海外旅行をする人、長期滞在する人、みんなそれぞれに目的があると思います。
私は1年間、イギリスのカンタベリーに留学していましたが、私の留学の目的の一つにイギリスの歴史を学ぶことがありました。1年間の留学中、イギリス各地を回りその地を見て、今残る歴史や自然を肌で感じてきました。
ここではそんな経験から、私が実際に訪れたイギリスの都市の中から、歴史好きにおすすめの場所を紹介していきます。
英国国教会の総本山カンタベリー
私が住んでいたイギリス南東部の町カンタベリーには英国国教会の総本山があり、「カンタベリーに住んでいる」というと「英国国教会の総本山だね」とよくイギリス人に言われたものでした。
カンタベリーはロンドンから快速列車で1時間の距離にあり、町が城壁に囲まれています（最初の城壁はローマ時代のものでしたが、現存するものは中世の頃のものです）。
世界遺産のカンタベリー大聖堂をはじめ歴史的建造物がたくさんあり、とてものどかな町です。博物館も複数あり歴史を深く知ることができます。ロンドンからの日帰り旅行にもおすすめな場所の一つです。
カンタベリーによく似た雰囲気のヨーク
ヨークはロンドンから北に電車で2時間の位置にある、非常に歴史の長い町です。ローマ、サクソン、デーン、ノルマンと多くの民族の争いと交流を見続けてきた約2,000年の歴史を誇る町です。
ヨークも市街地が城壁（現存する大部分は中世のもの）に囲まれており、ヨークの町に着いた瞬間、「カンタベリーのよう」と感じました。まるでカンタベリーを2倍くらいに大きくしたような町で、一瞬で気に入りました。
おすすめはヨーヴィック・ヴァイキングセンターで、タイムマシンに乗ってヴァイキング時代のヨークを訪れるというアトラクションがあり、とても魅力的です。
天下分け目の戦いヘイスティングス
イギリスの歴史の中で最も重要な事柄の一つが、ここヘイスティングスで起こった1066年のノルマン人の征服(Norman Conquest)です。
ここは、フランスのノルマンディー公ウイリアムが、当時の英国王ハロルド2世率いるアングロサクソン軍を破り、イングランドを征服したヘイスティングスの戦いの戦場となった場所です。
このヘイスティングスの戦いの結果、イギリスはフランスからの影響を受けるようになり、それは現代の英語にも大きな影響をもたらしています。
ヘイスティングスの観光スポットであるお城や洞窟は、すべてケーブルカーでのぼった小高いところにあります。それを知らずに私はずっと街をさまよい歩いていましたが、海がとてもきれいな場所でした。
ケーブルカーで上ったところでは、ヘイスティングスの歴史を感じながら最高の景色を満喫することができました。
温泉の町バース
バースはローマ時代に温泉の町として栄えたところとして有名です。紀元前1世紀のローマ人によって建てられた大浴場、ローマン・バスは最も保存状態がよいローマ遺跡といわれています。
写真とは異なり、実際に見るローマン・バスは圧巻でした。テルマエロマエの世界を想像しながら、残っている遺跡の展示物を見ることができました。
バースとオックスフォードを2泊3日で旅行しましたが、オックスフォードをふくめると時間が足りないほどでした。
謎に満ちたストーンヘンジ
古代の遺跡としてもっとも有名なものの一つストーンヘンジは、ゆっくり自分のペースで散策ができるのでおすすめです。今なお謎に満ちたストーンヘンジの巨石建造物の周りを、オーディオガイドを聞きながら自分のペースで回ります。
途中ストーンヘンジの周りでは、イギリス人のように芝生の上に寝転がりながら、古代の歴史の謎に思いをはせることができます。
ストーンヘンジに行くための拠点は、近くのソールズベリという町になりますが、ソールズベリを訪れる観光客のほとんどがストーンヘンジに行くので、周りの人についてバスに乗っていけば、ほぼ間違いなくたどり着くことができます。
ウェールズの歴史テーマパーク
ウェールズの首都カーディフからバスでおよそ30分のところにあるのが、セント・ファガンズ国立歴史博物館です。広大な敷地にウェールズの古代から各時代の家、学校、パン屋などそれぞれの建物が復元されています。
実はここ、ガイドブックに載っていない穴場で、私も知らなかったのですが、カーディフのホステルで知り合った中国人に教えてもらいました。情報がまったくない中で行くことになったので、たどり着くまで不安だったのですが、駅前のバス乗り場で聞くと、みんな親切に教えてくれました。
あんなに広大なテーマパークに無料で入れるのは驚きです。ここは絶対に行くべき場所の1つです。
まとめ
イギリスには歴史的な町が各地に点在しています。おそらく多くのみなさんがロンドンに行かれると思いますが、ロンドンから少し足を延ばしたところに歴史深い町並みが多く残されています。
都会から離れた町の方がのどかですし、旅をしているといなかのほうが、かえって地元の人やほかの観光客とも仲よくなれます。
イギリスは交通の便が発達していて、また小さな島国ですので、ロンドンを拠点に日帰り旅行で各地を回ることも可能です。ぜひイギリスにお越しの際は歴史巡りを楽しみ、英国の長い歴史に思いをはせてみてください。
