韓国・ソウルから行ける！週末は世界遺産トングルンで森林浴を

ソウルの企業にお勤めの日本人の皆さん、毎日の激務で心身ともに疲れたーというとき、近場のパワースポットで森林浴しながら「気」を充電しませんか？今回はソウル近郊の世界遺産、동구릉（トングルン）という歴代王様の陵群にご招待します。

ここはソウルのすぐそばでありながら入場料は安く、静かなときを過ごすことのできる、絶好の穴場です。１つ１つの陵をめぐって歴史を学びつつ、トングルンの土地が持つ「気」に触れて、ヒーリングをしてみてはいかがでしょうか。

世界遺産トングルン

トングルンは韓国の首都ソウルの隣に位置する小さな市、九里（クリ）市にあります。トングルンは漢字で「東九陵」と表記され、「東に９つの王陵がある」ことからつけられた名前です。

ここには、日本では李氏朝鮮として知られる、朝鮮王朝を建てた李成桂をはじめ、朝鮮王朝の歴代王様と皇后様をお祀りする９つの陵があります。このように歴代王様の陵が９つも集まっているのは珍しいため、歴史的価値も高く、2009年にはユネスコ世界遺産に登録されました。

世界遺産なので、敷地内への飲食物の持ち込みやテント設営、バーベキューなどの火気使用は禁止されています。

実は昔はもっと開放されていて、春と秋には遠足の子供たちでにぎわい、敷地内に出店なども多数立ち並んでいたそうです。今は大切な文化財を守るために、そういうことがすべて禁止になったのでしょう。

以前子連れで行ったときは、何も知らずにレジャーシートやお弁当、お菓子をもってピクニックのように遊んでいました。今はそういうものは禁止と案内所に書かれています。そのためか、今回訪問したときには、駐車場の隣の木陰にレジャーシートを広げておしゃべりを楽しんでいる人たちが数人いるだけでした。

まずは入り口でチケットを購入

入場料はとってもお手頃で、大人1人1,000ウォン、子供は無料です。詳しい入場料は記事の最後にご案内します。

歴史文化館

入場料を払って中に入ると、すぐ右手に歴史の勉強館があります。小規模ですが建物は新しく、きれいに管理されています。椅子に座って大画面のテレビでトングルンの説明を聞くことができますが、ハングルのみでの説明になります。

トングルンの敷地は広大で、60万坪近くあります。ぐるっと一周見学すると、帰るころには足もくたくたになってしまいますが、この歴史文化館内は椅子もあり、エアコンもきいているので、帰り際に一休みするのにも最適です。

いざ、内部へ！

敷地内に入ると、すぐに全体が広い森のようになっていることがわかると思います。森林に囲まれた砂利道を歩くと、木々の香りにふわっと包まれて、都会の中にありながらここだけ空気が違うなと感じることができます。

入場して、道なりに少し歩くと異国情緒にあふれた門に出会います。

これはホンサル門といって、ここが本当の王陵入口であることを示すものです。ここからは礼をもって行動を慎むべしという意味をもっています。

門をくぐり、そのままずっと歩いていくと、少しひらけたところに立派な大木とそれを囲むようにベンチがあります。

ここでもまた少し木陰に座って休むことができます。大木の右手には韓国伝統様式の建物が見えてきます。

ここは祭祀をつかさどる祭官の過ごすところで、本来は王陵を守る陵参謀の住むところだそうです。現在はトングルンで行われる様々な行事や伝承遊び体験などを行うスペースとして活用されています。私の訪ねたときにはイベントがなかったので、建物内には特に展示物がありませんでした。

王様の陵（元陵）

いくつか出てくる分かれ道の一つを選択し、そのままずっと歩いていくと広い芝生が見えてきます。入口には先ほど入場してすぐ現れた門と同じホンサル門があり、ここでまた、ここから先が王の領域であることを再確認できます。門の向こうにはお寺のような建物が見えます。

門からその建物にまっすぐ続く石畳の道が二本あり、少しだけ高さに違いがあります。高いほうが神様の通る道「神道」、低いほうが王の通る道「御道」と表記がなされています。

建物に近づいて石段を登り、上に上がってみると、建物はそれ自体が祭祀の際に使用する大きな祭壇のような役割をしていることがわかります。

内部をのぞき込んでみると大きな卓があります。その日は卓の上には何もありませんでしたが、立ち入り禁止の柵の前に表示板があり、そこに祭祀の際にお供えする食べ物の種類や供え方が写真と解説付きで記されていました。

上を見上げると、屋根の美しい色彩に感嘆します。韓国の寺院建築はこのように緑と赤を基調に彩色されているところを多く見かけます。

屋根の上には守り神の像があります。

ここから後ろを振り返ると広い芝生の向こうにたくさんの木々、上を見上げると青空が広がっていて、まるで都心のオアシスのようです。さわやかな風に吹かれていると日常のストレスもさっと吹き飛んでしまうので、私はときどき訪れてたっぷり森林浴を楽しんでいます。

王様の陵（景陵）

朝鮮王朝第24代の王、憲宗と皇后さま、そして継妃の方が眠っている、トングルンの中では最後に作られた、９番目の陵です。ここは朝鮮時代唯一の３連陵で、３つの陵が仲良く横並びに祭られています。

写真が逆光になってしまってよく見えませんが、門の外にある看板には憲宗の説明と、陵に関する説明文が看板に表記されています。右側の看板の上の方に白い丸が３つ連なっている図が見えますが、それが３連陵です。柵があって登ることができませんが、丘のような部分を登るとそこに石像に守られた王陵があります。

目の前の芝生で子供たちが大喜びで走り回っています。子連れで訪問するならシャボン玉などをもってきて遊ぶのもいいでしょう。

まとめ

トングルンは歴史探訪はもちろんのこと、自然にもたくさん触れることのできる、都会には珍しいヒーリングスポットです。運がよければリスやカブトムシにも会うことができます。

ソウルから30分でこんなたくさんの自然に包まれることのできる場所もなかなかないので、ぜひ一度遊びに行ってみてください。心落ち着く、素敵な時間を過ごせること間違いなしです！