シンガポール生活でかかる生活費とは?物価・生活費解説

スーパーマーケット









シンガポールで生活するにあたり、お給料は最も優先的に確認する重要事項の1つです。しかし、いざ生活を始めるとなると、その次の大きな関心ごとは生活の出費ではないでしょうか。生活をしていると、毎月家賃・光熱費・通信費・食費が決まった出費となってきます。

今回は、私自身の体験も取り入れながらシンガポールでの月々の生活費について紹介します。

シンガポールの住宅にかかる費用

シンガポール

生活費の中でも一番大きな額を締めるのは家賃です。シンガポールの住宅は大まかに分けてHDB(公団住宅)、コンドミニアム/アパートメント、一軒家があります。コンドミニアムとアパートメントの違いは住人向けの共有ファシリティーの有無です。

プールやジムなどの共有ファシリティーがあるコンドミニアムは、セキュリティーがしっかりしているので外国人がよく選ぶ住居スタイルです。

築年数によって料金が変わりますが、古いコンドミニアムは年季の入った建物なので、日本から来ると驚く人が多いです。一方、新しいコンドミニアムは、水回りや電気系統の不具合が起こることが多いので、狙い目は築2-3年以上から10年以内のコンドミニアムです。

月々の家賃相場

2LDKに絞って家賃を調べてみましたが、地域によっても差があります。たとえば、お手頃な値段のHDB(公団住宅)は築5年以上経過したものでないと外国人は借りられませんが、大まかにSGD1800(約15万円)からSGD2700(約22万円)くらいです。

プールやジムなどのファシリティーがついたコンドミニアムだとSGD2500(約21万円)からSGD4800(約40万円)です。もちろん、街中や海沿いにあるような高級コンドミニアムになれば2LDKでもSGD5000(約41万円)以上かかる物件も多くあります。

ちなみに、1年半前に2LDK(新築、約900㎡)に住んでいたのですが、街までバスで30-40分の地域で家賃がSGD4000(約33万円)でした。

しかし、3LDKでも、街から離れたところであればSGD3000(約25万円)前後で見つけることができるので、生活環境や職場までの距離を考慮して住みやすそうな家をみつけましょう。

居住前の費用と退去時の費用

日本でいう礼金はありませんが、敷金はあります。デポジットという形で、入居前に1ヶ月か2ヶ月分の家賃を最初に払うのが通例です。このデポジットは、ほとんどの場合退去時に返金されます。しかし、大きな破損や問題があった場合は一部しか返金されないこともあります。

よくある例が、退去時にカーテンのクリーニング代を間引かれるパターンです。実は契約書類に、1年に1回あるいは退去前にカーテンのクリーニングが義務付けられている場合が多くあります。

しかし、そのことを見落としていて、退去の際にカーテンのクリーニング代を請求される人がよくいます。

また、家具付きの家では、部屋ではなく家具の破損や汚れによりデポジットを引かれることもあるようです。

光熱費

スイッチ

シンガポールは南国なので年中暑く、暑がりの人にはとても辛い気候です。しかし、室内のクーラー設定は18度から20度にされているので、室内に入ってしまえば正にオアシスといった感じです。

気温差が苦手な人はジャケットが手放せませんが、南国特有のじっとりした汗をかかなくてすむので、暑がりの人には住みやすい環境だと常々感じております。

キッチンとお風呂

シンガポールでは、電気・ガス・水道代が一括請求されます。一番費用がかさむのが電気代ですが、ガス代と水道代はそこまで費用がかからないので安心して使用できます。

近年増加しているIHの場合は、請求の際に電気代として加算されるので、お風呂がガス供給(都市ガス)でない場合は電気・水道代のみが請求されます。

お風呂のお湯は、都市ガス供給の住居はガス代に加算されます。しかしいまだに、多くの家が電気スイッチ式です。これは、お湯を使用する前に電気スイッチを入れ、しばらく待って水を温めてから使用するシステムです。この場合は、お湯代は電気代として請求されることになります。

また、住居によってはキッチンコンロがガスボンベ供給ですが、その場合は電気・水道代のみが一緒に請求され、ガス代はガスボンベ交換時に別途支払うことになります。しかし、ガスボンベ代はSGD35(約2800円)くらいで、かえてもらうと3ヶ月はもつのでとても安いです。

クーラー使用率に左右される電気代

うちは家族揃ってみな暑がりなので、家の中では24時間クーラーをつけて生活をしています。

以前2LDKの家に住んでいた時、設定温度25-26度で1機を24時間つけっぱなしでしたが、電気・水道・ガス代を全て含めて2万円しないくらいでした。現在3LDKに住んでいますが、3機を24時間つけていた時でも、全て込みでひと月3万円前後です。

24時間フル稼働で、なおかつ電気代だけでなく水道・ガス代も含まれているとなると、日本と比べて安いと感じます。

通信費

ルーター

携帯代やブロードバンド、テレビ契約などの通信費も必要な支出といえるでしょう。当地でも携帯代のお得プランがあるので、月SGD70(約5700円)からSGD120(約9800円)くらいに支出調整が可能です。

それとは別にブロードバンドとテレビのプランもあり、一緒に契約するとお得になるプランもよく見かけますが、だいたい月SGD70(約5700円)からSGD150(約1万2000円)くらいの出費です。

携帯とブロードバンド、テレビを全てセットにしたパッケージも出ているので、携帯契約の際に確認してみましょう。

テレビに関しては、日本国内と同じ番組が視聴できるネットテレビを契約したり、当地のテレビ視聴提供サービスなどを別途利用する人が増えてきているので、多様な選択で費用を抑えることが可能です。

