ニュージーランドのビザ情報。学生ビザの取得・延長と卒業後

ニュージーランド









ニュージーランドは旅行や留学、ワーキングホリデーなどで日本人に人気の高い国です。

ニュージーランドへのビザ申請は、移民局のホームページを通してオンライン申請をし、「eVisa」という電子ビザを発給する方法が一般的です。

パスポートにビザは貼られず、移民局からEメールで送られるeVisaを印刷し、入国審査時に提示します。

この記事では、前半はニュージーランドのビザの種類や免除条件について、後半は学生ビザの取得についてご紹介します。※1ニュージーランドドル (NZD)=約75円(2019年4月現在)

ニュージーランドにビザは必要か

植物

3ヶ月以内の訪問・就学を目的にニュージーランドに滞在する日本国籍保有者は、ビザを取得する必要はありません。しかし、ビザの発行を免除されるには多くの条件がつきます

ビザの主な免除条件

パスポート
ニュージーランド出国予定日から3ヶ月以上の有効期限が残されているもの。
ニュージーランド出国の航空券
ニュージーランドへ渡航する前に出国の航空券を購入します。日本で空港にチェックインするときに、提示を求められる場合があります。
十分な滞在資金
1ヶ月の滞在につき1,000NZD(約75,000円)以上の資金、宿泊費用を支払い済みの場合は1ヶ月につき400NZD(約30,000円)以上の資金が必要です。
入国時には、どのように資金にアクセスするのかと質問される可能性があります。例えば、「クレジットカードを使う」がアクセス方法の一つになります。
目立った犯罪歴がないこと
2年以内の滞在の場合、無犯罪証明書を用意する必要はありません。ただし入国カードには、過去に禁固刑や国外退去処分を受けたことがあるか回答する欄があります。

3ヶ月以内の滞在でもビザが必要な場合

ニュージーランドに医療相談や治療を目的として滞在される場合は、たとえ3ヶ月以内の滞在でも「Medical Treatment Visitor Visa(医療滞在ビザ)」の申請が必要です。そして、ニュージーランドで就労し給料を受け取る場合は、就労ビザが必要です。

また、日本国籍をお持ちでない場合は、ビザ免除国一覧をご確認ください。免除国でない国籍をお持ちの方は、たとえ3ヶ月以内の滞在でもビザが必要です。

ニュージーランドの主なビザの種類

ビザ

初めにビザ申請に必要な基本書類と

  • 訪問ビザ
  • 学生ビザ
  • 就労ビザ
  • 永住ビザ

これら4種類のビザの概要をご紹介します。

ビザ申請に必要な基本書類

ビザの種類によらず、ビザ申請に必要な基本書類は以下の通りです。

証明写真
オンラインで申請するなら1枚、紙で申請するなら2枚用意します。
パスポート
ニュージーランド出国予定日から3ヶ月以上の有効期限が残されているもの。
資金証明
1ヶ月につき1,000NZD(約75,000円)以上、宿泊費を支払い済みの場合は1ヶ月につき400NZD(約30,000円)以上の滞在資金があることの証明書です。
銀行が発行する英文の残高証明書や、宿泊施設の領収書などが証明書として利用できます。
胸部エックス線検査書
滞在期間が6ヶ月を超える場合は、結核感染の恐れがないかを調べるため、ニュージーランドの移民局が指定する日本の病院で検査をします。指定された病院はこちらから検索できます。
無犯罪証明書
17歳以上の方が24ヶ月以上ニュージーランドに滞在される場合は、警察署が発行する無犯罪証明書の提出が必要です。
日本国籍を保有しているなら日本の無犯罪証明書を、さらにあなたが17歳以降に5年間滞在したことのある国の無犯罪証明書も必要です。

ちなみに、日本国籍をお持ちの方はビザの申請料金が無料です。

訪問ビザ

3ヶ月以内の訪問・就学には、ビザなしでニュージーランドに滞在できます。

滞在期間が3ヶ月を超える場合は、「Visitor Visa(訪問ビザ)」が必要です。このビザを取得すると、9ヶ月以内の訪問・観光と3ヶ月以内の就学が可能になります。また、ビザ申請の際にはパートナー(異性婚、同性婚、事実婚を含む)や19歳以下の子どもを含めることができます。

ビザ申請に必要な書類は、すでにご紹介した基本書類が必要です。

学生ビザ

3ヶ月を超えるフルタイムの就学には学生ビザが必要です。学生ビザにはいくつかの種類があります。

一般的に、ニュージーランドの学校に入学する場合は「Fee Paying Student Visa」を選びます。このビザは、留学先の教育機関によっては週20時間以下のアルバイトや、長期休暇中のフルタイムの就労が許可されます。

