海外旅行や海外移住の引っ越しのとき、いま日本で使っている電化製品が海外で使えるのかどうか、心配になる方も多いのではないでしょうか?
実は私自身も、夫の駐在に帯同してアメリカのシアトル市へ引っ越すときに「スマートフォンやパソコンの充電ができるのか?」、「日本で使い慣れている電化製品をアメリカでも使えるのか?」など疑問に思い、いろいろと調べなければなりませんでした。
今回はアメリカのコンセントと電圧事情を、シアトルでの実際の体験も含めてご紹介します。
アメリカのコンセントタイプは?
シアトルの住まいに引っ越すと、室内のコンセント形状は、写真のような3つ穴プラグでした。アメリカでは、この形状が一般的です。
しかし、プラグの上2つの穴の形は日本のものと同じなので、変換プラグなしで日本の電化製品のコンセントをそのまま挿すことができました。
アメリカの電圧と変圧器とは?
コンセントは無事に挿せましたが、渡米前に「シアトルの電圧は120Vだけど大丈夫?」と聞かれていたんです。調べてみると、日本の電圧は100Vでアメリカは120Vと異なっていました。
電圧とは?
電圧とは、電気を送り出すためにかける力の量のことです。単位は通常「V(ボルト)」で表され、数字が大きいほどその力が大きいことを示しています。
日本とアメリカの電圧は異なるため、日本から持っていく電化製品がアメリカの120Vの電圧でも使えるかどうか、確認が必要になります。
変圧器とは?
変圧器とは、日本の電化製品を海外でも使用できるように、電圧を変換するための機器です。対応する電圧が違う製品を海外でそのまま使ってしまうと、電化製品が現地の電圧に耐えられず、使っているうちに故障したり発火したりする危険性があります。
日本の電化製品は変圧器なしで使えるものもある?
日本で使い慣れた電化製品をアメリカに持っていきたい場合、どんなジャンルの製品なら変圧器なしで使用することが可能なのでしょうか?答えは、似たような電化製品でもそれぞれによって仕様が異なるため、一つ一つ確認が必要になります。
電化製品の対応する電圧の確認の方法や、変圧器の要不要の確認の方法をご紹介します。
対応する電圧の確認方法
電化製品が対応する電圧は、本体の「定格表示」シールや取扱説明書の「製品仕様」欄に記載されています。
そのまま使える製品
上の写真のように「INPUT(輸入):100-240V」と記載されている製品は、海外でも電圧が100Vから240Vの地域なら、変圧器なしで使用できます。
実際に我が家が日本からシアトルへ持ち込んだ電化製品で、アメリカの電圧に対応していたため変圧器なしで使用している製品は、以下になります。
- 携帯やパソコンの充電器(下の写真のように携帯やパソコン本体を購入したときに付いてくる充電器で直接充電が可能です)
- ロボット掃除機(ルンバ)
- 床拭きロボット(ブラーバ)
変圧器が必要な製品
対応する電圧が下の写真のように100Vとだけ記載されている製品をアメリカで使うには、変圧器が必要です。
実際に、我が家が変圧器を使って使用している電化製品は、以下になります。
- DVDレコーダー
- 電子ピアノ
- 空気清浄機
- 加湿器
電圧の合わない電化製品を変圧器なしで使用するのは危険
実際に、私が変圧器なしで電化製品を使ってしまった失敗例をご紹介します。
身近な友達に、「日本とアメリカの電圧の違いといっても、わずかなものでしょう?」と言って、変圧器なしでも対応する電圧の違う電化製品をそのまま使っている人がいました。
一方、我が家は渡米の際にいくつか変圧器を持ってきていたので、アメリカの電圧に対応していない製品を使う場合は必ず変圧器に繋いで使用していました。
ところが、ある日お菓子を床にこぼして掃除機をかけようと思ったときに、その友達の言葉が脳裏をよぎりました。「あの人もそのまま使っていると言っていたし、短時間なら大丈夫かな?」と思い、変圧器を使わずに掃除機の電源を入れてしまったんです。
すると、すぐに掃除機の電源が落ちてしまい、さらに家中の電気も全て消えてしまいました。
電圧の合わない製品は必ず変圧器を使用して
アメリカの電圧に対応していない掃除機を使ったために、掃除機がショートしてしまい、家のブレーカーも落ちてしまいました。
結果として、アパートのリーシングオフィスの人に来てもらい、ブレーカーの修理を依頼するはめに。掃除機はすっかり壊れてしまったため、アメリカで使える掃除機に買い替えました。それ以来、電圧の合わない製品は短時間でも必ず変圧器を使用するようにしています。
変圧器の使用方法と注意点
変圧器の選び方や使い方、注意点をご紹介します。
変圧器の選び方
まずは、候補の変圧器が、現地の電圧(アメリカなら120V)に変換できるものであることと、差し込みプラグが「タイプA」という2つ穴になっていることを確認します。
つぎに、変圧器が使用予定の電化製品の消費電力(ワット数)以上に対応しているかを必ず確認します。電化製品の消費電力は「W(ワット)」で表され、電圧と同様に本体の「定格表示」シールや説明書の「製品仕様」欄に記載されています。
変圧器によって対応する最大ワット数が違うので、注意しましょう。
また、総消費電力量(ワット数の合計)が変圧器の容量を越えなければ、いくつかの家電製品をたこ足などを使って、同時に変圧器に繋ぐことも可能です。
ただし変圧器が対応している合計ワット数以上の電化製品を繋いで使ってしまうと、変圧器や電化製品が壊れてしまう可能性がありますので、くれぐれも注意して使用してください。
変圧器の使い方
上の写真のように、日本から持ってきた電化製品を変圧器に繋ぎます。そして変圧器のコンセントをアメリカのコンセントプラグに繋いで使用します。
私がアメリカ駐在帯同用に買った電化製品
ドライヤーや炊飯器などの熱を発生する電化製品は消費電力(ワット数)が大きく、日本から持ち込む場合は容量の大きな変圧器を用意する必要があります。
対応するワット数が大きいほど変圧器の値段も高くなるので、アメリカで使える電化製品を新たに購入する方が経済的な場合もあります。
海外対応の電化製品を買える場所
日本にあるビックカメラなどの大型家電量販店には、海外対応の電化製品を取り扱っているコーナーがあり、日本語で定員さんに商品の説明を聞きながら選ぶことができます。
またシアトルではBest BuyやWalmart、Targetなどで現地仕様の電化製品を購入することができます。
実際に購入したもの
以下は我が家が夫のシアトル赴任の際に新たに購入した、アメリカの電圧に対応している電化製品です。
- 炊飯器(日本で購入)
- ドライヤー(日本で購入)
- 電気ケトル(アメリカで購入)
- トースター(アメリカで購入)
- タワーファン(アメリカで購入)
- 掃除機(アメリカで購入)
アメリカのアパートには、冷蔵庫や電子レンジなどの大型電化製品は備え付けられている場合もあります。居住先の設備を事前に確認しておきましょう。
まとめ
海外旅行や、特に海外で長期滞在する場合は、食事や文化の違いなどの不安も大きい分、日本で使い慣れている製品を持っていきたくなるものです。
事前に使いたい電化製品の電圧を確認し、必要であれば変圧器を購入したり、アメリカ用の製品を購入したりして、安全に、そして快適に海外での生活を楽しんでくださいね。