一番削ることのできる費用ではありますが、海外生活中も日本のテレビを楽しみたい方や、海外ならではの他国チャンネルも楽しみたい方にとっては、やはり削りがたい費用になってきます。かくいう私も、NHK視聴のために現地の会社と契約をしています。

また、家の中で携帯やパソコンを頻繁に使用する人にとっては、ブロードバンドは必要です。こうしたことを踏まえて見積もったとき、家族で赴任ということになると通信費は月SGD200(約1万6000円)からSGD300(約2万5000円)程度の出費となるでしょう。

食費で調整

にんじん

食費はなかなか削れない費用なので悩む方も多いでしょう。しかし、ある意味では一番調整できる支出かもしれません。

シンガポールは外食文化なので、お手頃料金のフードコートもたくさんあります。特にHDB(公団住宅)の中には、生活用品店や飲食店が一階に入っている場合が多いです。

一食SGD3(約250円)からSGD6(約490円)ほどで、簡単に持ち帰りをして家で食べることができるので、お料理が大変なときにはとても便利です。

ただ、健康面が気になる方や、お子様がいらっしゃるご家族は毎日外食というわけにはいかないので、自炊は免れません。

日系店とローカル店の料金比較例

買い物はお店によって値段が大幅に異なるのでお店比較は重要ですが、日本の食材も揃えるのならば伊勢丹、明治屋、ドンキホーテなどを利用するのがおすすめです。

ただ、ローカルスーパーマーケットでも買える同じ食材であっても、料金設定が大幅に違います。たとえばオーストラリア産の人参一袋(500g)が伊勢丹でSGD2.60(約210円)なら地元のスーパーマーケットではSGD0.90(約70円)で購入可能です。

主なローカルスーパーマーケット

ローカルのスーパーマーケットは料金設定が高い順に

  • market place(マーケット・プレース)
  • coldstorage(コールドストレージ)
  • Fairprice finest(フェアプライス・ファイネスト)
  • Fairprice(フェアプライス)
  • Giant(ジャイアント)
  • Sheng Sion(シェンション)

などがあります。

家の近所にどのスーパーマーケットがあるかによって生活スタイルが変わってくるので、家を決める際には最寄りのスーパーマーケットも確認しましょう。いくつかの行きつけスーパーを見つけ、うまく生活費の出費調整を食費で行なっていくと節約も可能です。

日系食材店比較

シンガポールで日系のスーパーマーケットというと、伊勢丹、明治屋、ドンキホーテが挙げられます。

日本だと、伊勢丹と明治屋はお洒落な輸入食材を取り扱っていますが、当地では逆に日本食材を取り扱うお店です。一方ドンキホーテは、日本でもお手頃価格で商品を揃えているお店ですが、当地でも、日本食材や日本からの輸入雑貨の高額なイメージを払拭するほどの値段設定が好評です。

例えば、当地の伊勢丹と明治屋は料金設定が同じくらいで、日本だと1本あたり300円程の日本産の大根は約SGD10(約825円)で販売されています。ところがドンキホーテはSGD6前後(約495円)と大幅に安くなります。

その他の出費(交通費)

線路

交通費も月々の決まった出費の1つです。しかし、シンガポールは交通費が安いのでとても助かります。

当地でもez-linkという、日本のPASMOやSuicaのようなカードがあります。バスと電車の乗車に使える共通カードで、滞在者はみなこれを使っています。

券売機で毎回買うより安くなるので、滞在が決まったらまっ先に購入したいものの1つです。例えば、Orchard駅からSomerset駅の1駅区間を券売機で買うとSGD1.40(約115円)ですが、カードですとSGD0.77(約60円)のチャージです。

カードはMRT駅やバスターミナルにあるチケットオフィスやパッセンジャーサービスで購入できます。

駅によってはサービスカウンターがないところもありますが、7-Elevenでも取り扱っているので心配いりません。ただし、7-ElevenだとSGD10(約820円)、サービスカウンターで購入するとSGD12(約990円)なので購入金額が異なります。

ただし、返金不可のカード費用は共にSGD5(約410円)であり、残りの金額(サービスカウンター購入はSGD7、7-ElevenはSGD5)はチャージ金額として残るため、どちらで買っても損をするわけではありません

タクシーも初乗りがSGD3(約250円)からSGD3.40(約280円)なので安いです。あとはメーター制なので約400メートルにつきSGD0.22(約18円)あがっていきます。

初乗り410円で、237m毎に80円あがる日本と比べると、かなりお手頃なので気軽にタクシーが利用できます。リムジン、クライスラー、ヴァンは料金が異なるので注意が必要ですが、それでも日本のタクシーより安い料金設定です。

ただし、AM12時からAM6時にはメーター料金に50パーセントの夜中料金、平日AM6時からAM9時半/毎日PM6時からAM12時はメーター料金に25パーセントのピークアワー料金が付与されるので気をつけましょう。

これ以外にも、チャンギ空港やセントーサ島などからの乗車になると、Location ChargeとしてSGD3(約250円)からSGD5(約410円)の追加料金があったりもします。

まとめ

シンガポール

海外での新生活は、支出を事前にイメージしておくと生活のストレスが軽減されます。実際に生活をはじめると、その他にも月々の出費がでてきます。さらに、保険・医療費や生活用品の出費も年間で別途発してきます。

また、海外にいると不測の事態が起こることもあります。たとえば緊急で一時帰国をしなくてはならなくなったり、大きな額が突然必要なことも多いです。

それでも、不安を少しずつ除去するために、まずは毎月の支出額の把握をしてみましょう。情報を参考までにご利用いただけたら幸いです。