スウェーデンの治安とは?安全に過ごしために注意するべきこと

スウェーデン









2017年にスウェーデンで起きたテロ事件を覚えていますか?この事件は首都ストックホルムで起きました。盗難されたトラックが街の中心部を暴走し、歩行者を次々とはねたのです。その結果4人が死亡、15人以上が負傷するという大事件になりました。

比較的安全と言われているスウェーデンで起きたテロ事件ということもあり、国内は大騒ぎになったことを今でも鮮明に覚えています。事件から2年が経った今、治安はどうなのか?またスウェーデンで滞在する時の注意点もご紹介します。

スウェーデンの治安概要

スウェーデン

スウェーデンは、ヨーロッパの中でも比較的治安が良いことで知られています。2019年4月現在、外務省からも特に危険情報の発信はありません。

私自身、移住してから「怖い」と思ったり、「怪しい雰囲気がする」と感じたことはほとんどありません。いかつくて身体の大きなおじさんが意外と優しかったりして、逆にびっくりすることはよくあります。

しかし、頭に入れておきたいのは「日本ではない」ということです。言葉も文化も何もかもが違います。トラブルに巻き込まれると大変です。旅の鉄則ですが「自分の身は自分で守る」を頭に置いておきましょう

注意すべきこと

ATM

現金は持ち歩かない

日本は現金社会ですので、現金を持ち歩かないと不安という方も多いと思います。しかしスウェーデンにいる間は、現金を持たないでください。なぜならキャッシュレスが世界一進んでいて、現金を持つと危ないからです。

私は移住してから現金を一切使っていません。紙幣や硬貨がどんな形をしているのかも知りません。びっくりですよね。こういった背景があるので、逆に現金を持っているとスリに合う可能性があって危険です。

現金の代わりに必要なのはカードです。現地では水1本でもカードで購入します。カードはクレジットカードかデビットカードが使えます。VISAかMasterCardが1枚あれば問題ありませんので、渡航前に準備しましょう。

ATMを使うとき

どうしても現金を持ち歩きたい人は、ATMを使う機会があると思います。使う時には注意が必要です。地元民は現金を持たないので、ATMを使いません。そのためATMを使う人は観光客で、かつ現金を持っているというサインになります。つまり、スリのターゲットになりやすいのです。

スリに遭わないために気を付けるポイントをご紹介します。まず、明るい場所に設置されたATMを使いましょう。外が暗い時は必ず室内に電灯がある場所を探してください。次に暗証番号を押す時は、手元を隠しましょう。背後からさりげなく暗証番号を盗み見る手口もよく聞きます。

最後に現金を取る時は素早く取り、すぐに財布にしまいましょう。いくら下ろしたのか、周囲にわからないようにすることが大事です。

ブランド物は身にまとわない

スウェーデンでも当然、ブランド物を身にまとっている人を見かけます。日本と比べるとその割合は少ないため、よく目立ちます。元々、観光客はスリの対象になりやすいです。そのためブランド物を着た観光客は、スリ集団から絶好の獲物になります。

せっかくの観光中に、びくびくしながら歩くのは嫌ですよね。犯罪者のターゲットにならないためにも、自己主張をしすぎない身なりを心掛けましょう。現地の人に溶け込めるシンプルなデザインの服装がおすすめです。

どうしてもブランド物を身につけたい人は、パッと見て高価だとわからない物にしておいてください。

貴重品から目を離さない

日本ではレストランやピクニックの場所取りの時に、荷物を席に置いておく習慣がありますよね。人や場所にもよりますが、携帯電話や財布を置いて離れても盗難に合う確率は比較的低いと思います。

これは、スウェーデンではありえません。貴重品は目を離した瞬間、取られます。室外ではもちろんのこと、カフェやレストランの室内でも同じですので油断禁物です。

特に気を付けたいのがビュッフェです。食べ物を取りに「短時間だし」と思い、荷物を置いて席を離れ、被害に合ったというケースをよく聞きます。せっかくの旅行を嫌な思い出にしないためにも、どこに行くにも貴重品は肌身離さず持って行きましょう

物乞いは見ない

観光客が多いエリアは警備が特に厳重なのであまり見ないかもしれませんが、スウェーデンでは物乞いをしている人をよく見かけます。スーパーの前や大通りに座ってお金を求めてくるのです。

彼らは必死に話しかけてきます。ここは心を鬼にして無視してください。「可哀そう」と思う気持ちもわかります。しかし、彼らの中には、お金をくれる人が持っている物を取ったり、しつこく連絡先を聞いてきたりする人もいます。トラブルの元になる可能性があるのです。

心が痛みますが、トラブルに巻き込まれないためにも無視しましょう。

注意すべき場所

橋の下

ここでは首都ストックホルムを例に取り上げます。ストックホルムの街中では「このエリアが危ない」という情報はほとんど聞きません。特に観光客に人気のエリアは警備が厳しく、人通りも多いです。また極めて物価が高いエリアなので裕福な人が暮らしており、比較的安全といえます。

だからといって日本ではありません。暗くなってからは気を付けましょう。特に壁の落書きや閉まったままのレストラン、放置された車が多く見られる場所は危険です。そんな場所に足を踏み入れてしまったら、大通りなどの人が多いところに避難しましょう。

ただ大前提として、中心部の観光客が多いエリアにいれば、そういった場所に遭遇することもありません。

危険な目にあったらどうする?

