タイで子どもを育てよう!日本と違う0歳〜1歳の子育て

子供









2011年にタイの最北端の町チェンライで出産しました。設備がきちんと整っているのか、医者は信頼ができるのか、外国人の出産に対応できるのかいろいろ不安はありました。しかし、毎日何十件の出産を扱っている百戦錬磨の医師や看護師のおかげで、とてもスムーズなお産ができました。

出産後引き続きチェンライで子育てをすることになったのですが、子育て事情は日本とは全然違いました。日本の育児本をわざわざ日本から取り寄せましたが、書いてある通りにするとタイでは叱られることもありました。

今回は出産後の1年間で日本の育児とは違うと感じた点をいくつか紹介します。※1バーツ=約3.5円(2019年4月現在)

親子で帽子

帽子

チェンライには冬がある

チェンライにはタイには珍しく寒い冬の季節があります。息子が生まれた11月はちょうどチェンライの冬が始まったところでした。確かに朝晩は温度が一桁台になるときもありそれなりに寒いのですが、昼間は30度を超す暑さが普通です。

産後の不思議な風習

タイ全土で行われているのかはわかりませんが、チェンライでは産後の肥立ちが良くなるように、産後1か月間お母さんは体をしっかり温める必要があります。そのため長袖、長ズボン、毛糸の帽子をかぶります。私は11月といえど暑くて毛糸の帽子なんかかぶっていられませんでした。

同じように新生児もまだ上手に体温調節できないので温かくしてあげる必要があります。それは日本の育児本にも載っていました。しかし、チェンライでは赤ちゃんに何枚も着せて、手袋、靴下、帽子とモコモコにします

30度もあるのにとても真似できず、私と息子は薄着でした。それでも抱っこしているとお互い汗がダラダラ出てきます。

街を歩くと帽子は?と言われる

薄着のまま息子を連れて散歩に出かけると、あちこちから「なんで帽子をかぶせないんだ?」「病気になるぞ!」と散々言われました。

私のせいで息子が病気になったら可哀想なので、家でも帽子をかぶせるようにしました。でも帽子の隙間から汗を流し、真っ赤になっている息子を見てやめました。息子は風邪をひくこともなく元気に大きくなっていきました。

チェンライの人はとても寒がりです。寒がりになったのは小さい時にあんなに厚着をさせていたからではないかと、私なりに思っています。

生後2か月で仕事復帰

メガネ

産前産後の仕事

私は出産するその日まで英語教師として働いていました。産後3か月は休もうと思っていましたが、生徒さんのスケジュールの都合で2か月で復帰することになってしまいました。もちろん息子と子連れ出勤です。

私が教えている間は学校のスタッフに預ける予定でした。しかし息子が私から離れるのは大変で、離した途端ビービー泣いていました。それまで私と離れたことが一度もなかったからです。

周りに助けられての復帰

育児書には3時間ごとの授乳が必要と書いてありましたが、息子は20分ごとに飲みたがって泣くので最初の3か月くらいは常に抱っこしていました。

学校のスタッフ、マネージャー、掃除のおばさん、そこにいる人総出で息子をあやしていました。それでも泣き止まないときは私が抱っこしたまま教えるときもありました。生徒も一生懸命あやしてくれました。みんな嫌な顔一つせず息子の世話をしてくれて本当にありがたかったです。

その後、本格的に仕事復帰したのでベビーシッターを雇いました。1日7時間で250バーツ(約870円)で、息子が3か月から7か月になるまで働いてくれました。その後は学校のスタッフさんが代わる代わる見てくれたり、忙しい時には日雇いでベビーシッターに手伝ってもらったりしました。

離乳食はバナナ尽くし

バナナ

離乳食のスタート

私は息子の離乳食はゆっくり始めるつもりでいたのですが、生後2か月を過ぎると息子が私の食べるところをじーっと見るようになりました。

4か月になるとよだれを垂らして見つめるようになり、5か月に入るころには切なそうな顔で見つめるようになったので、息子の眼力に負けて離乳食を開始することにしました。

とろとろのお粥やマッシュした野菜など、最初は日本と同じような内容をあげていました。私が仕事に行く時にも離乳食を持参して、ベビーシッターさんに食べさせてもらっていました。

日本の育児書に従い私が作る離乳食は一切味付けをしていませんでした。味付けにより赤ちゃんの健康や発達に悪影響があると書いてあったからです。

なんでもバナナを混ぜる!

