韓国での大気汚染対策はどうする?PM2.5注意報と対策

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韓国は大陸と近い分、PM2.5の濃度が高い日が日本よりも多く、近年大きな社会問題になっています。PM2.5の健康被害は深刻で、イギリスの医学誌に発表された研究結果によると、世界の死亡リスク要因の第5位に挙げられています。

今回はPM2.5についてさらっとおさらいし、少しでもその被害を防ぐため、私たちがとることのできる対策をレポートします。韓国に来られる際の参考にしていただければ幸いです。

韓国のPM2.5データ

韓国

ここ数日、韓国ではPM2.5濃度の高い日が続いています。日本ではPM2.5と呼ばれる微細粒子を、韓国では超微細粉塵と呼びます。また、それより少し粒子の大きいPM10のことを微細粉塵と呼び、天気予報では微細粉塵と超微細粉塵の両方の予測値が報道されます

2019年3月5日、PM2.5平均濃度は首都ソウルで1立方メートル当たり150マイクログラムで、過去最高の129マイクログラムを大きく上回る値が観測されました。この日は全国的にPM2.5濃度が高く、多くの都市で過去最高値を更新しています。

去年の国家別年平均PM2.5濃度順位を見ると、調査国73か国中韓国は27位に、OECD国家の中ではチリに次ぎ2位にランクインしています。一方日本はというと、73か国中55位、OECD国家の中では6位にランクインしています。

韓国のPM2.5の原因

渋滞

韓国の国立環境科学院によると、冬の時期には国外からPM2.5が偏西風に乗って韓国に流入します。この時期は大気が停滞しやすく、また暖かい気候も続くため、「最悪」ともいうべきPM2.5に悩まされることになります。

深刻になりつつあるPM2.5問題を解決するため、日中韓3国は互いに協力し研究・モニタリングを続け、結果を共有しています。

それによると、韓国のPM2.5の原因の一部は中国から風に乗って流れてくる汚染物質にあり、また一部は韓国内のディーゼル車の排気ガスや老朽化した火力発電所にあるといわれています。ただ、PM2.5の原因は複雑で、明らかにできていない部分もまだ多くあるようです。

PM2.5の症状

薬

例えばPM2.5を喫煙量に換算すると、どれくらいのものになるでしょうか。2019年3月5日、ソウルの1日平均PM2.5濃度が1立方メートルあたり150マイクログラムまで達しましたが、それを喫煙量に換算すると1日5~7本のたばこを吸っていることになります。

PM2.5による健康被害

薬

PM2.5が原因となる疾病は「心疾患および脳卒中」が最も多く、次に「急性下気道呼吸器感染および慢性閉鎖性肺疾患」「肺ガン」と続きます。

とはいえ、PM2.5がすぐにこのような大きな病気を引き起こすわけではありません。PM2.5の影響は十人十色。症状の出ない人もいれば、ひどい人もいます。

一般的によく聞かれる症状は、のどのイガイガ、鼻水、痰、目の充血などです。また、アトピーなど持病がひどくなったり、頭痛に悩まされる人もいます。

私の場合は特に何の症状も出ませんが、PM2.5の多い日にマスクなしで外出すると、鼻で息をしていても口の中に何かが入ってくる感覚があります。

国家レベルでのPM2.5対策

会議室

このように様々な症状を引き起こし、さらには深刻な病気にまで発展することもあるPM2.5ですが、私たちはこれに対してどのような対策をとることができるでしょうか。

韓国政府は深刻になりつつあるPM2.5を解決するため、中国との両者協議をはじめとし、東北アジア関係国との多国間協議を推進してきました。特に中国とは「晴天プロジェクト」という共同研究事業を展開し、定期的に研究結果を共有しています。

韓国内の対策としては、老朽化した火力発電所の停止・建て替え、PM2.5のひどい日にはソウル市内車両2部制の導入、古いディーゼル車の買い替えの補助、電気自動車の導入などがあります。

人工的に雨を降らせて大気中のPM2.5を落とすという実験も行われていますが、まだ大きな成果は得られていないようです。

個人レベルでのPM2.5対策

マスク

それでは個々人の取れる対策にはどのようなものがあるでしょうか。正直、「これだ!」と言える絶対的な対策がないのが実情ですが、その中でも私たちがとれる対策は3つあります。

外出しない

身も蓋もないような話ですが、「PM2.5のひどい日には外出しない」ことが大前提です。毎日テレビやスマホで天気予報を確認して、PM2.5濃度の高い日には外出を控えることが最も効果的な対策と言えます。

韓国の場合はPM2.5濃度の日平均が50マイクログラムを超え、次の日の予報も50マイクログラムを超える場合などに携帯電話に「非常低減措置」のメールが国から送られてきますが、そこには必ず「老人・子供・呼吸器疾患のある人はできるだけ外出をしないように」と書かれています。

学校でも、PM2.5濃度の高い日には体育の授業を体育館で行い、休み時間にも運動場に出ないように指導しています。

マスクをする

マスク

仕事や用事などで、どうしても外出しなければならないこともあります。その時はKF認定を受けた、PM2.5用のマスクをしましょう。PM2.5用のマスクには一般のマスクと違って「KF〇〇」というマークがついています(〇の中には数字が入ります)。

KFとはKorean Filterの略で、食品医薬品安全所のいくつものテストに合格したマスクだけがこの認定を受けることができます。KFの後ろにつく数字は80、94、99の3種類。数字が大きいほど粒子遮断率が高く安心ですが、一方で呼吸をしづらいという欠点があります。

3つのうちどれを選ぶかは買う人の自由ですが、KF80でもPM2.5の遮断には十分だといわれています。

PM2.5用マスクは使い捨てです。価格も1つ当たり100円前後と少し高めなので、捨てるのがもったいないようにも思えますが、8時間以上の使用は避けたほうが無難です。

繰り返し使用することで、せっかくフィルターにひっかかっていたPM2.5をまた吸い込んでしまう可能性があるためです。

空気清浄機

空気清浄機

連日深刻なPM2.5に包まれた韓国では、今空気清浄機が飛ぶように売れています。外にも出られない、かといって窓を開けて換気をするわけにもいかない、そんな閉め切った室内でやはり空気清浄機が1台でもあると少し気が楽になるものです。

カバーできる坪数によって値段は変わり、安い物でも10万ウォン以上、高いものでは100万ウォン近くするものもあります。高価な家電なので、レンタルも人気です。

購入する場合は、フィルターをどのように交換・洗浄するのか、また室内のほこりだけでなくPM2.5までしっかり取り除いてくれる機能があるのかを確認しましょう。

まとめ

史上最悪と言われるPM2.5に覆われた韓国ですが、国民の健康を守るため、国も全力を挙げてPM2.5対策に取り組んでいます。

原因を究明し、効果的な解決策を打ち出すにはまだ時間がかかるかもしれません。その間私たちは、今自分ができる基本的な生活スタイルを見直しましょう

  • 毎日天気予報でPM2.5濃度をチェックする
  • PM2.5の多い日にはできるだけ外出を避ける
  • やむを得ず外出する際にはKF認定を受けたPM2.5用マスクを着用する

この3点を心がけるだけでもずいぶん違います。大切な自分と家族の健康を、毎日しっかり守っていきたいものですね。