アイルランド人のクリスマスまでの準備と意気込みを紹介します!

クリスマスツリー









国民の約80%がカトリック教徒と言われているアイルランド。イエス・キリストの誕生日であるクリスマスは、アイルランドで1番大きなイベントです。

アイルランドのクリスマスは、日本のお正月のように家族勢揃いで過ごします。この日のための準備は、みんな気合いが入っています。ハロウィンが終わったらお店は一気にクリスマス商品を売り出し、2ヶ月もクリスマスの準備期間があるんです。

今回は、アイルランド人のクリスマスにかける準備と意気込みを紹介します。

※2019年6月現在1ユーロ=約122円

クリスマス準備はいつから始まる?

クリスマスショッピング

伝統的には、マリア様が母親のお腹に宿った日である12月8日がクリスマスの準備の日でした。この日は、田舎からも大勢の人々が都会の大きなお店に買い出しに行きます。クリスマス準備の始まりです。しかし、今はこの伝統も崩れつつあります。

ブラック・フライデーの到来

理由は、ブラック・フライデーです。アメリカから始まったサンクス・ギビング前のセールですが、ここ2〜3年で一気にアイルランドにも広がりました。

ブラック・フライデーは金曜日だけではなく、11月の最終週ずっとセールになります。この機会にクリスマス・プレゼントやデコレーションなどを買おうとする人が増えたので、12月8日は特別忙しい日でもなくなりました。

その上オンライン・ショッピングで買い物をする人も増え、最近のクリスマス準備は以前に比べるとだいぶ早くから始まっている状態です。

クリスマスのプレゼント探し

プレゼント

クリスマス準備のメインはプレゼント探しです。なぜなら、プレゼントは家族、親戚全員に買うのが一般的だからです。

アイルランドはいまだに大家族が多く、親戚もたくさんいます。クリスマスは家族や親戚と集まるので、会う予定の全員分プレゼントを用意しなければいけないのです。

これがなかなか大変です。自分の子供や親の好みはわかっているので選びやすいですが、義理の兄弟や従兄弟となると悩みます。1人ずつ考えてプレゼントを買うのは、時間もお金もかなり必要です。

1度の買い物で全て揃えることは難しく、オンライン・ショッピングを利用しつつも、結局何度か街へ足を運ぶ人がほとんどです。12月に入ると、街はとても混んでいて渋滞もすごいです。それだけでも普段より疲れます。

クリスマス・デコレーションも盛大

デコレーション

日本でも子供のいる家庭ではクリスマス・デコレーションをすると思いますが、子供がいないとしない人も多いのではないでしょうか?

最近は日本のお正月飾りも簡素化されつつある印象です。アイルランドのクリスマスは日本のお正月と比べてみても、クリスマス・デコレーションがまだまだ盛大です。

冬は夕方5時には真っ暗なので、窓からクリスマス・ツリーやロウソクのライトが見えたりして、なんとも綺麗です。大々的に家の外をライトアップしているところもありますが、全体的には厳かな感じで、きらびやかではない優しい光です。

本物のクリスマス・ツリー

クリスマス・ツリー

アイルランドでは、クリスマス・ツリー用の本物のモミの木が売っています。比較的大きな木が売られていて、値段は7〜10ft(2〜3m)で30〜60ユーロ(3,840〜7,680円)です。

本物の木は匂いもいいです。しかし、毎年買うのはお金もかかり処分も大変なので、フェイクのツリーも売っています。

我が家は、夫の実家の近くの森から木を切って持ってきます。売られているような形が綺麗なものではなく、枝と枝の間がすかすかのツリーですが、日本では大きな木を家の中で飾るなんていう発想もなかったので楽しんでいます。

街中もライトアップ

ライトアップ

クリスマスの時期は、街もライトアップされてとても綺麗です。

私の住む地方都市ゴールウェイは、アイルランドでは大きめのクリスマス・マーケットがあります。マーケットの周りはライトアップも一際華やかで、ショップ・ストリートも負けず劣らず綺麗です。寒く暗い冬が明るくなり、街歩きが楽しくなります。

国民的番組「レイト・レイト・トイ・ショー」を見る

コーヒー

アイルランドの国営放送局RTE1では、長寿番組「レイト・レイト・ショー(Late late show)」というトーク番組が毎週金曜日の午後9時半から放送されています。

この番組が、11月の最終週の金曜日だけ、クリスマスのおもちゃを紹介する「レイト・レイト・トイ・ショー(Late late toy show)」に変わります。

子供はこの番組が楽しみで仕方がありません。放送日が近づくにつれて、学校でも子供たちの話題はこればかりで、この日だけは番組が終わる11時半まで起きていてもいいのです。

