最近、春秋航空日本(スプリングジャパン)などの航空会社を利用すると、格安で旅行ができるようになったハルビン。日本からのアクセスがよくなったので、これから旅行者もふえることでしょう。
しかし、ネットでハルビンについて検索しても、まだまだ欲しいような情報が手に入りません。ハルビン旅行へ行きたくても、得られる情報が少ないと計画を立てるのが難しく、不安になります。この記事が、ハルビン旅行に興味のある方の助けになれば幸いです。
※1元=約16円(2019年11月)
ハルビンってどんなところ?
ハルビンは、中国語の簡体字だと「哈尔滨」と書きます。中国最北の黒龍江省に位置しており、地図の赤い位置がハルビンです。
私は日本にいた頃、ハルビンのことを何も知りませんでした。どこにあるのかも、さらにはそれが中国の都市の名前ということさえわかっていませんでした。
親日家の多い歴史のある街
学校の歴史の授業で、「満州国」について学んだ記憶があることでしょう。ここは、かつてその一部でした。日本人の血を引く人も多いそうです。
現地の人と接して感じるのは、反日感情を持つ人は少ないことです。むしろ、家族が日本で生活しているという方もたくさんいて、純粋な笑顔で対応してくれる爽やかな人が多いです。長春市と比べると、顔つきが日本人のような人も多いです。
札幌に通じる風景
ハルビン観光というと冬がおすすめといわれます。冬季は-38度ほどにもなるハルビン。氷のイベントが有名です。
冬のハルビンも良いですが、秋のハルビンもおすすめです。冬は寒すぎて、外を散策するのも楽ではありません。-38度に耐えることができるだけの防寒装備も必要です。しかし、秋のハルビンなら気軽な服装で散策が可能です。
それに、秋のハルビンは晴れも多く、空気も澄んでいて青空が見えます。中国の東北地方は冬になると、街中を暖めるために地区ごとに大きな施設で燃料を燃やします。そのため、冬の間は空気が悪くなり、澄んだ青空が見えない日が多くなります。
札幌市出身の私は、ハルビンに咲いている植物などは北海道と少し似ていると感じます。どちらの都市も春に咲くライラックが市の花として認定されています。
ロシアと日本の影響を受けているハルビンは、中国南部の都市とは一味も二味も違う建物や生活習慣などエキゾチックな雰囲気を楽しめます。
旅費はいくら?
成田ーハルビンの路線で春秋航空日本(スプリングジャパン)というLCC(格安航空会社)を利用すると格安旅行を楽しめます。
LCCスプリングジャパン
一番安い時は片道¥3,999で販売しています。実際はこの価格に航空使用税などが加算されるので¥8,000ほどかかります。1つデメリットは、¥3,999のチケットはカウンターで荷物を預けることはできません。機内に持ち込める荷物も5キログラムを超えないと決められています。
2泊3日くらいの格安旅行なら5キロに収めることもできるでしょう。ただ、お土産を持ち帰る余裕はないので、お土産を我慢するか、あるいはより高価なチケットを買うかの選択になります。
上記の¥3,999の成田からハルビンの航空券を往復で購入できれば、往復で必要な航空券代は¥20,000以下です。
- 春秋航空日本:https://jp.ch.com/
年に数回行われるキャンペーン商品のため特定のリンク先はありません。スプリングジャパンにメール登録しておくとキャンペーン案内が届きます。
超過料金はあらかじめ払うとお得
家族がこの方法を利用してハルビンへ遊びに来ましたが、荷物の制限が少しストレスになったようです。いざ来てみるとお土産に買って帰りたいものがたくさんあったのですが、我慢せざるをえませんでした。
チケット購入時に、超過手荷物料¥4,500を支払えば10キロ追加で飛行機に乗れます。飛行機に乗る当日チェックイン・カウンターで超過分の支払いをするとそれより高くつくので、荷物重量に不安があるなら事前に追加分を支払うことをおすすめします。
換金はどこで?
