皆さんは日本で就職活動する際に、企業選びで重視していることはなんですか?
夢の仕事や働きたい企業が明確に決まっている方は、企業選定で迷うこともないかと思います。しかしそういった方のほかに、給与や福利厚生に秀でている会社で働きたいと考える人も多いのではないでしょうか?
今日はアメリカで職探しをする中で、チェックすべき項目についていくつかお話しします。
※1ドル=約108円(2019年6月)
働くのに必ず要るビザサポートの有無
アメリカで働くには就労可能なビザの取得が必要です。すでに取得している方は心配せずに就職活動できると思いますが、持っていない場合はどうすればいいのでしょうか。
求人の募集要項を見るとビザサポートの有無について記載されているでしょう。全面サポートしてくれる会社や、応募者本人が用意しなければならないなどさまざまなので、この点は応募前に必ずチェックしましょう。自己負担はお金も時間もかかるため、慎重に職探しをしましょう。
自己負担は時間もお金もかかる
私の場合はオランダでの仕事は会社が全面サポートしてくれました。必要な書類だけ会社に提出し、ビザが下りるまでただ待つだけという簡単なものでした。それでもビザ取得まで半年ほどかかりました。
しかし現職はアメリカで就労ビザをすでに獲得している者でなければ応募できない、という募集条件でした。
雇用形態の種類を知ろう
フルタイム(正社員)、パートタイム(アルバイト)、テンポラリー(一時的なポジション)、シーズナル(季節限定)など、アメリカにはさまざまな雇用形態があります。雇用形態によって採用期間や福利厚生なども違ってくるため、必ず確認が必要です。
私はアパレル店員として雇われた際、シーズナル採用だとは知りませんでした。シーズナル採用は祝日の続く繁忙期の感謝祭前から年明けくらいまでの期間限定採用のことです。
知らずに働いて翌年1月に「次のシフトは出さなくていいわよ。あなたはシーズナルだから今シフトで終わり」と言われ、とてもショックでした。
皆さんがこのような経験をしないためにも、雇用形態を応募前に必ず確認しましょう。
一番大事な給与について
給与に関しては一番大事ですよね。ほとんどの会社は募集要項に給与の記載があると思います。万が一記載のない場合は「〇〇社(会社名)、給与」をインターネットで検索すれば出てくる可能性があります。
アメリカでの給与の支払い方法は、月1回払いまたは2回払いがあります。私の現在働いている会社では昨年から新しいシステムになり、2週ごとに給与が支払われる形態に変わりました。
支払われる給料は月収から国への所得税、州への所得税(州によって異なる)、健康保険料、社会保障、拠出年金(任意)などが引かれたあとの金額で、手取りは月収より約2割ほど少ないです。
所得税の引かれない州もある
ちなみにアラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコタ、テキサス、ワシントン、ワイオミング、これらの州は所得税の徴収はありません。このことをふまえて勤務地を選ぶのもお得な選択だと思います。
医療保険選びも要注意事項
アメリカは日本のような国民皆保険制度ではありません。健康保険は民間会社が運営しており、基本的に会社が加入している保険会社に加入します。保険の補償内容は加入する会社やプランによって全く異なっています。
アメリカの医療費は日本とは比にならないほど高いため、どの保険会社のどのプランに入るかで負担額に大差が出る場合があります。健康な若者であればそれほど神経質になる必要はないかもしれませんが、持病があったり体の弱い方は注意して保険を選びましょう。
アメリカの福利厚生
通勤手当
アメリカの会社では通勤手当はでないことが多いです。しかし州によっては、法律で雇用主が支払う義務のあるところもあります。カリフォルニア州は自家用車通勤なら1マイルにつき0.54ドルの払い戻しがあります。
また、会社から直接の払い戻しがなくても、確定申告の際に通勤費用を申請できる場合もあります。
住宅手当
近年では地域復興を見込み、企業が従業員の住宅購入や賃貸物件の提供を斡旋するプログラムを導入する会社も少しずつ増えているようです。しかし一般的には住宅手当のないローカル企業が大半を占めています。
日本企業の米国駐在員は、高い割合で住宅補助が会社から出ています。決められた予算内で物件を自分で探すという形が一般的のようです。
有給休暇
アメリカ人は日本人よりもバケーションをたくさん取っているというイメージがありませんか?しかし実はアメリカには有給休暇に関する法律がありません。つまり、取れる保証がないということです。基本的に雇用主と非雇用人の間で結ばれるもので企業ごとに決まっています。
なので募集要項や面接の際にしっかりと確認する必要があります。私の働いている会社では1年目は有給休暇なし、2年目以降は2週間、5年目以降は3週間、20年目以降最大5週間の有給休暇がもらえます。
会社ごとに異なる特典
アメリカの福利厚生で一番私がチェックをおすすめするのは、会社や業界ごとに異なる就業特典です。
例えば私の勤めている航空会社では、社員とその社員の第2親等までの家族は無料で飛行機に乗ることができます。アパレル業界では自社製品50パーセント割引や、ホテル業界では宿泊無料など、割引具合が日本と比べものにならないほど大胆です。
このような特典で仕事を選ぶ価値もあると思います。
まとめ
渡米当時、最初の就職先は日本食レストランでした。右も左もわからない状況で働き始めたため、なにも違和感を感じていなかった本人ですが、じつはのちにマフィア経営の超ブラック飲食店だと判明しました。無知って怖いですよね。
この記事を読む皆さんには堅実な就職活動ができるよう、必ずチェックしたほうがいい項目をいくつか紹介させていただきました。