ニュージーランドへ行くなら絶対に確認しなくてはいけないのが、そのお国の電気事情です。特にニュージーランドは、プラグの形状や電圧から、場合によっては周波数までもが日本とは異なります。ニュージーランドに渡ってから、スマホや携帯電話の充電ができないことになったら大変です。
変換プラグや変圧器は、日本を出る前に用意をするのが一般的です。この記事では、ニュージーランドの電圧やコンセントタイプと、変換プラグや変圧器についてご紹介します。
ニュージーランドのコンセントプラグ形状は?
コンセントタイプ
ニュージーランドのコンセントとプラグは「Oタイプ」です。写真の通り、3つの穴が差込口となります。ハの字型の2つの穴が実際に電気を供給するもの、残った縦長の穴がアース(接地)用です。
ニュージーランドの他に、オーストラリアや中国、アルゼンチンも同じくOタイプです。日本はAタイプを基準としているので、日本の電化製品をニュージーランドで使う際には、AタイプからOタイプへの変換プラグが必要です。
スイッチ付き
ちなみに、上の写真でコンセントの横にスイッチがあることにお気づきでしょうか?ニュージーランドのコンセントは、プラグを差し込むだけでは電気が流れません。スイッチをオンにして初めて電気が流れます。下の写真のように、赤い印が見える状態がオンです。
ニュージーランドにはOタイプの変換プラグを持って行こう
一般的に、変換プラグとはコンセントに差し込む金属部分の形状を変えるためのものであって、電圧や周波数を変える機能はありません。
変換プラグは複雑な電子機器ではなく、金属と絶縁体でできた比較的シンプルな部品なのです。したがって、入手するのは物理的にも経済的にも難しくありません。
変換プラグを買える場所
変換プラグの入手経路は3つあります。
オンラインショッピング
アマゾンや楽天で「変換プラグ O」と検索すると、AタイプからOタイプへの変換プラグを探せます。しかし、逆のOからAの変換プラグも表示されます。購入する際は、間違いのないように注意しましょう。
実店舗に赴く
ビックカメラなどの家電量販店から、ダイソー、空港でも入手できます。ただし、空港で売っている変換プラグは割高のものが多く、あまりおすすめしません。
ニュージーランドで買う
現地で購入することもできますが、あくまで最終手段です。ニュージーランドの大手ホームセンター「The Warehouse(ザ・ウェア・ハウス)」には、ニュージーランドへ訪れた外国人向けに変換プラグを販売しています。
店舗一覧はこちら
変換プラグの種類と相場
変換プラグには、単にAタイプからOタイプへ変換するものと、AタイプからO、B、Cなど様々な形状に変換してくれるマルチプラグがあります。AからOのみの変換プラグは、100〜400円が相場です。マルチプラグになると、値段は1,000円〜3,000円が一般的です。
マルチプラグはお値段こそ張りますが、複数の国に滞在するには最適です。
私がニュージーランドで使用している、Oタイプへのみ変換するプラグは以下です。価格は低くても、差し込んだときの安定感や性能はバッチリです。
こちらのマルチプラグは、世界150ヶ国以上に対応できる上に、USBポートが2つあります。
こちらは、ニュージーランドで購入できる変換プラグです。ただし、様々なタイプのプラグをOタイプにのみ変換するものなので、汎用性が低いのが欠点です。
ニュージーランドの電圧は?
ニュージーランドの電圧は230V(ボルト)、日本の100Vと比べると2倍以上の値です。そもそも電圧とは、電流が流れる勢いをイメージすると分かりやすいでしょう。勢いの大きい電流を流すには、電化製品がその勢いに耐える必要があります。
つまり、100Vの低い電圧を想定した日本の電気製品は、基本的にニュージーランドの高電圧には対応できません。
ニュージーランドの高電圧の電流をそのまま流し込むと、電気製品の故障や発火の原因となります。そこで必要になるのが変圧器です。変圧器とは、一言でいうと「電圧を変える機器」です。
日本の電気製品をニュージーランドで使うなら、電圧を下げる(ダウントランス)変圧器を、コンセントと電気製品の間に設置する必要があります。
日本の電気製品をニュージーランドで使うには?
