ドイツの移動遊園地に行こう!おもしろアトラクションも紹介

遊園地









日本にいると聞きなれない「移動遊園地」という言葉ですが、ヨーロッパではこの文化が盛んです。中でもドイツの移動遊園地は「キルメス(Kirmes)」と呼ばれ、仮設の遊園地とは思えないほど規模が大きく、現地の人も毎年やって来るのを楽しみにしているのだとか。

この記事では、実際にドイツの移動遊園地を訪れた筆者が、遊園地の楽しみ方とアトラクションを紹介していきます。日本ではあまり見かけない絶叫必至の乗り物もあるので、一緒に見ていきましょう!※1ユーロ=約128円(2019年現在)

年に数回やってくる、巡業式移動遊園地「キルメス」

遊園地

そもそも、移動遊園地とは何なのでしょうか。日本には常設の遊園地・テーマパークがいくつもありますが、それらはヨーロッパにはあまり多くありません。ヨーロッパでは、遊園地というものは「移動してやって来る」という感覚が一般的だといいます。

移動遊園地は、ふだんは駐車場だったり空き地だったりする場所に、ある日突然現れます。

絶叫マシンや観覧車、食べ物の屋台などを組み立てて、1週間くらい遊園地を開催し、それが終わると再び乗り物や屋台をたたみ、次の街へと移っていきます。まるで各地を公演しているサーカスのようですね。

ドイツの移動遊園地である「キルメス」は、教会を意味する「キルヒェ(Kirche)」と、ミサを意味する「メッセ(Messe)」からできた造語。

キルメスはかつて、教会の祭りとして行われていたイベントでした。子どものために設置した簡易遊園地が、いつしか単独の祭りになり、今では各地域を年に数回ほど回るようになったのです。

アトラクション以外にグルメやワインも楽しめる!

遊園地

ドイツの移動遊園地でできることは、大きく分けて2つあります。1つはアトラクションで遊ぶこと、もう1つは屋台のグルメやワインを味わうことです。

アトラクションで遊ぶ!

遊園地に来たなら、やはり数々のアトラクションで楽しみたいもの。子どもでも安心して乗れるメリーゴーランドから、観覧車、空中ブランコ、ゴーカート、的当てゲーム、そして絶叫マシンまで、幅広いアトラクションが用意されています

中には日本では見かけないような、変わった乗り物の姿も。

ちなみに移動遊園地には入場料はなく、乗り物ごとに1回2~3ユーロ程度(約250~380円)のお金がかかります。

屋台のグルメ・お酒を楽しむ!

アトラクションで遊び疲れたら、屋台で手軽にグルメを味わえます。定番の焼きソーセージやステーキ、フライドポテト、ワッフルやクレープなどのデザート系も販売されています。

もちろん、ビールやワインなどのお酒も欠かせません。秋頃の時期は、発酵途中の貴重な白ワイン「フェーダーヴァイサー(Federweißer)」を出している屋台もあります。本当にお酒なのかと思うほど甘く、まるでリンゴジュースのようなフルーティーさが特徴。

なかなかお目にかかれない期間限定のワインなので、見つけたらぜひ飲んでみてくださいね。

乗り物紹介①子どもの「好き」が詰まったメリーゴーランド

メリーゴーランド

子どもに人気の乗り物といえば、メリーゴーランドです。日本のメリーゴーランドは馬や馬車の形をしたものが多い印象ですが、ドイツの移動遊園地にあったメリーゴーランドは、さまざまな乗り物から成り立っていました。

バイクや消防車・バスなどの乗り物から、アヒル型のもの、どこかで見たことがあるようなキャラクター型のもの……。統一感はまるでなく、にぎやかながらもどこかシュールな姿は、思わずクスリと笑ってしまうほど。

もしかすると、「子どもの好きなものを詰め込んだらこうなった!」というような感じかもしれません。もちろん、ドイツの子どもたちは笑顔で楽しんでいましたよ。

小さいお子さん連れの方、ヨーロッパのメリーゴーランドを体験してみたい方は、ぜひ試してみてください。

乗り物紹介②意外と怖い!?空中ブランコ

空中ブランコ

2人で楽しめるのは、こちらの空中ブランコ。座席に腰かけてレバーを下ろすと、アトラクション全体が一斉にグルグルと回りだします。

ただ回転するだけのブランコに見えますが、その迫力を侮るなかれ。下から上へななめに回るのと、想像よりも高さがあるので、私は結構怖いと感じました。加えて、景色を見る余裕がないくらいの速度。上がったと思う間もなく下がっていくので、視界が安定せずじまいでした。

また、このアトラクションに限ったことではないのですが、ドイツの移動遊園地の乗り物は操作する従業員によって稼働時間が変わります。

私が乗ったときは、たまたまサービス精神旺盛な従業員だったのか、かなり長い時間回転していたように感じました。地上に降りた頃には、目が回ってフラフラになりました。

乗り物紹介③絶叫必至!180度上がって逆さまになるアトラクション

アトラクション

移動遊園地内で最も叫び声が多かったのは、こちらのアトラクション。名前がわからないので、この記事では便宜上、アトラクション前の看板にある「ノー・リミット」という名前で呼ぶことにします。

「ノー・リミット」の支柱には1本の稼動する棒がくっついており、人々はその先端の座席に座ります。

マシンがスタートすると、棒は振り子のように、左右にゆっくりと揺れ始めます。その揺れ幅が次第に大きくなっていき、45度、90度、135度……と上がっていく様は、眺めているだけでも手に汗を握るほど。

最後は真上に上がり、乗客たちは逆さまに。あたりに「ギャー!」という悲鳴が響きます。

私は勇気がなくて乗れなかったのですが、「絶叫マシン大好き!」というチャレンジャーな人には、ぜひ試してみてほしいと思います。

まとめ

移動遊園地に行く前は、「仮設の遊園地だし、あまり本格的なアトラクションはないだろう」と思っていたのですが、そのようなことはまったくありませんでした。地元のドイツ人も、子連れやファミリーはもちろん、大人のグループも多く集まって楽しんでいました。

移動遊園地は年に数回しか現れないので、見かけた際には訪れてみるのがおすすめです。アトラクションで遊び、グルメやワインを味わい、ドイツの遊園地を体験してみてはいかがでしょうか?

なお、移動遊園地の開催予定を調べるには、次のホームページが便利です。今後12カ月分の移動遊園地の開催時期と場所を、一覧でまとめているドイツのサイトです。

Volksfest und Kirmes(ドイツ語)