他にも、交換留学の場合は「Exchange Student Visa」、学生ビザや就労ビザをお持ちの方が18歳未満の子どもをニュージーランドの学校に通わせるなら「Dependent Child Student Visa」、複数の教育機関を連続して利用する場合は「Pathway Student Visa」など、選択肢は多岐に渡ります。

ビザ申請に必要な書類は、後ほど詳しくご説明します。

就労ビザ

ニュージーランドで就労するためのビザは、日本人が取得可能なものだけでも30種類以上あります。

18〜30歳の方が取得できる「Japan Working Holiday Visa(ワーキングホリデービザ)」がその1つです。申請方法はオンラインのみ、子どもの同伴は不可などの制約が付きますが、有効期間の12ヶ月のうち合計6ヶ月間は就学や研修が可能です。

また、代表的な就労ビザとしては「Essential Skills Work Visa」があります。このビザは、あらかじめニュージーランドの仕事(フルタイム)の内定を受けた人が申請できます。

就労ビザの申請に必要な書類は、ビザの種類によって異なります。基本書類はもちろんのこと、主に資格や職務経歴の証明書(英文)と、内定を受けた雇用主の情報や仕事の契約書などが必要です。

永住ビザ

永住ビザにも種類がいくつかありますが、最も代表的なのは「Skilled Migrant Category Resident Visa(技能移住ビザ)」です。

このビザを申請するには、健康や無犯罪であることはもちろんのこと、

  • ビザ申請時に56歳未満
  • IELTS6.5バンド以上に相当する英語力
  • 移民局による審査「Expression of Interest」で100点以上(確実に審査に通るには160点以上必要です)

などの最低条件がつきます。

Expression of Interestは、年齢、学歴、資格などの指標をポイント制で表したものです。移民局のWebページ(英語)からご自分のポイントを算出できます。

 

技能移住ビザの他に、家族移住ビザや起業・投資移住ビザもあります。

ニュージーランドの学生ビザを取得するには

授業

学生ビザの申請には学校からの入学許可証や学費の領収書が必要なので、先に学校への入学手続きを済ませる必要があります。ビザ申請は、遅くともニュージーランド入国予定日の2ヶ月前を目安に行いましょう。

ちなみに、日本国籍をお持ちの方はオンラインのビザ申請を無料でできます。

学生ビザの申請に必要な書類

3ヶ月を超える就学には、学生ビザが必要になります。最も一般的な学生ビザである「Fee Paying Student Visa」のオンライン申請に必要な書類は以下の通りです。証明写真はJPG形式、それ以外の書類は全てPDF形式のものを用意します。

証明写真
デジカメやスマートフォンでの撮影で結構ですが、画像の大きさや背景など注意すべき点があるので、移民局のWebページをご参照ください。
パスポート
ニュージーランド出国予定日から3ヶ月以上の有効期限が残されているもの。オンライン申請の場合、顔写真のページをスキャンした画像を提出します。
資金証明
年間15,000NZD(約1,125,000円)、短期の留学なら1,250NZD(約93,750円)の滞在資金があることの証明書が必要です。
銀行が発行する英文の残高証明書や、宿泊施設の領収書などが証明書として利用できます。
または、経済的に援助をしてくれる親族やスポンサーがいることを証明することもできます。
胸部エックス線検査書
滞在期間が6ヶ月を超える場合は、結核感染の恐れがないかを調べるため、ニュージーランドの移民局が指定する日本の病院で検査をします。指定された病院はこちらから検索できます。
無犯罪証明書
17歳以上の方が24ヶ月以上ニュージーランドに滞在される場合は、警察署が発行する無犯罪証明書の提出が必要です。
日本国籍を保有しているなら日本の無犯罪証明書を、さらにあなたが17歳以降に5年間滞在したことのある国の無犯罪証明書も必要です。
学校からの入学許可証
履修するコースや就学期間、フルタイムかパートタイムでの就学なのかが明記されたものを用意します。
学費の証明書
学費の領収書が必要です。奨学金などの理由により学費を免除されている場合は、免除されていることの証明書が必要です。
ニュージーランド出国時の航空券またはその購入に必要な資金の証明
出国するのに十分な資金があることの証明をします。往復航空券を購入済みなら航空券を、購入していない場合は英文の残高証明書で資金が十分にあることを証明します。
宿泊費の領収書
寮やホームステイなどの宿泊先に費用を支払った証明書が必要です。