日本円から人民元への換金の方法はたくさんありますが、私は現地の空港で換金することをおすすめします。理由は日本で換金するよりもレートがいいからです。
ATMで海外キャッシングする方法がさらにお得ですが、市内へ移動するためにも空港到着後、すぐに人民元が必要になるので、ハルビン太平国際空港で換金しましょう。
空港のロビーへGO
到着ロビーにも、出発ロビーにも換金カウンターがあります。しかし、私が利用した際は、出発ロビーの換金カウンターしか営業していませんでした。到着ロビーを出て右へ少し歩くと、出発ロビーがあります。上の写真のように階段横に換金カウンターがあります。
手数料と注意点は
2018年10月時点では、一度の換金手数料が40元(約640円)です。換金後の金額から手数料を引いた人民元を受け取れます。
このカウンターでは、1万円札しか取り扱っていない可能性があります。ハルビン空港で換金予定の方は1万円札を持ち込むことをおすすめします。
10,000円分の換金、あるいは50,000円分の換金、いずれにしても一度の換金で手数料一律40元なので、一度に多めに換金する方がお得です。
空港と市内間の移動方法
ハルビンの空港から市内への移動は、海外旅行初心者には少し難しく感じると思います。上海なら方法がいくつかあり、市内まで地下鉄やモノレールを使うこともできます。そのため、中国語ができなくても英語表記の看板を見ながら地下鉄などで簡単に市内へ移動できます。
しかし、ハルビンは今のところ空港と市内をつなぐモノレールや地下鉄がないので、ほかの大都市ほど容易には市内へいけません。ハルビンの場合は以下の2つのうちのどちらかで市内へ移動できます。
空港―市内間専用バス
片道20元(約320円)。専用バスに乗る場合は空港に到着後、国際線ターミナルから国内線ターミナルへ移動する必要があります。
国際線ターミナルは驚くほどにシンプルかつ小規模です。到着ロビーから出るとすぐのところに、この写真の看板があります。ここで待つと国際線―国内線ターミナル間の無料往復バスが来ます。本数はそれなりにあるので、長時間待たずともターミナル間を移動できます。
国内線ターミナルは国際線ターミナルよりも大きく、そして新しくてきれいです。国内線ターミナルに到着後、中へ入るとすぐにこの写真のようなバス・チケット・カウンターを見つけられます。市内への専用バスは1〜4路線まであり、それぞれルートや行き先が異なります。
この写真を拡大すると見えますが、ハルビン駅へ行くには1号線、ハルビン西駅に行くには2号線を利用します。
中国語を話せなくても、行き先と人数を書いたものをカウンターの人に見せて、人数分のお金を払えば乗車券を受け取れます。その後、外へ出て自分が乗る番号のバス停から乗車できます。
写真のバス停から、このチケットを持ってバスに乗り込みます。羽田空港と横浜駅を結ぶような専用バスだと楽なのですが、このバスは違います。
このバスはいくつかの目的地に順番に停車して乗客を降ろします。そのため随時、自分の現在地を地図などで確認するか、あるいは中国語を聞き取れれば目的地に着いた時に降りることができます。
というのも目的地に着くと運転手が大きな声で目的地に着いたことを叫びます。聞き逃すと降り過ごす可能性があります。車内にわかりやすい電光掲示板はないため、目的地の停留所の発音だけでも、事前に聞き取り予習をおすすめします。
タクシー
タクシー利用の際は、約100〜150元(約1,600~2,400円)かかります。中国語のできない観光客だと通常より高く請求される可能性がありますが、バスよりタクシーの方が簡単です。3~4人での移動であればタクシーをおすすめします。
タクシー利用の場合、乗車賃に加えて、高速利用料も支払いが必要です。運転手に聞いたところ、市内から空港へ向かう際は高速利用料が必要で、空港から市内へ行く際は不要とのことです。
市内から空港へ行く際は、到着時に乗車賃プラス30元(約480円)ほどを別で請求されるか、あるいは高速道路の料金所で30元を要求されます。
ハルビン太平国際空港・国際線ターミナル
国際線ターミナルは、とても小さいので中で迷子になることはありません。全体の見取り図はこんな感じです。上が出発ロビー、下が到着ロビーです。出発ロビーの中には、小さなお土産屋さんと、簡単な飲食スペースがあります。
下の写真の「便利购物/ビエンリゴオゥウ」という場所に食べものなどが売っています。比較的きれいですが、水餃子58元(約928円)という驚きの価格。普通の2~3倍です。ハルビン太平国際空港・国際線ターミナルでの食事はおすすめしません。
国内線ターミナルへ行くか、市内で食べることをおすすめします。ちなみに、飲み水と熱湯は無料です。下の写真のようなウォーターサーバーがあります。
国際線ターミナルは小さいため、3時間前に行っても空港内で暇をつぶせるようなところはありません。
国際線を利用の際は、一般的には3時間以上前に到着するべきですが、ハルビン国際線ターミナルは2時間前まで荷物預けの手続きは開始しません。開始するまでは1階で待機する必要があります。空港内が小さいので、1時間半前に到着しても問題なく飛行機に乗れます。
とはいえ、市内から国際線ターミナルまでの交通がタクシーかバスしかないため、余裕を持って空港へ向かわないと渋滞で搭乗手続き締め切りに間に合わない可能性があります。
帰国のために空港へ向かう際は、暇をつぶせるものや小腹を満たせる食べものを持ってでかけましょう。
ハルビン西駅
ハルビン西駅は、国際線ターミナルからタクシーで30分ほどで到着します。タクシー料金は約100元(約1,600円)。
ハルビン西駅は新しい駅で、周辺には今もなお新築マンションを建設中です。駅から徒歩10分のところに大きなショッピングセンターやホテルがあります。このハルビン西駅を利用すれば、長春や大連などのほかの街へも遊びにいけます。
ハルビンから長春へは新幹線で約1時間、料金は約1,700円です。大連へは新幹線で約4時間、料金は約6,800円です。
しかし日本からの旅行の場合は、簡単には新幹線の事前予約ができないので、ハルビン西駅に到着後、チケット・カウンターに並んで購入することになります。チケット・カウンターは混んでいます。最低でも30分は並んで待つ必要があるでしょう。
カウンターでパスポートを渡して、乗りたい路線を指定すれば購入可能です。中国語ができないと購入は難しいと思いますが、不可能ではありません。現地に友達がいれば事前購入も可能です。
基本情報
- 名称:ハルビン西駅
- 住所:黒竜江省哈爾浜市南崗区
ホテルはどこがおすすめ?