しかしタイ人から見ると味のない離乳食なんて食べるわけがないと思うようで、バナナをすりつぶしてご飯に混ぜてあげてしまいます。私が持って行った離乳食も、すべてバナナを混ぜて与えられていました。その他にもレバーや魚にもバナナを混ぜてあげるようです。

チェンライは海がないので川魚をよく食べます。ティラピアなどの川魚は、海の魚と違って早い時期から離乳食としてあげることができます。

川魚をあげることに抵抗はないのですが、バナナと混ぜてあげるというのは味覚に問題が出るんじゃないかとやや心配です。「バナナと混ぜてあげないで」とリクエストしましたが、多分私のいないところでバナナと混ぜて食べさせられていたと思います。

ベビーカーは大変!

ベビーカー

生後1か月が過ぎたころ初めてベビーカーに乗せてお出かけすることになりました。抱っこ癖がしっかりついてしまった息子はベビーカーに乗せた途端ビービー泣きました。最初は5分くらい近所をくるりと周るところからはじめ徐々に慣らしていきました。

チェンライで買ったベビーカーは大きくて重くて小回りが利かずあまり便利ではありませんでした。その上チェンライには歩道らしき歩道がなく、あってもデコボコか、歩道のど真ん中に木や電話ボックスがあってベビーカーが通れるようにはなっていません。

チェンライの人はまず外を歩きません。みんなバイクか車で移動して、ショッピングモールなどの施設の中を歩いたり、ベビーカーを押したりします。外でベビーカーを押すには車道の端を歩くしかなく、危険がいっぱいです。

結局息子もベビーカーに乗るのがあまり好きではなく、いつも途中で抱っこをせがむのでベビーカーを使うことはやめました。1歳で歩き出すまでは抱っこで頑張って、それ以降はどこへ行くにも歩かせました。

みんながベビーシッター

赤ちゃん

タイ人はみんな子ども好きで、子どもをとても可愛がってくれます。私の家の大家さんは毎日息子と遊んでくれ、私が急な仕事の時も預かってくれました。私が働いていた学校でも、息子はいろんな人に抱っこされていました。

私が買い物に行く時は近所のカオマンカイ屋の屋台のおばちゃんが息子を見ていてくれました。バスに乗っても隣の人や前後に座った人があやしてくれます。時にはおもちゃや食べ物をもらうときもあります。

日本では知らない人に自分の子どもを抱っこされたり、知らない人に「赤ちゃんをだっこしていいですか。」と言われたりすることはほとんどありません。タイでは普通に行われていますし、それを危ないことだと思う人はいません

たくさんの人に可愛がってもらったおかげで息子は6歳になった今でも人見知りはなく、誰とでも友達になれる子になりました。

まとめ

息子が生まれて最初の2か月くらいは家に息子と閉じこもっている日が多かったのですが、大家さんに「赤ちゃんを連れて遊びにおいでよ。」と声をかけてもらって外に出るようになりました。私もとてもいい気晴らしになり、息子も大家さん家族みんなにあやしてもらって嬉しそうでした。

もし日本で子育てをすることになっていたら、あんな形で子連れ出勤はできないだろうし、「ちょっと子ども見ててください。」と気軽に預けることもできなかったと思います。

育児事情や習慣も違う土地で子育ての最初の1年を過ごしましたが、周りのタイ人に助けられて幸せな子育てができました