フランスの南部に位置するニームは、ガール県の県庁所在地でもあります。古代ローマ時代からの都市で、当時の橋、神殿、劇場が今でも形を残しています。1世紀に建設された水道橋、Pont du Gard(ポン・デュ・ガール)は、ユネスコの世界遺産でもあります。
そんなニームの街を歩いて、ローマ時代の歴史に触れてみましたので、ご紹介したいと思います。
※1ユーロ=約121円(2019年現在)
Arenes(円形闘技場)
ニームの駅を降りると、メインストリートのAvenue Feucheres(アヴェニュー・フュシェー)通りがあります。両サイドには木々が茂り、とても素敵な通りです。そこをまっすぐ5分くらい歩くと、斜め左側に円形闘技場が見えてきます。
初めて見たときは、鳥肌が立つくらいに感動しました。目の前に古代ローマが立ちはだかり、タイムスリップしたかのように、今そこで闘牛が行われ会場からの熱狂が感じられるほどでした。
写真でもわかるように、とても保存状態が良く、現在でも、闘牛やコンサートで使われています。ポイントは、闘牛士の像を見つけてください。誰でも、その場所でカッコいい写真が撮れます。
基本情報
- 名称: Arenes(円形闘技場)
- 住所: Boulevard des Arènes, 30000 Nîmes
- アクセス: SNCF Nîmes 駅下車
- 営業時間:1月、2月、11月、12月 9時30分~17時/3月、10月 9時~18時/4月、5月、9月 9時~18時30分/6月 9時~19時/7月、8月 9時~20時
- 電話番号:04 66 21 82 56
- 公式サイト:https://www.arenes-nimes.com/
Musee de la Romanite(ローマ文化博物館)
ローマ文化博物館は、2018年6月に建てられたまだ新しい博物館で、円形闘技場のすぐ隣にあります。モダンな建物なので、隣の円形闘技場とは、対照的でもあります。
展示物は、紀元前8世紀からはじまり、建物の柱、細部の破片、モザイク模様、または、小さなガラスの器や通貨などがあります。建物の屋上からはニームの街が見渡せ、天気の良い日は爽快です。
1日券で、博物館の出入りは自由にでき、館内には、レストランとカフェもありますが、外で食事をして見学を再開もできるようになっています。
入場料
- 大人:8ユーロ
- 子供(7歳~17歳まで):3ユーロ
- 7歳以下は無料
基本情報
- 名称:Musee de la Romanite( ローマ文化博物館 )
- 住所:16 Boulevard des Arènes, 30900 Nîmes
- アクセス: SNCF Nîmes 駅下車
- 営業時間:4~6月、9/1~11/4 10時~19時/7~8月、10時~20時/11/5~3月、10時~18時 ※火曜定休日、12/5と1/1は休み
- 電話番号:04 48 21 02 10
- 公式サイト:https://museedelaromanite.fr/
Maison Carree(メゾン・カレ)
円形闘技場から徒歩5分ほどで、メゾン・カレに到着します。ローマ帝国の版図の中でも、とても保存状態の良い神殿となっています。
長さ26メートル、幅15メートル、高さ17メートルで、建物は何度も修理されていますが、1821年から1907年まで、美術館として使われるようになり、その際、周囲の建物が撤去され、現在のローマ時代の形に戻りました。
入口の柱は19世紀のはじめに再建され、入口の扉は、1824年に作られたものとなっています。建物内では、「Nemausus, la naissance de Nîmes」ニームの誕生の短編映画が上映されています。
基本情報
- 名称: Maison Carree(メゾン・カレ)
- 住所: Place de la Maison Carrée, 30000 Nîmes
- アクセス: SNCF Nîmes 駅下車
- 営業時間:1月、2月、11月、12月 10時~13時、14時~16時30分/3月、10月 10時~18時 (10月は、13時~14時の間は休み)/4月、5月、9月 10時~18時30分/6月 10時~19時/7月、8月 9時30分~20時
- 公式サイト:https://www.arenes-nimes.com/fr/
Jardins de la Fontaine(泉水公園)
メゾン・カレから徒歩10分ほどで、庭園に到着します。18世紀に作られたヨーロッパ初の公立庭園のひとつとされています。緑豊かな植物と、公園の奥は、小高い丘になっていて、登っていくと、3世紀の見張り塔、マーニュの塔が現れます。
公園は、地元の人たちの憩いの場所となっていて、ちょうど私が行ったとき、おじさんたちがペタンクをしていました。ペタンクとは、フランス発祥の球技で、鉄のボールを投げて競います。よく公園でペタンクをやっているのをフランスでは見かけます。
また、公園内には、Temple de Diane(ダイアナ寺院)があります。このモニュメントは、2000年前に建てられ、1つのアーチ型の洞窟と2つの側方回廊だけで構成されています。そのうちのひとつは、ほぼ完全に破壊されています。正確には、何用の建物だったかは謎のようです。