Lavande Hotel(麗枫酒店/ラヴァンドホテル)
ハルビン西駅から見える、歩いて10分のところに「Lavande Hotel(麗枫酒店/ラヴァンドホテル)」というホテルがあります。
アゴダなどのホテル予約アプリで簡単に予約可能です。キングサイズのベットで、1泊¥5,000。設備もスタッフも十分なクオリティーです。
ちなみに、中国のホテルは通常チェックインの際に保証金として宿泊費の全額か半額程度を支払います。そのためのお金の準備をお忘れなく。保証金は、チェックアウトの際に返金されるので安心してください。
このホテルはラベンダーがコンセプトとなっており、部屋にある石鹸類もみんなラベンダーの香りです。日本からの旅行客も満足できる、十分なレベルのホテルだと思います。
ハルビンのメイン観光地である「中央大街/ジョンヤンダージエ」というストリートまでは、タクシーで約30分かかります。到着当日や帰国前日にこのホテルに宿泊すると、空港までの移動が楽です。ここから空港までは道のりは渋滞も少ないです。
ハルビン市内中心へ移動し、中央大街という観光地周辺で遊ぶなら以下のホテルをおすすめします。
Hanting Hotel(汉庭酒店/ハンティンジウディエン)
1泊2人で約¥3,000。ツインもダブルも同じ価格です。このホテルはチェックインの際に保証金は必要ありません。チェックアウトの際もキーを返却してそれで終わりです。簡単でいいですね。
外観こそすてきではありませんが、内装は十分です。「汉庭酒店/ハンティンジウディエン」というこのホテルは、古い建物を改装して運営しているホテルです。彼らのコンセプトは、中国語で「爱干净/アイガンジン」つまり「きれい好き」です。
豪華なホテルではありませんが、安く中国観光をしたい人にはおすすめです。このハルビン旅行で、初めて中国を体験した私の家族もこのホテルで満足していました。このハンティンホテルから歩いて10〜15分で中央大街というメインストリートへ遊びに行けます。
観光地のど真ん中にあるホテルは、うるさいという口コミが多く、料金も比較的高くなるのでおすすめしません。
個人的には、観光地から少しだけ外れたエリアのホテルに宿泊する方が、ホテルからメインストリートまでの道中も歩いて街並みを楽しめるのでおすすめです。
ちなみに、このハンティンホテルからメインストリートまでの道中にある地下街も、中国らしいグルメを楽しめるフードコートや若者向けの衣類等のショップがたくさんあり、十分に楽しめます。
- アゴダ(agoda):https://www.agoda.com/ja-jp/
まとめ
まだまだ上海や北京のように、地下鉄やモノレールが発達していないハルビン。中国語のできない旅行者にとっては困ることも多いかもしれません。しかし中国の南の地域とは、文化も気候も全く違うため別の国に来たような新鮮な感覚を味わうことができます。
中国に来ているのに、ロシア料理を食べることができる面白い街ハルビン。冬の氷祭りに行くのもいいですが、寒くない時期にゆっくりと歩きながら街並みを楽しむのもおすすめです。
中国の最北の地域、黒竜江省ハルビン。ぜひ一度遊びに来てみてください。きっと日本にはない興味深いものにたくさん出会えますよ。