ドイツの中心都市であるフランクフルト。観光名所も多く、大聖堂や教会、レーマー広場や市庁舎、シュテーデル美術館、ゲーテハウス……と、どこに行こうか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなフランクフルトのおすすめスポットの中から、実際に筆者が訪れて大満足だった「フランクフルト動物園」を紹介します。「ドイツに行ってまで動物を見なくても……」と思うかもしれませんが、ここは一見の価値ありです!
フランクフルト動物園では日本では飼育されていない動物や、世界でも希少な生き物にお目にかかることができます。さらに、ドイツ人の動物に対する価値観にも触れられるので、貴重な体験ができること間違いなしですよ!
フランクフルト動物園概要
フランクフルト動物園とは
フランクフルト動物園は、「動物を体験し、自然を保護する(Tiere erleben – Natur bewahren)」がモットーの動物園です。
ドイツ人は自然・環境問題への関心が高く、動物愛護の精神が強いと言われています。ですが、フランクフルト動物園はそんなドイツ人たちからも愛されており、年間入場者数は約83万6,160人と、ドイツ国内で最も入場者数が多い動物園です(※2017年時点)。
11ヘクタールもある面積は、東京ドームの倍を軽く超えるほど。広大な敷地の中には、約450種類・4,500匹以上の動物が住んでいます。
公式サイトによると、訪問者から特に人気が高いのは、ミーアキャットやハネジネズミだそう。そのような変わった動物を数多く飼育しているのも、この動物園の特徴です。
フランクフルト動物園でできること
フランクフルト動物園では、さまざまな動物を見て楽しむことができます。
また見るだけでなく、動物たちと実際に触れ合うことも可能。ふれあいコーナーではヤギを触ったり、ブラッシングを体験することもできるのです。小さなお子さんを連れていくのも、面白そうですね。
フランクフルト動物園の見どころ
百獣の王から世界最小のネコまで!「ネコ科のジャングル」 に行こう
入り口から少し歩いた辺りに、動物園の大定番であるライオンやトラがいます。このエリアの名前は、直訳すると「ネコ科のジャングル(Katzendschungel)」。日本でも人気のあるライオン、トラに加え、フォッサやサビイロネコを見ることができます。
ここでぜひ見てほしいのは、絶滅の危険性が高いと言われているサビイロネコ。「世界最小のネコ」の一種でもあり、体長はわずか35~48cmほどしかありません。落ち葉にもすっぽり隠れてしまうミニマムサイズは、ネコ好きの方にはたまらない愛くるしさ。
サビイロネコを見ることができる動物園はなかなかないので、フランクフルト動物園に行ったらぜひ見ておいてください。
かわいらしいアルパカも!ベストスポットを見つけてツーショットに挑戦
「ネコ科のジャングル」からやや進むと、南アメリカ原産の動物・ラクダとアルパカに会うことができます。
日本でも人気のあるアルパカは、そのふわふわとした毛並みと独特のスタイルが特徴。ですが、筆者がフランクフルト動物園を訪れたときは、たまたま毛刈りを終えた時期だったのか、写真のようにだいぶすっきりした見た目になっていました。
アルパカたちのエリアは柵で囲まれていますが、高さはそれほど高くないため、うまくいけばアルパカとツーショットが撮れるかもしれません。
ラクダがいる場所はアルパカのエリアとは隔てられ、砂漠の土地らしくするために地面に石と砂を使うなど、環境もしっかりと整備されています。この動物園で見られるのはフタコブラクダ。体長2メートル以上の大きな身体を間近で見ることができるので、その迫力を体感してください。
キリンやガゼル、オカピなどアフリカの生き物に会おう!
続いて紹介するのは、アフリカ原産の生き物たち。ここには「地上で最も背の高い動物」として知られているキリンがいます。さらに、日本ではあまり馴染みのない名前かもしれませんが、ボンゴ(レイヨウの一種)やガゼル、オカピなどの姿も。
中でもオカピは「世界三大珍獣」の1つといわれており、非常に珍しい動物です。別名「森キリン」とも言われるようにキリンの仲間なのですが、首はそれほど長くありません。体にはシマウマのような模様を持つなど、なんとも不思議な外見の動物です。
一方、ガゼルは茶色と白の胴体と、オスだけが持つ長くて太いツノが特徴的です。群れを作る習性があるため、日中は数頭で固まって活動している姿を見ることができます。
フランクフルト動物園の歴史を紐解くと、1864年にはすでにガゼルを飼育していたそう。日本で言うと江戸時代なので、その飼育の長さには驚きです。
日本ではオカピやガゼルが見られる動物園はかなり少ないので、必見ですよ!
まるで水族館のようなエリアも!海の生き物を観察しよう
フランクフルト動物園では、陸の動物だけでなく、水辺の生き物たちにも会うことができます。敷地のちょうど真ん中ほどの場所には、アザラシやオットセイ、亀、カモなどがいます。
アザラシとオットセイのエリアでは、彼らがスイスイ泳いでいる姿をいろいろな場所から見ることができます。
屋外にあるプールは約4メートルの深さで、外から見えない部分は室内へとつながっており、ガラス越しに観察することも可能です。アザラシたちを上から眺めることはもちろん、プールの中で泳いでいる様子を近くで見られますよ!
