アメリカに住んでいても、日本人が多いところや和食が流行っているところでは日本の食材・食品を手に入れることができます。しかし、一つ一つが日本より高い値段が付けられているので、日本にいるときと同じ感覚で買っていると食費が跳ね上がります。
海外生活での日本食は安心感を得られますが、節約のためには工夫をしなければいけないでしょう。今回は日本から輸入されている食材を、手ごろな価格のアメリカの食材で代用するアイディアを紹介します。
※1ドル=約108円(2019年11月現在)
アメリカ生活での日本食
異文化の中、日々英語で仕事や勉強を頑張るには生活面も大切です。特に食生活は精神的な支えの一つになると思います。アメリカでは各国料理のレストランも充実していますが、滞在が長くなるほど日本食が恋しくなることもあるでしょう。
日本人が多い都市では日系のお店もたくさんあり、日本の食材を買うことができます。しかし、日本から輸入されているものは割高です。
また、近所にアジア系スーパーが無い場合は近隣の都市や州まで買い出しに行ったり、ネットショップで購入したりします。さらに交通費や送料がかかってくるので、日本食はまさにぜいたく品になります。
アメリカブランドの日本食材を使う
日本の食品と食材の割合を減らして節約をする場合、いきなり全部無くしてしまうのは精神的に辛いものがあります。まずは、アメリカのブランドのものを取り入れていくと簡単です。
具体的にはパン粉、マヨネーズ、味噌や冷凍食品など。ブランドは『Shirakiku』が日本食専門のブランドですが、Safewayやホールフーズのようなグローサリーストアが出しているプライベートブランドの商品でも使えるものがあります。
また、ハウス食品の豆腐などアメリカで広く根付いている日系ブランドの商品も、輸入された食品より安く、普通のスーパーでも手に入ります。大手スーパーではアプリやクーポンを使うとさらに安く買うことができました。
アメリカの商品で代用する
アメリカでの生活に慣れてきたら、現地で手に入る商品で代用できるものを探してみましょう。日系スーパーより安く買えるものを見つけたら移行していきます。具体例を紹介します。
- 料理酒:香りが薄く、辛くて安い白ワインで代用
- コンソメやスープの素:チキンブイヨンで代用。『Better than bouillon』というブランドが特におすすめ。
- 片栗粉:コーンスターチで代用。日本の片栗粉もジャガイモが原材料であることが多いのでコーシャ(Kosher、ユダヤ食)コーナーにあるポテトスターチも使えます。
- ニンニクや生姜などの薬味チューブ:Safewayなどの大手スーパーのハーブコーナーにアメリカブランドの商品があります。チューブにこだわらない場合は、イタリアンフードコーナーにすりおろしにんにくの瓶詰、アジアフードコーナーにすりおろし生姜の瓶詰が売られています。
- 中華やアジア料理の素:作る頻度が高ければ、クックドゥなどの日本の合わせ調味料の代わりに豆板醤やオイスターソースを買って使う方が安いです。
- シチューのルー:小麦粉と牛乳で代用できます。
薬味や粉など、味が薄くて料理全体の味にあまり影響を与えないものから試してみると取り入れやすいです。
アメリカの食材の割合を増やす
アメリカと日本では野菜のラインナップも変わってきます。大根や白ネギ、ごぼうなどは日系スーパーやアジアンマーケットに行けば手に入りますが、やはり割高です。
大根の代わりにカブやラディッシュ、白ネギの代わりにグリーンオニオンのように、似た野菜から置き換えていくと節約になります。
他にケールやセロリも和食に取り入れやすいです。日本の野菜にこだわらなければ、野菜もセールやクーポンの対象になっているのでさらに安く手に入れることができます。
実際にどのくらい食費の節約になったか
節約前
我が家の場合、近所に日系スーパーがあったので、渡米直後は日本の食材や食品ばかり購入していました。
そこでは納豆3~4食入りが3~4ドル(約336~448円)、小さなこんにゃくが2~4ドル(約224~448円)が相場でした。これらは一番安い商品の価格で、もっと高級なものもたくさん揃っていました。
日本円に直すと日本との価格の差は安いもので100~200円くらいです。しかし、毎回一つだけ買うわけではありません。結局複数購入するので結構な出費になりました。
しょう油やみりんなどの調味料は1リットル5~9ドル(約560~1,008円)します。東京では200円くらいで売られているのを考えるとめまいがしますが、和食を作るのには欠かせないと思い購入していました。
毎週食料を日系スーパーで買っていたときは、月々の食費が大人2人分だけで600ドル(約67,200円)を超えることもありました。
節約後
アメリカの食材の割合を増やした結果、日系スーパーに行く頻度が2~3ヶ月に1回になりました。日本人経営のお店でしか売っていないものを買うときだけ利用しています。
たとえば日本のお菓子や加工食品が欲しいときに行きますが、たいてい何かの記念日やイベントで「贅沢したい」と思ったときだけの購入です。
メリハリをつけて日本の食材を減らしているので、あまりストレスは感じません。子供が大きくなって用意する食べ物の量が増えましたが、現在のひと月当たりの食費は500ドル台(約56,000円~)です。
まとめ
海外生活が長くなればなるほど、日本の食べ物が心の支えの一つになります。日本の食材を完全に断つのは難しいと思うので、無理のない範囲で節約を意識したら良いでしょう。和食に使えるアメリカの商品は州や地域限定のものもあり、探せばまだまだたくさんあります。
アメリカで買うと高いものだけでなく、輸入されていなくてそもそも手に入らないものも代用できるようになると、アメリカで作れる料理の幅が広がります。この記事が食生活を豊かにしつつ節約のヒントになれば幸いです。