海外に住んでいると和食を食べたくなるときがあると思います。しかし、日本のように日本の食材がなんでも手に入るわけでもありませんし、日本の食材があっても値段がかなり高く、なかなか手が出せないこともあるでしょう。
レストランで和食を食べるのもいいですが、自炊も選択肢のひとつです。そこで今回は、ドイツでも手に入り、かつお手ごろ価格な食材を使った、日本を感じられる簡単レシピを紹介します。(1ユーロ=約125円)
ベルリンの和食事情
ベルリンでは以前まで、日本の料理といえばお寿司(ドイツでは始めのsが濁音になるのでスシではなくズシと発音)といった感じでした。ベルリンで日本の食材を十分にそろえることはまだまだ難しいですが、お寿司以外の和食や日本の食材の認知度も高まってきたように感じます。
和食を食べる機会
ここ数年、ベルリンでも本格的な和食が食べられるお店が増えてきました。日本の家庭料理はあまり知られておりませんが、定食が食べられるお店やラーメン屋さんも増えてきたように思います。
日本の料理を食べることのできるイベントもたびたび開催されて、お好み焼きやたこやき、天丼、焼きそばなどが売られているので、食べる機会も増えてきました。
また、ベルリンに多くあるBIOマーケットに行けば、日本のものと具は異なりますが、おにぎりを買うこともできます。
甘みがあって柔らかいホッカイドウカボチャのマフィン
日本ではあまりメジャーではない、皮がオレンジ色のHokkaidoというかぼちゃがドイツのスーパーで手に入ります。特に夏の終わりころから冬はセールになっていることも多く、セールだと1kg1ユーロ以下で買うことができるお得な野菜です。
少し値段は上がりますが、BIO(オーガニック)のかぼちゃも簡単に手に入ります。
Hokkaidoかぼちゃの特徴
このかぼちゃは、日本で一般的に売られている皮が緑のかぼちゃに比べて、火を通すと皮も実も柔らかいです。甘みがあり日本人の口にも合う味です。
ただし、先にも述べたように柔らかいので、日本の煮物と同じ方法で同じように料理をすると思っているより煮崩れしてしまいます。私は、和食ではありませんがドリアやグラタン、キッシュ、パスタソースなどに利用しています。
また、日本ではかぼちゃを使ったお菓子も多くありますが、ベルリンではほとんど見かけたことがありません。しかし、簡単に作ることもできるので、かぼちゃのマフィンのレシピをご紹介します。
かぼちゃマフィン
簡単なので私がよく作るマフィンです。皮が少しくらい残っていたり、分量・温度・手順が少しくらい違っても問題ないので、ずぼらな方でも大丈夫です。
材料
- 小麦粉:200g
- 砂糖:100g
- バター:100g
- ベーキングパウダー:10g
- 卵:2個
- 牛乳:20~30cc
- Hokkaidoかぼちゃ:300g
かぼちゃが好きな方はお好みで300g以上でも構いません。砕いたナッツを入れてもおいしいです。
作り方
- 皮とタネをとったかぼちゃを耐熱容器に入れ、少し水を入れる。
- かぼちゃを電子レンジで柔らかくなるまで温める。
- 柔らかくなったかぼちゃをフォークなどでつぶす。(完全につぶさなくても、少し形が残る程度でも構いません。)
- 常温または溶かしたバター、砂糖、卵、かぼちゃの順に混ぜていく。最後に小麦粉とベーキングパウダーをふるって入れ、さっくり混ぜる。
- マフィン型に入れる。
- 180℃に予熱したオーブンで20~30分くらい、中に火が通るまで焼く。
ロシアスーパーで手に入るたらことジャガイモのチーズ焼き
ドイツではたらこを食べる習慣がないので、普通のスーパーでたらこを手に入れることはできません。
しかし、ロシアでは食べる習慣があるようで、ロシア系スーパーでは缶に入ったたらこを買うことができます。そのため、ベルリンで日本の味を食べたいときに便利な、手に入りやすい食材です。
たらこは普通にご飯に乗せたり、パンに塗ったり、パスタにして食べてもおいしいですね。
ベルリンのロシア系スーパー
ベルリンにはロシア系スーパーがいろいろな所にありますが、有名なお店はシャルロッテンブルク駅周辺やランズベルガー・アレー駅周辺にあります。
種類やスーパーによって値段は様々ですが、1.5~3ユーロくらいで売られています。缶に入っていますが、要冷蔵なので冷蔵庫で保管してください。お店でも冷蔵棚に並べて売られています。
たらことジャガイモのチーズ焼き
簡単、かつ短時間でできるレシピです。たらこの量もジャガイモの量も全てお好みで、適当でかまいません。
材料
- たらこ:50g
- ジャガイモ:4個
- チーズ:お好みで
- 塩コショウ:適量
お好みで玉ねぎを入れたり、焼いた後に海苔をちらしてもおいしいです。
作り方
- 皮をむいたジャガイモを、茹でるか電子レンジで温める。
- 柔らかくなったジャガイモを切り、耐熱皿に並べる。
- ジャガイモに塩コショウし、たらことチーズをのせる。