基本情報
- 名称: Jardins de la Fontaine(泉水公園)
- 住所: 26 Quai de la Fontaine, 30000 Nîmes
- アクセス: SNCF Nîmes 駅下車
- 営業時間:9月 7時30分~20時/10月~3月1日 7時30分~18時30分/3月2日~31日 7時30分~20時/4月~8月31日 7時30分~22時 ※6/30~9/17は、公園の下部のみ、木・金・土曜 7時30分~24時
- 電話番号:04 66 76 70 01
- 公式サイト:http://www.nimes.fr/
Tour Magne(マーニュの塔)
ニームの都市も、古代ローマ時代は、城壁で囲まれた要塞都市でした。 マーニュの塔は、その城壁に建てられた見張り塔の跡です。中は、階段で登ることができ、展望台になっています。頂上まで行くと、ニームの街を眺めることができ、とても爽快です。
基本情報
- 名称:Tour Magne(マーニュの塔)
- 住所: Les Jardins de la Fontaine, Place Guillaume Apollinaire, 30000 Nîmes
- アクセス: SNCF Nîmes 駅下車
- 営業時間:1月、2月、11月、12月 9時30分~13時、14時~16時30分/3月、10月 9時30分~13時、14時~18時/4月、5月、9月 9時30分~18時30分(9月は13時~14時は休み)/6月 9時~19時/7月、8月 9時~20時
- 電話番号:04 66 21 82 56
- 公式サイト:https://www.arenes-nimes.com/fr
お得なチケット(Pass Nimes romaine)
Jardins de la Fontaine(泉水公園)は、無料ですが、他へ観光する場合、お得なチケットがあります。円形闘技場とメゾン・カレとマーニュの塔がセットになったチケットが13ユーロで、このチケットは3日間有効です。
各々の金額
- 円形闘技場(大人)10ユーロ
- メゾン・カレ(大人)6ユーロ
- マーニュの塔(大人)3.5ユーロ
※ 子供(7歳~17歳)7.5ユーロ(7歳以下は無料)
Pont du Gard(ポン・デュ・ガール)
ガルドン川に架かる水道橋で、ユゼスからニームへ水を運ぶための水路の途中で、2000年前の古代ローマ時代に建てられたとされています。
1985年に世界遺産にも登録され、人気の観光地です。 ポン・デュ・ガールは、ニーム駅からバスも出ていますが、20キロ強離れているので、車で40分くらいはかかる場所です。
入場料
- 大人:8.50ユーロ
- 子供(6歳~17歳):6ユーロ
- 6歳以下は無料
基本情報
- 名称: Pont du Gard(ポン・デュ・ガール)
- 住所: 400 Route du Pont du Gard, 30210 Vers-Pont-du-Gard
- アクセス: SNCF Nîmes駅より、バスにて(Avignon、Arlesからもバス有)
- 営業時間 1月、2月、11月、12月 9時~18時/3月、4月、10月 9時~20時/6月、9月 9時~22時/5月 9時~21時/7月、8月 9時~23時
- 公式サイト:http://www.pontdugard.fr/fr/
また夏限定ですが、花火のショーも行われています。22時頃にならないと日が落ちないので、始まる時間は遅くなりますが、水道橋がライトアップされ、プロジェクションマッピングによる、光と音楽の演出があります。
それに併せ花火があがり、ポン・ドゥ・ガールすべてが舞台となる、とても壮大なショーです。
古代ローマと現代のコラボレーションが、あなたを魅了すること間違いなし!ぜひ、タイミングがあえば、行ってみてください。おすすめです。
基本情報
- 名称: Pont du Gard(ポン・デュ・ガール)
- 住所: 400 Route du Pont du Gard, 30210 Vers-Pont-du-Gard
- アクセス: SNCF Nîmes駅より、バスにて(Avignon、Arlesからもバス有)
- 営業時間 : 夏期限定 ※料金要確認
- 公式サイト : http://www.pontdugard.fr/fr/
まとめ
古代ローマを感じることができるニームの街、歴史は古く何千年にも及びます。それゆえ、人気のある街なのでしょう。
また、ニームは17世紀、繊維製造が盛んで、Blue Jeans(ブルー・ジーンズ)の起源にもなっています。
デニム生地の、デニムの語源は、Serge de Nîmes(セルジュ・ドゥ・ニーム)という、ニームの綾織りから来るもので、当時、生地は産地の名前で呼ぶ習慣があり、フランス語の「~産」にあたる、de Nîmes(ドゥ・ニーム)が徐々にデニムと呼ばれるようになったのです。
奥が深い街、ニームですね。ぜひ、ニームの街を一度旅してみませんか?いろいろな発見がまだまだ続くことでしょう。