ドイツ・シュトゥットガルトで魅惑の観光スポット!車に関心がない人を振り向かせる、メルセデス・ベンツ博物館

ベンツの銅像









私は運転免許を持っていませんし、取ろうとも思ったことがなく、そもそも車への関心がありませんでした。そんな私がドイツのシュトゥットガルトに住み始めて最初に行った観光スポットが、メルセデス・ベンツ博物館でした。

シュトゥットガルトで有名な観光名所とだけ知っていたので行ってみたのですが、車への関心がない私ですので、1時間もあれば見終わるだろうと思っていました。ところが、実際は6時間を博物館内で満喫してしまったのです!

一体博物館に入ってから何が起こったのか?!私が感じたメルセデス・ベンツ博物館の魅力を余すことなくお話ししたいと思います。

メルセデス・ベンツ博物館の楽しみ方

車だけじゃない!

馬の置物

博物館のイメージは、多くの展示物が並んでいて入館者はルートに沿って見て回る、というものだと思います。しかしメルセデス・ベンツ博物館は広い空間がまるでアリの巣のように広がっており、車だけでなくユニークな建築物と合わせた演出が楽しめます。

突然白馬がいたかと思えば、見たこともない未来型のエレベーターに乗ったり……。通常の博物館だと思っていると予想もしていない展示方法や建築物に驚くことでしょう。

入館すると、まずは地上34メートルの高層へ。ここから私たちのメルセデス・ベンツについての旅が始まります。

大人も子どもも楽しめる

ベンツ博物館

まだ車を運転できない子供たちでも楽しむことができる体験型シュミレ―ターや映像での説明、車内が覗きこめるように子供用の台が備えてあったりと、親子で楽しむことができる設備が充実していました。

私は車の走行シュミレ―タ―を体験しました。走行している映像と同時に車内も揺れていて、私は少し酔ってしまいました。しかし免許を所持していない私にとって、とても貴重な臨場感を体験することができました。

そして最後には、メルセデス・ベンツ博物館だけでしか手に入らない素敵なプレゼントが付いてくることも魅力の一つです!

カフェやお土産ショップもあり

ベンツ博物館

想像以上に館内で過ごす時間が長かったので、見終わる頃には私のお腹はぺこぺこでした。ちょうど1階にはカフェや小さなレストランがあり、そこで食事をとることもできます。目の前に圧巻のベンツ車の展示を見ながら食事ができ、これもまた貴重な体験でした。

店内には子供もくつろげるソファー席も充実しており、先に展示を見終えたお母さんと子供が、家族を待っている間に食事を済ませているのかな?といった風景が多く見られ、印象的でした。

地下1階のお土産ショップも広く、文房具から雑貨、時にはベンツとは関係のない商品もあったり、その数は多く、たいへん充実していました。ボールペンを手にとって、芯を出そうとした際に、エンジン音が鳴ったときはとても驚きました……!

まるで事故?!

バス

館内には展示物それぞれに、構造上の特徴や開発当時の背景が説明されているプレートが付いています。また、体験型シミュレータ―の他にもところどころに展示物の開発・発売当時の映像を映しているスクリーンがあります。

乗り物は万が一の事故を想定して、大きな負担に耐えなければならないため、定期的に点検が行われています。

1980年代の点検とはどういったものだったのか?現代では室内で専用装置による繰り返しの剛性テストが行われているようですが、当時はそういった装置がまだありませんでした。

一例では、崖まで車を運び、落として車体の剛性を測ったり、爆発させて損傷具合を何度も確認したりしていたようです。

普段では絶対に見ることのできないテスト映像に加え、当時の貴重な情報を知ることができ、映像付のプレートを見かけるたびにわくわくした気持ちで覗きこんでいました。

見どころが溢れてる!

オーディオガイダンス

オーディオガイダンス

無料のオーディオガイダンスでメルセデス・ベンツとゴッドリープ・ダイムラーを始めとする、各展示車の開発製造に関わる人物の台詞や、人物像を想像しやすくなっています。ガイダンスは日本語・英語・ドイツ語・タイ語・スペイン語、他にも数カ国の言語に対応しています。

また、説明プレートも展示物ほぼすべてに付いており、この車は何馬力で走ることができるのか?どのような装備がついていて、どんな特徴を兼ね備えているのか?そういった説明も詳細に記されています。

プレートに表示されている言語は英語、ドイツ語ですが、オーディオガイダンスと併用することで十分理解できました。

見るだけでも十分楽しめる博物館でしたが、オーディオガイダンスの説明がなければ見落としていた特徴や、生産されるまでの背景を聞くことで、より一層楽しむことができるはずです!

私はとある車に描かれたイラストが手書きであることなど、説明を聞かなければ確実に見落としていました。

自家用車だけではない

はしご車

展示されているものは自家用車ばかりだろう、と思っていた私は入館して驚きました。車はもちろんのこと、自転車に船、馬車や消防車、救急車、バス、飛行船、レースカー、電車……他にもたくさんの乗り物が館内には溢れていました。

世界最初の自動車や、 救急車に初めて無線装備が備わった初代モデルが見られたりと、普段目にする車との違いも知ることができます。

また、展示物との距離も近く、多くの展示物はショーケースやロープで囲まれていません。触れることができるほどの距離で観察することができ、見ごたえがありとても迫力がありました。

そんなところにも展示?!