パトカー

現地語のフレーズ

万が一危険な目にあった場合、「イェルプ(hj älp)」と叫びましょう。スウェーデン語で「助けて」という意味です。英語の「ヘルプ(help)」でも問題ありません。スウェーデンの公用語はスウェーデン語ですが、高度な英語教育のおかげで英語はどこでも通じます。

警察官や警備員の見つけ方

警察は「ポリス(polis)」と言います。警察車両は黄色と青色で、日本のパトカーよりもよく目立ちます。さらに街中を背中に「ポリス(polis)」と書かれた警察官が巡回しています。警察車両と警察官はよく見かけるので、何かあったらすぐに助けを求めましょう。

警察官と同じくよく目にするのが、警備員です。「Ordnings vakt」と背中に書いてある人たちです。警察官と同じような服装をしているので、一見違いがわかりません。

彼らは主に地下鉄の駅や車両の警備を担当しています。もちろん警察とも繋がっているので、彼らに助けを求めることも有効な手段です。

防犯ブザーがあると安心

防犯ブザーは日本から持って行くと良いと思います。特に冬は午後3時には日が暮れるので、暗い時間が長いです。街中にいる限りは明かりがあるので問題ありませんが、少し外れに行くと真っ暗です。

防犯ブザーを持っていると、暗くても周囲に自分の居場所を知らせることができます。また人混みの中で犯罪に遭遇した時に、瞬時に周りに助けを求めるのは大変です。そんな時に防犯ブザーを持っていると、周囲の注目を集めることができます。

英語がわからない人は翻訳アプリを準備

スウェーデンでは英語がどこでも通じます。私は移住当初、スウェーデン語が話せませんでしたが、英語が話せれば生活に支障はありませんでした。

そのため英語が堪能でない人は、渡航前に英語の翻訳アプリをダウンロードしておくことをおすすめします。トラブルに巻き込まれた時に必ず役立ちます。

アプリは無料のもので全く問題ありませんし、不要であれば日本に帰国後削除できます。備えあれば患いなしですので、万が一のために準備をしておくことをおすすめします。

子どもを連れて行っても大丈夫?

ベビーカー

子どもを連れて行くことは、特に問題ありません。目を離さないなど最低限の行動をとれば、危険な目に合うこともないでしょう。

私の友人夫婦も、2歳の子どもを連れて一度スウェーデンに遊びに来たことがあります。特に怖い思いをすることもなく、大人も子どもも楽しめたと言っていました。さらに日本よりも子ども向けの施設や遊び場が多いので、子ども連れでも旅行しやすい環境だったということです。

ただ、唯一の難点が石畳です。特に観光地は石畳が多く、その上をベビーカーで移動するのは想像以上に大変です。どうしようもないことですが、子ども連れの方は事前に知っていると心の準備ができると思います。覚悟して行きましょう。

テロの可能性はあるの?

軍隊

可能性はゼロとは言い切れません。これはスウェーデンだからというよりも、世界中でテロ事件が起きているためにどこで何があってもおかしくないからです。

2017年のテロ事件はスウェーデン国内で初の犠牲者を出しました。「まさかスウェーデンで?」と誰もが口をそろえていたほど、驚きの事件でした。その後は幸運な事に、大きなテロ事件は起きていません。

事件後、国内ではテロ反対の声が高まっています。また警察も厳重な警備をしいています。そのため、テロ事件が起きる可能性は高くはないと思います。

しかし今後何が起きるかは誰もわかりません。そのため渡航前は念のため、外務省の危険情報ページを見るなど情報収集をしましょう。

まとめ

スウェーデンの治安情報や旅行時の注意点についてお伝えしました。日本人は優しくて気が強くないことで知られているため、道を歩いていると変な日本語で話しかけてくる人がたまにいます。そんな時は無視です。自分を守るためにも心を鬼にして、顔も見ないで無視しましょう。

とはいえ、治安は比較的良いので最低限の行動をとれば怖い思いをすることはありません。日本ではないことを忘れずに自分の身は自分で守って、楽しい旅にしましょう。