- 180℃に予熱したオーブン、またはトースターでチーズが溶ける程度に焼く。
雑穀米のように食べられて栄養価も高いブルグル
ブルグルは日本人にはなじみのない食材ですが、栄養価も非常に高く、注目されつつあると言ってもいいでしょう。
ブルグルとは、トルコなどで食されているデュラム小麦等などの穀物で、細かく砕いたものから麦の粒のものまでさまざまなタイプが売られています。何より注目すべきは栄養価で、栄養価の高さはクスクス以上だと言われているほどです。
ブルグルを買える場所
ブルグルは一般的スーパーでも売られていますが、トルコスーパーやアラブ系のスーパーの方が安くいろいろな種類が売っているので、そちらで買うのがおすすめです。私がよく行くお店では、1kg80セント~1ユーロくらいで販売されています。
ブルグルの良さ
なぜブルグルが日本を感じられるのでしょうか。その理由は、日本でもお米に麦を入れて炊いたり雑穀米を召しあがっている方も多くいますが、ブルグルもそのようにお米と一緒に炊くことができるからです。
ブルグルは食感もいいですし、クセの無い味で食べやすく、一緒に炊くと麦ご飯になります。
お米でいう玄米のような、精製されていないブルグルも販売されています。イラン出身の友人に聞いたところ、栄養価は精製されていないブルグルの方が高いが、味は精製されているものの方がいいとのことです。
ブルグル入りご飯
ブルグルとお米を一緒に炊くだけなので、レシピとは言えないかもしれません。ブルグルの割合はお好みで調整しましょう。
麦の食感が好きな方はお米とブルグル同量、またはブルグルの量をお米以上にしても大丈夫です。お好みのブルグルの割合を探してみてください。
材料
- お米:2合
- ブルグル:0.5合
- 水:2.5合分 ※お水は通常のお米を炊くときの分量です。
作り方
- お米とブルグルを研ぐ。
- お釜または鍋に入れ、通常通りに炊飯する。
定番の万能野菜、もやしの卵炒め
日本ではお金がないときの代表的な野菜とも言えるもやしですが、ドイツでも買うことができます。
ドイツの一般的なスーパーでは100g~200gのパックで売っていて、100g1ユーロくらいです。しかし、アジアスーパーでは1kg1ユーロ~1.5ユーロくらいで買うことができるので、アジアスーパーで買うことをおすすめします。
さらに、一般的なスーパーよりアジアスーパーの方が新鮮なもやしを手に入れることができます。
もやしの卵炒め
炒めるだけの超簡単レシピです。包丁も必要ありません。
材料
- もやし:200g
- 卵:1個
- 醤油:適量
- 塩コショウ:少々
- 醤油:少々
ひき肉やピーマン、キノコ類など他の野菜と一緒に炒めることもできます。
作り方
- 卵に醤油を少し入れ、溶いておく。
- フライパンで油を熱し、もやしを入れる。
- もやしが少ししんなりしてきたら卵を加える。
- 塩コショウをして、よく混ぜながら卵に火が通るまで炒める。
- 最後に醤油を一回しして、軽く炒める。
冬においしい白菜を使ったお鍋
ドイツ語で白菜はChinakohl(ヒーナ・コール)と言います。
名前にChina(中国)が入っているように、アジアのものという認識があるのか、ドイツ人で白菜をよく買っているという人はあまりいないと思います。白菜を使ったドイツ料理も私は知りません。
それゆえ、大きめのスーパーには置いてある場合が多いですが、中小サイズのスーパーには置いていないこともよくあります。アジアスーパーならほとんどのお店に置いてあります。
鍋
寒い時期におすすめの料理といえば鍋です。お鍋の種類はいろいろとありますが、白菜は鍋には欠かせない野菜の一つと言えるでしょう。そして、お鍋は材料を切って入れるだけなので、お一人でもお友達と一緒でも簡単に作れておすすめです。
量はお鍋のサイズと人数によって、お好みで入れてみてください。私も鍋料理はドイツで手に入りやすい材料で作っています。
材料
- 白菜
- にんじん
- 肉(鶏肉でも豚肉でも)
- じゃがいも
- ぎょうざ(ロシアのペルメニで代用してもおいしかったです)
- きのこ
- 豆腐
キムチ鍋にしたいときは先にキムチを炒め、水を入れ、味噌とコチュジャンで味付けします。
ごま油鍋は先にお肉をごま油で炒めて一旦取り出し、油にニンニクを入れ、香りが出るまで待ちます。その後、お水と鳥のだしを加えてから具材を入れていきます。
お鍋は材料もスープもお好みでいろいろと作れますし、鍋パーティーをしても楽しいと思います。
まとめ
ずぼらな方でもできるレシピをいくつか紹介しました。ベルリンは野菜が日本に比べて安く、お総菜が日本のようには売っていないので自炊する方も多く、節約にもつながると思います。
ブルグルのように日本に無いものでも日本に近い料理を作ることもできますし、かぼちゃ料理やもやし料理、たらこを使った料理も工夫次第で日本の味を再現できます。
料理が苦手な方でも、簡単にできる料理はたくさんあるので、ぜひ楽しんで自炊してください。