フランス人はホームパーティーが大好きで、仲良くなれば頻繁にホームパーティーに呼ばれるようになります。レストランが高いこともあり、友人たちと集まるときにはホームパーティーという形で誰かの家に行くことが多いです。
ホームパーティーに慣れているフランス人は、おしゃれな食器やグラスをそろえていることが多く、テーブルセッティングも洗練されていて、見ているだけでも楽しい気分になります。
ここでは、そんなホームパーティーにお呼ばれされたときの、一般的な常識やマナーをご紹介します。
フランスのホームパーティーの種類
一般的なホームパーティーは食前酒からデザートまで
フランスの一般的なホームパーティーは食前酒からはじまり、前菜、メイン、チーズ、デザート、食後のコーヒー・紅茶と長時間(5時間くらいは当たり前)続きます。
飲み物も食事に合わせ、赤ワイン、白ワインといろいろ勧められます。小食の人は前菜の時点でおなかいっぱいになってしまうので少量ずつもらうようにしましょう。チーズはメインの後、デザートの前に出されるのがフランス流です。
アペリティフ(食前酒)のみの場合
アペリティフとは食前酒という意味ですが、フランスではお酒とおつまみで会話を楽しむための集まりも「アペリティフ」と呼びます。日本でいう「お茶に来ない?」という感覚で、「アペリティフに来ない?」と誘われます。
アペリティフに呼ばれたらメインの食事はなく、ディナー前にはおいとまします。
夏はバーベキューが一般的
夏のホームパーティーはガーデンやバルコニーでのバーベキュー率がかなり高くなります。
夏のフランスは日中は日差しが強く、日の入りが夜9時、10時と遅いです。日中は暑すぎて食欲が出ないため、暑さが落ち着いた9時頃からディナーがスタートすることも珍しくありません。
カップルで参加が当たり前
フランスではカップルで行動をするのが普通です。そのため、ホームパーティーに誘われたときにはパートナーも含まれていることが当たり前です。子どもがいる場合には子どもが含まれていることも多いです。
家族で過ごす時間を大切にするフランスではカップルや家族の距離感が近いです。子どもたちも幼いころからテーブルマナーを教えられ、お呼ばれに慣れています。
手土産は必要?
フランスでお呼ばれされたときには手土産を持参しましょう。私は手作りのデザートと10ユーロ前後のワインを持っていくことが多かったです。その他にもチョコレートの詰め合わせ、果物の詰め合わせ、おいしいチーズやソシソンと呼ばれるドライソーセージも一般的です。
フランスでは地産地消が推奨されていて、地域に根付いた精肉店やチーズ専門店の質が高く大人気です。離れた土地に住む友人を訪問するときには自分が住んでいる地域のおいしい食べ物を持っていくと喜ばれます。
何を持っていったらいいか分からない場合はホストに確認するといいでしょう。
挨拶は頬にキス?それとも握手?
女性同士が挨拶する場合には頬にキスをするのが一般的です。正確には頬と頬を合わせて「チュッ」と唇で音を立てます。
片頬1回ずつの場合が多いですが、地域によって3回、4回と異なる習慣があります。右頬からスタートするのか左頬からなのかも地域によって変わります。
男性同士の場合は、親しい間柄なら同じように頬にキスを。そうでなければ握手を交わします。おいとまをするときにも、同じように挨拶をしてから帰ります。
日本とのおもしろい違い
スリッパは用意されていない
靴を脱ぐかどうかは場合によります。基本的にフランスでは玄関先で靴を脱ぐ習慣が浸透しています。しかし、ホームパーティーのときだけ靴着用がOKなことも。
靴を脱ぐ場合にはスリッパなどは用意されていないので、冬場はスリッパを持参していくこともあります。
家の中を案内してくれる
フランスでは初めて訪れる家では、家の中を案内してもらえることもあります。フランス人は、とくに持ち家の場合にはこだわりを持っている人が多く、自身でリフォームをすることも当たり前。テレビのプログラムでもリフォームに関するものが毎日流れています。
そのため、寝室やゲストルーム、キッズルーム、バスルーム、なんならガレージまで見せてもらえることも。どうリフォームしたか説明もしてくれます。おしゃれな家が多いので、飾りつけなども参考になります。
乾杯は目を合わる
フランスでは乾杯をするときには目を合わせて「サンテ!」や「チン!」と言いながらグラスを合わせます。しっかりと目を合わせるので距離感が縮まる感覚がします。
フランスのホームパーティーは長い
フランスのホームパーティーの特徴はとにかく長いことです。おしゃべりなフランス人は食事の間もしゃべり続けるので、前菜からデザートにたどり着くまで、実に長い時間をかけます。
話す内容は多岐にわたり、政治やスポーツの話題で会話が白熱することも当たり前。ディベート好きなフランス人は意見が食い違っても気にしません。
一般的なホームパーティーは夜中遅くまで続くことが多く、最後までお酒を飲んでいる人もいれば、ノンカフェインのコーヒーやティーに替える人も。
親しい間柄でホームパーティーをするときには片づけを手伝います。食器をキッチンにもっていったり、ごみをまとめたり、頻繁にホームパーティーをしているので慣れている人が多いです。
まとめ
フランスに滞在している間はホームパーティーにたくさん呼ばれました。しかしその場で酔いつぶれる、悪酔いしている人を見たことがありません(若者のパーティーは別です)。
私のフランス人のパートナーが東京を訪れたときには、街中で酔いつぶれている人や介抱されている人の多さにびっくりしていました。
ホームパーティーに呼ばれたらお酒は飲みすぎず、会話をメインに楽しみましょう。招待してくれた人の自宅や出された料理について質問をすることで、文化や習慣も理解できてとてもおもしろいですよ。