夜行性の生き物が見られる「夜間動物園」!
ひときわ目立つ大きなコウモリが羽を広げているのは、夜行性の生き物を集めた建物のエントランスです。昼間でも夜行性の動物が活動しているのを見られるのは、この建物内では昼夜のリズムを逆転させているためなのだとか。
ここではコウモリ、ナマケモノ、コビトキツネザル、アルマジロやヤマアラシなど、日中は活動していない生き物たちの生態を知ることができます。
他にもアリクイのような長い鼻を持つツチブタや、オーストラリアに生息するフクロウそっくりのガマグチヨタカなど、変わった生き物もいます。
室内は非常に暗いので、暗闇に目を慣らしながらゆっくり進んでくださいね。
いきいきと羽ばたく鳥たちの姿も!
フランクフルト動物園では数多くの鳥たちを見ることもできます。鳥類の飼育エリアはかなり広く、フラミンゴ、フクロウ、ワシ、ショウジョウトキ、ペリカン、オウムなど、原産国もさまざまな鳥たちが暮らしています。
中にはニュージーランドの国鳥として有名なキーウィや、名前を聞いたことがないような南アメリカ原産の色鮮やかな鳥の姿も。
ちなみに鳥が見られるエリアは、入り口から1番遠いところにあります。近くにはメキシコ料理が食べられるレストランもあるので、「少し歩き疲れたな……」と思ったときは、休憩できるのも嬉しいですね。
誰と行っても楽しめる場所
この動物園には、実際に動物と触れ合えるコーナーもあり、小さなお子さん連れの方には特におすすめです。子どもが喜びそうなライオンやトラ、キリン、アザラシ、ペンギンなど多くの生き物がいるので、わくわくしながら見て回ることができるでしょう。
もちろん、子どもと一緒に行くだけでなく、家族や友達・恋人と行っても楽しめるはず。正直なところ、フランクフルト動物園は一緒に行く人を選ばないスポットだと思います。「こんな生き物、日本で見たことない!」と盛り上がれること間違いなしです。
フランクフルト動物園の感想
フランクフルト動物園は「ザ・有名観光地」ではないですが、フランクフルト旅行の穴場的スポットだと思います。大人でも、動物に詳しくなくても、存分に楽しめるでしょう。
ただ、敷地がとても広いのと生き物の数が多いため、「時間があまりないけどサクッと観光したい!」という方には、不向きかもしれません。
また、敷地が11ヘクタールもあるため、すべてのエリアをじっくり見ようとするとかなり時間がかかる上、歩き疲れてヘトヘトになる可能性があります。
園内にはさまざまな場所にインビス(軽食スタンド)やアイスクリーム屋、レストランがあるので、小腹を満たしながらゆっくり回るのもおすすめです。
フランクフルト動物園の注意点
フランクフルト動物園に入るには入場料がかかります。大人料金(18歳以上)・子ども料金(6~17歳)・割引料金の3種類があり、割引料金が適用されるのは学生と障がいのある方となっています。学生は学生証の提示が必要となるので、持っていくといいでしょう。
ただし、日本の学生証を見せても、「日本語が読めないからこれではわからない」と突っぱねられることがあります。割引を受けたければ英語で「student」と入ったものや、国際学生証を持っていった方がいいかもしれません。
余談ですが、筆者はかなりの童顔・小柄なため、ドイツではなかなか成人扱いしてもらえませんでした。フランクフルト動物園でも、券売所に入るやいなや「子ども」と書かれた入場券を渡されました。
今となっては「ラッキーじゃん!」と思えるのですが、当時は幼く見られることにショックを受けたものです……。
フランクフルト動物園は、貴重な体験ができる穴場スポット!
フランクフルト動物園はライオンやキリンなど定番の動物たちに加え、サビイロネコやオカピ、ガゼルなど、日本ではあまり飼育されていない動物にも出会える場所です。
さらに、ここは地元のドイツ人にも愛されている場所であり、それぞれの生き物に最適な環境を整えようと努力しているドイツ人スタッフの、動物に対する真摯な姿勢を感じることができるでしょう。
ありきたりな観光地に飽きた方、他の人とは違うスポットに行きたい方は、ぜひフランクフルト動物園を訪れてみてください。きっと貴重な体験ができることでしょう!
基本情報
- 名称:フランクフルト動物園(Zoo Frankfurt)
- 住所:Bernhard-Grzimek-Allee 1, 60316 Frankfurt am Main
- アクセス:地下鉄(U6/U7)もしくは路面電車(Linie14)で、「動物園駅(Zoo)」で降車。
- 営業時間:夏季9:00~19:00(チケット販売18:30まで)、冬季9:00~17:00(チケット販売16:30まで)
- 電話番号:+49-069 212-33735
- 公式サイト:https://www.zoo-frankfurt.de/
「フランクフルト中央駅」や、何かとアクセスが便利な「ハウプトヴァッヘ駅(Hauptwache)」から行く場合、Uバーンの方が便利です。U5に乗って「コンスタブラーヴァッヘ駅(Konstablerwache)」で降り、U6もしくはU7に乗り換えると1駅で着きます。
景色を見ながら移動したい、という方は路面電車に乗ってもOK。ただし、動物園駅に停まる路面電車はLinie14しかないので要注意です。