣いになります。

残ったお金の使い道

約350円なんて大したことないと思いますか?でも毎日もらうので1か月約1万円になります。その上お昼ご飯はだいたい1食20~30バーツ(約70~100円)です。残ったお金の方が多いのですから、お菓子や間食を大量に買います。

子どもたちはお昼ご飯のあとに食堂でお菓子やアイスを買います。さらに学校が終わると学校の周りにいろんな食べ物の屋台が並ぶのでそこでも思いっきり買い食いします。毎日が日本の夏祭りのようです。

お菓子や間食はどれも5~10バーツ(約17~34円)なので、おやつを買ってもお金は残ります。余ったお金は貯金に回すそうです。

叱らない

叱らない子育て

子どもに食べたいものだけを食べさせる、お菓子を制限なく買っても咎めないなどを見てきて分かるように、タイ人は基本的に子どもたちを叱りません。子どもが騒いでも、走り回っても一応注意はしますが、叱っているところを見たことがありません。

ママ友通しの会話で「子どもがおもちゃを全然片づけないからいつも親が片づけている。」という話を聞いてびっくりしました。私の家では片づけないおもちゃはすべてゴミとして捨てることにしていたので、親が片づけたことはありません。

そのママ友の家庭では片づけなくても叱らないし、自分で片付けるように躾けをしないようでした。

子供のしつけは学校で

私は学校の先生をしていますが、子どもの躾を学校に丸投げしているように感じます。小学校1、2年生のクラスは椅子に座っていられず走り回り、お菓子を食べたり、落書きしたり手が付けられない状態です。それを公立の学校ではタイ人の先生たちが棒を持って叩いて治めます。

なんだか矛盾していますよね。叱られずに育って、いきなり叩かれて躾けられるというのはいかがなものでしょう。でも「三つ子の魂百までも」というように、大きくなってもあまり変わりません。先生の前ではいい子になることを覚えただけです。

子どもに席を譲る

電車

タイでは電車やバスに乗ると、どんなに満員でも子どもが席に座れるようにしてくれます。タイの電車で立ったことがない息子は日本に行ってとてもショックを受けていました。

確かに日本で電車に乗ると若くて元気そうな人が座って、小さな子連れの親子やお年寄りが立っているのは私の目にも異様に映ります。

タイでは子どもだけではなく、お年寄りやけがをしている人などを見ると率先して席を代わってくれます。小さい子どもが大きな大人の間に立って電車の中で揺られていると危ないので本当に助かります。この点はタイ人が子どもに甘くて良かったと思います。

お母さんが大好き

ビーチ

タイ人の家族の結びつきはとても深いものがあります。特に息子の母親に対する愛情は相当なものです。中学生くらいになっても手をつないだり、お母さんにぺったりくっついてるところをよく見ます。日本の中高生の男の子によく見られる「反抗期」はタイではないようです。

私の授業で「ホームシックになったことがあるか?」という質問を生徒にしたことがあります。中学校3年生の男の子が「お母さんに会えなくてホームシックになった。」と答えました。「どれぐらいお母さんと離れていたの?」と聞くと「5日間。」と答えました。

15歳の男の子がたった5日お母さんに会えなくてホームシックになるのです。片時でもお母さんと一緒にいたいのでしょうね。

違う質問をしても「お母さん」という言葉が度々答えに出てきます。「もしお金持ちになったら、お母さんを旅行に連れていきたい。」「医者になったら、お母さんに家を建ててあげる。」などとにかくお母さんが大好きなのです。

まとめ

タイ人は子どもに甘くて優しいのでタイで子育てするのはとても楽です。その反面躾に対する考え方が日本人と全然違うので、タイ人に囲まれた環境で生きている息子の躾には苦労します

「どうして僕だけダメなの?」と感じていることがたくさんあるはずです。その都度根気よく説明していくしかありません。

その一方で思いっきり甘やかしても、とてもお母さん思いの息子が育っているのを見ると少し羨ましく思います。でも問題は散々甘やかされて育った子どもがちゃんと自立して自分で生きて行けるようになるかですよね。

しかしそれは日本人的な考えのようで、タイでは就職できなくても親がいつまでも子どもの面倒を見ることが普通です。子どもが自立できなければ親とずっと一緒に住めばいいと考えている人も多くいるのです。タイ人はとことん子どもに甘いのですね。