スポーツカー

入館してすぐに目につくのが壁に張り付いた数々の車です。重力に逆らった展示方法に斬新さと驚きを感じ、思わず見とれてしまいました。こういった展示方法により、普段見ることのできない乗り物の裏側だったり、タイヤの構造、天井に施された工夫を間近で見ることができました。

1886年に世界最初の自動車が誕生し、1880年代後半に入るまでタイヤが空気の入ったゴム製ではなかったことに驚いたり、ホイールが木でできていることに驚いたり、本当に走っていたのか?乗り心地はどうだったのか?などついつい考えてしまうほどです。

また車のきらびやかな装飾だけでなく、壁や天井には展示フロアーごとに照明の演出が施されていて、光の演出も楽しむことができました。

多くの著名人から愛されたブランド

イギリスのダイアナ妃が愛した車として、ドイツからメルセデス・ベンツ500SLという車が送られました。展示場では間近でこの車を見ることができました。

どことなくエレガントな雰囲気のあるこの車は、ドイツからイギリスへ納車されたあと、ダイアナ妃に愛されていたにも関わらずとある理由からドイツへ返還されてしまいます。故障でも事故でもなく、一切車に問題がなかったにも関わらず。

一体何があったのか?その答えも、オーディオガイダンスで知ることができますので、ぜひ解明してみてください。

他にも俳優のニコラスケイジ、カイザーヴィルヘルム2世といったたくさんの著名人たちの愛車を見ることができます。

自動車の発明と2人の偉人

自転車

自動車の発明について知ろうとするとき、この2人の偉人の名前は必ず耳にすることと思います。ゴッドリープ・ダイムラーとカール・ベンツです。

カール・ベンツは若くして自動車の開発に邁進し、 最初のエンジン付き量産型自動車を設計した人物です。そしてゴッドリープ・ダイムラーは、最初のエンジン付き貨物輸送車の開発に成功した人物です。

この2人は世界中の人々の生活に欠かすことのできない、動力化された交通手段の原形を発明したのです。

2人の周囲を取り巻く環境、人生について触れることで、私には乗り物に対する興味や意識が生まれました。少し世界が広がったような気分になり、同時に今まで当たり前と感じていたことは、誰かの苦労と努力の結晶なのだな、と改めて感じる機会となりました。

ぜひ皆さんも来館の際は、2人の発明が世界へ知られるようになるまでの経緯を、詳しく見聞きしてみてください。

基本情報

※2019年1月時点

  • 名称:Mercedes-Benz Museum
  • 住所:Mercedesstrasse 100 70372 Stuttgart,Germany

 

予約・お問い合わせ先

※予約なしでも入館可能

  • 電話番号:+49711-1730000
  • FAX:+49711-1730400
  • Mail:classic@daimler.com

 

開館日時と注意点

  • 開館日時:毎週火曜日~日曜日の9~18時

入館は17時までとなっており、祝日の開館時間は必ずしも上記に限りません。公式サイトをご確認ください。

  • 公式サイト:https://www.mercedes-benz.com/
  • 入館料金:1日券10€、割引1日券:5€※15~17歳までの方、学生証をお持ちの方、60歳以上の方、メンバーズカードをお持ちの方対象

 

オンラインチケットをお持ちの方は、入館時に提示するとすべてのショップで5%の割引を受けることができます。ただし、10€未満の商品は割引対象外のようです。

全ての料金はオーディオガイダンス込みの料金です。

混雑状況

私は11月中旬に来館しました。休日でしたが、館内の広さと展示物の多さもあり、順番待ちしなければ展示物がみられない、といったことはありませんでした。

アクセス

駅

ドイツのシュトゥットガルト中央駅から電車で向かうルートが一番おすすめです。車では駐車場が空いていなかったり、結局最寄り駅の近くから数分歩かなければなりません。

シュトゥットガルト中央駅からは「S1」という地上電車のKirchheim行きに乗車して、2駅先の「Stuttgart Neckarpark」という駅で下車してください。所要時間は7分程度です。

Stuttgart Neckarpark駅を出て左手に進むと高速道路の下に出ますので、そこからは道なりに直進です。徒歩8分ほど進むとサッカースタジアムが見えてきます。

さらに1~2分進むとメルセデス・ベンツのエンブレムの付いた建物が見えてきます。そこが博物館です。

最後に、あなたのお気に入りになる車は?

日本ではもう見られない車、今まで見たこともない車、本当にたくさんの車の中からあなたのお気に入りの一台を見つけてみてください。入館したときよりも、車が好きになっていることと思います。私がそうでした!

車好きじゃない人でもデザインや展示方法、オーディオガイダンスなど十分すぎるほどに楽しめる博物館でした。