これらの他に、ビザ申請時に証明書の提出は求められませんが、滞在期間中の医療・旅行保険への加入が義務付けられています

学生ビザのオンライン申請をする前に

ウェブサイト

移民局にオンラインでビザ申請をする場合、初めに「RealMe(ニュージーランド総務省による本人確認システム)」のアカウントを作成します。

 

こちらのWebページ右側の「CREATE YOUR REALME LOGIN」をクリックして、アカウントの新規作成をします。

アカウントを作成後、登録したアドレスにEメールが送られます。Eメールのリンクをクリックして認証が完了すれば、学生ビザのオンライン申請が可能になります。

オンラインでの申請方法

ウェブサイト

こちらのWebページ下部の「APPLY NOW」から、Fee Paying Student Visaの申請をスタートします。

作成したRealMeアカウントにログインすると、以下のようなページが表示されます。

ウェブサイト

「Student visa」をクリックして、申請開始です。

ウェブサイト

まず、あなたの求めているビザの種類がこのWebページで本当に申請可能かを確認します。赤いアスタリスクは必須項目となっています。この申請ページは、回答によっては新たな質問が表示される仕組みになっています。

ウェブサイト

この様に、最初は身分証明から始まります。住所やメールアドレス、パスポート番号など様々な情報を記入します。その後は就学期間や学生ビザの種類に関する質問、経済的援助を受けているスポンサーや滞在資金に関する質問、健康や犯罪歴に関する質問がされます。

10ページ以上にわたる長い申請フォームですが、データを保存できるので、1度に申請を完了させる必要はありません

ウェブサイト ウェブサイト

この申請の最後には、書類をアップロードするページがあります。パスポート用の証明写真はJPG、その他のコピーやスキャン画像は全てPDFという点にご注意ください。

ニュージーランドで学生ビザを延長したい場合

ニュージーランド

ニュージーランドにいながら学生ビザの更新・延長をしたい場合は、学校を通して申請することをおすすめします。

ニュージーランドの多くの学校は、移民局と連携した独自のビザ申請システムがあります。ビザ申請システムがある学校の一覧マップはこちら。

 

学校を通して学生ビザを申請するメリットは、ビザの審査が非常に早く完了することです。なぜなら、学校を通して申請している時点で身元が保証されているからです。

例えば私の通う大学では、移民局の学生ビザ更新用紙(https://www.immigration.govt.nz/)を記入して、身分証明書や移民局に提出すべき書類とともに大学の事務所へ出向きます。

ビザ申請システムのない学校の場合は、オンラインで申請します。

ビザの延長に必要な書類

学生ビザを初めて申請した際の書類とほぼ同じです。証明写真や滞在資金の証明書は更新のたびに必要になるものです。ただし、無犯罪証明書や胸部エックス線検査書は、以前のビザ申請時に提出済みの場合は免除される可能性があります。

無犯罪証明書は、以前提出したものが3年以内に発行されたものの場合、延長申請時の提出を免除されます。

胸部エックス線検査書は、過去3年以内に提出済みの場合かつ、前回の提出時以降に「結核の危険度が低い国リスト」に含まれていない国へ6ヶ月以上滞在していない場合に免除されます。

ちなみに、日本は「結核の危険度が低い国リスト」に含まれないので、日本に6ヶ月以上滞在した場合は再度エックス線検査書を取得しましょう。

卒業後に取得できる就労ビザ制度

卒業式

ニュージーランドの専門学校や大学を卒業し、審査基準以上の資格(学士号や技術資格)を取得すると、1~3年の就労ビザを申請できます。この「Post-Study Work Visa」というビザは、就労できる雇用主や職業にほとんど制限がありません。

ニュージーランドの学校を卒業後、学んだことを生かして自由に仕事を選び就労できる魅力的なビザです。

審査基準の資格については、移民局のWebページ(英語)に詳しい情報が載っています。

 

申請条件は以下の通りです。

  • 基準以上の資格を取得済みであること
  • 学生ビザの失効から3ヶ月以内に申請すること(博士課程を修了した方は6ヶ月以内)
  • ビザ申請時に4,200NZD(約315,000円)以上の滞在資金があること

オンライン申請はこちらから

まとめ

ニュージーランドへのビザ申請は、オンラインで安く早く済むようになりました。ビザ申請は最低でも入国の2ヶ月前にと述べましたが、提出する書類は英文なので、証明書の翻訳作業も見越してできるだけ早めに書類を手配しましょう。

また、ビザの申請条件や審査基準は変更される可能性があります。申請する際は、必ず移民局のホームページで最新の情報をご確認ください。

みなさんが各々の目的でニュージーランド滞在を存分に楽しめることを願っています。