2018年は11月30日放送でしたが、この日に合わせてクリスマス・ツリーを出す家庭もあるほどです。家族全員パジャマを着て、ココアやお菓子、ピザなどを用意してテレビを見ます。アイルランド人にとっては大事な家族の行事です。

職場でもクリスマス・パーティ

クリスマス・パーティ

12月になると、各会社や職場でクリスマス・パーティをするのが習慣です。いわば、日本の忘年会です。パブで簡単に楽しむ職場もありますが、ホテルやレストランでパートナー同伴での3コースディナー、そのあとはダンスパーティという本格的なものも多くあります。

その場合はもちろん正装です。男性はスーツですが、女性はクリスマスらしいキラキラした服を着ます。どこの服屋でもこの時期になるとパーティ用のドレスが売っています。パーティの予定がある女性は、ドレス選びも大切な準備の1つです。

街はいつも以上にキラキラしたドレスを着た女性が増え、夜の街はより一層賑わって見えます。

クリスマス・ジャンパーを着る

ジャンパー

映画「ブリジット・ジョーンズの日記」で主人公たちが着ていたダサいクリスマス・ジャンパーが、再びイギリスやアイルランドで人気です。12月になるとお店の入口など目立つところにディスプレイされます。

サンタクロース

娘の学校でもクリスマスの服を着て行く日があり、夫の職場でもあります。アイルランド人たちはプライベートだけでなく、公共の場でもクリスマス・ジャンパーを楽しんでいます

日本人の感覚ではやはりダサいのですが、毎年見ていると今年こそは買おうかなという気持ちになるから不思議なものです。

クリスマス・カードを書く

クリスマス・カード

本当に日本のお正月と似ているなと思う点の1つが、クリスマスカードです。まさに、日本の年賀状です。年が明ける前にあいさつするか、明けてからあいさつするかの違いだけです。

親戚や友達、お世話になった人などにクリスマスカードを送ります。既成品を使う人が多いですが、自分の子供の写真をプリントしたりする人もいます。

子供たちも学校でクリスマスカードを交換します。子供たちが使うクリスマスカードは、名刺サイズくらいの小さめのカードです。私自身も子供の頃に友達に年賀状を書いていたなと、見ていると懐かしくなります。

自分のクリスマスカードに子供のクリスマスカードの手伝いと、書くことは意外と時間がかかるものです。

食材の買い出し

七面鳥

クリスマスの2週間前くらいから、いよいよ食材の買い出しが始まります。まずは、クリスマス用のお酒やお菓子です。

アイルランド人は、本当によくお酒を飲みます。クリスマスの定番の飲み物は、ウィスキー、ベイリーズ(甘いクリーミーなリキュール)、ワイン、ビールです。家族や親戚が集まるので、家庭によっては相当な量の酒類を準備します。

アイス

お菓子は、チョコレートやビスケットのボックスセットがスーパーで売り出されます。クリスマスの時期だけに食べるミンスパイやクリスマス・プディングも、日持ちがするデザートなので早めに買う家庭も多いです。

アイルランドの定番クリスマス・ディナー

料理

クリスマスの1週間前になると、肉や野菜などの買い出しです。クリスマス・ディナーと翌日の朝食が主な買い物です。

アイルランドの定番ディナーは、前菜がえびのカクテルかスパイシー・ローストビーフ、もしくはスモークサーモン。

メインがローストターキーとハム。それに付け合わせの茹でた芽キャベツ、にんじんやパースニップ、ローストポテトにマッシュポテトという、ボリュームたっぷりのメニューです。

デザートもちゃんとあります。トライフルかクリスマスプディングです。

そして翌日の朝は、アイリッシュ・ブレイクファストです。ソーセージやベーコン、ベイクド・ビーンズに卵、マッシュルーム、トマト、パンなどを準備します。

クリスマスの2週間前からはスーパーは大混雑です。しかし、スーパーは夜10時くらいまでオープンしていて、夜は比較的空いています。

まとめ

クリスマス

実は小学校の学芸会も12月にあり、子供がいる親はクリスマスの準備の上にさらに学校へも何度か足を運ばなければなりません。

本当に慌ただしいクリスマスまでの日々ですが、クリスマス当日は祝日でとっても静かです。お店やパブ、レストランは全て閉店、交通機関までも運休です。空港もやっていません。家族団欒を思いっきり楽しむクリスマス。そのためには、準備も意気込みも必要なんですね。

私もアイルランド生活が長くなるにつれて、クリスマスまでの忙しさをますます感じるようになってきました。