まず知っていただきたいのが、日本の電気製品は全て変圧器が必要というわけではないことです。スマホ、ノートパソコン、デジカメ、電気シェーバー、さらに最新の家電などは100Vから240Vまで幅広い電圧に対応している製品があります。
つまり、ニュージーランドのコンセントに電気製品を接続するときには、2つのパターンに分かれます。
- コンセント+変換プラグ+変圧器+高電圧に対応していない製品
- コンセント+変換プラグ+高電圧に対応している製品
ちなみに上の写真は、コンセントに黒い変換プラグと、白い変圧器を繋げた状態です。
対応電圧の確認方法
お使いの製品がどの程度の電圧に対応しているかは、ご自分で簡単に調べられます。電気製品には、必ずどこか見える場所に、想定している電圧が記されています。日本製のヘアアイロンを例にすると、このような表記がされています。
「AC100V」と表記されています。これは、100VのAC(交流電流)を想定した商品ですよ、という意味です。したがって、変圧器によって100Vまで電圧を下げる必要があります。
次に、iPhone の充電アダプターを見てみましょう。非常に小さい文字ですが、「Input: 100ー240V」と記されています。つまり、100Vから240VのInput(入力)に対応できると分かります。この場合、変換プラグは必要、変圧器は不要です。
変圧器を選ぶ際の注意点
一口に変圧器といっても、大きさや性能は様々です。理科の実験で使うような大きな箱型の変圧器から、旅行に適したコンパクトサイズのものまであります。さらに、ドライヤーなどの熱器具専用のもの、反対に熱器具の使用が禁止されているものも。
大事なのは、変圧器を選ぶ前に、変圧が必要な持ち物を特定することです。そして、購入する前に必ず、その変圧器で「使用できる電気製品」と「使用できない電気製品」を確認しましょう。
変圧器を選ぶときのポイント
「ニュージーランドへ持ち込みたい電気製品に対応している変圧器を見つけたけど、色々な種類があって選べない。」そんなときは、以下の基準をチェックしましょう。
安全装置はついているか
電流が流れすぎたり、発熱したりするのを自動で防いでくれる機能があると安心です。
プラグやUSBの差し込み口の数
差し込み口が1つしかないのは、スマホやノートPCなど複数の電子機器を充電したい場合に不便です。
値段は妥当か
性能の良さにもよりますが、海外旅行用の小型変圧器は5,000円以内が相場です。
変換プラグが付属されているか
商品によっては、変圧器と一緒に変換プラグもついてきます。Oタイプの変換プラグがついてくるか確認しましょう。
この変圧器は、これらの基準を全て満たしているおすすめ商品です。
ニュージーランドで買った方が良いもの
海外旅行用の変圧器の多くは、スマホやパソコンの充電に適している代わりに、ドライヤーなどの熱器具に対応していません。さらに、熱器具専用の変圧器を購入しても、マイクロコントローラを内蔵している製品には使用できません。
特に、ニュージーランドで買った方が良いものは「ヘアアイロン」です。これは、熱器具非対応の変圧器はもちろん、熱器具専用の変圧器をもってしても「使用できない製品」に入ります。
私はそのことを知らずに、日本からニュージーランドにヘアアイロンを持ってきてしまいました。結局、変圧ができないのでヘアアイロンは全く使っていません。
ニュージーランドの周波数は?
ニュージーランドの周波数は50Hzです。ちなみに日本は、東日本が50Hz、西日本は60Hzです。ニュージーランドと周波数の異なる西日本の電気製品を使用したい場合は、注意が必要です。
電気製品には、周波数が変化しても使えるもの、使えるが性能が変化するもの、使えないものがあります。
周波数が変化しても使えるものには、電熱や電波を利用する器具(テレビ、ラジオ、トースター、電気こたつ、LED電球など)があります。
モーターを利用する電気製品(冷蔵庫、扇風機、掃除機)は、モーターの回転数への影響から性能が変化するものがあります。
残念ながら使えない製品(電子レンジ、蛍光灯、洗濯機)もあるので、現地で購入するようにしましょう。
まとめ
日本とは大きく異なるニュージーランドの電気事情とその対策をご紹介しました。変換プラグは絶対に必要で、入手も比較的カンタンです。しかし、変圧器選びは一段と難しくなります。
なぜなら、そもそも必要なのか、必要な場合どの種類の変圧器が適しているのかをチェックしなければならないからです。
ゆとりを持って荷造りをし、ニュージーランドに持っていく電気製品にピッタリの変圧器を用意しましょう。