初めての国では、どのように電車やバスを使えば良いか分かりませんよね。切符は買えても乗り換えをうまくできるか、目的地まできちんと辿り着くことができるか心配になることもあると思います。
私は初めてトロントに来た時に電車の乗る方向を間違えてしまい、帰宅するまでに2時間以上かかってしまったことがあります。スムーズに乗車ができる方法を渡航前に知っておけば良かったと思います。
これからトロントに渡航する人に向けて、知っていると役に立つトロントの交通機関TTCについてご紹介します。※カナダドル=約85円(2019年3月)
TTC(Toronto Transit Commission)概要
TTC(Toronto Transit Commission)とは
TTC(Toronto Transit Commission)とは、トロント全体を網羅している交通機関です。TTCはバス、地下鉄、路面電車の3つから成り立ちます。バスと路面電車は赤色が特徴的です。黄色、緑色、青色、紫色の4路線が地下鉄を通っています。
2017年に駅が増加し、より便利になりました。TTCは乗り換えが複雑ではなく、東京の路線よりも小さいので迷うことはほとんどないと思います。電車内にはwifiはありませんが、駅構内には無料のwifiがあるのでインターネット環境がない人でもスムーズにwifiを繋げることができます。
駅構内に楽器を演奏できるスポットもあります。日本では見かけない珍しいスポットですが、よくバイオリンなど演奏している人たちを見かけます。
TTCの運賃
運賃は一律
日本では距離によって運賃が異なります。しかし、TTCでは距離は関係なく運賃は一律です。1回の乗車につき3.25ドル(約280円)です。チケットを購入してから30分まで乗り継ぎが有効です。ただし、同一のチケットで来た道を戻ることはできません。
戻る場合、あるいは30分を超えた場合は新しくチケットを買わなければなりません。地下鉄でチケットを買う場合は改札口にいるスタッフから買うことができます。
改札を通り抜けたら赤色の自動発券でチケットを取ります。このチケットを取り忘れると乗り換えをしたい場合でも場所によってはできないのでご注意ください。
運賃の種類
運賃は年齢などによって異なります。2018年11月現在は大人3.25ドル(約280円)、学生(13〜19歳)と65歳以上は2.10ドル(約180円)です。
また、Tokens(トークン)と呼ばれる回数券のようなものがあり、こちらは3枚から購入することができます。1枚あたり3ドル(約250円)で、1回のみチケットを買うよりお得です。
weekly passという1週間用のチケットもあります。これは43.75ドル(約3710円)で購入でき短期滞在者や旅行者におすすめです。
長期滞在の場合はMonthly Metropass を買うのが一般的です。年々Monthly Metropassの値段が上ってきていますが、現在は146.25ドル(約12,400円)です。距離や時間に関係なく乗ることができるのでお得です。
バスや路面電車では運転手から1回分のチケット(3.25ドル)のみ買うことができます。ここで気をつけてほしいのは、お釣りが出ないので必ずコインを持っていくことを忘れないでください。
PRESTO
PRESTOとはTTCとそのほかの交通機関で使えるICカードのことです。日本のSuicaやPASMOに似ています。ただし、コンビニなどで電子マネーとしては使うことができません。
PRESTOは5ドル(約425円)からチャージが可能です。チャージの仕方は2種類あります。1つ目はPRESTOのウェブサイトからクレジットカードやデビットカードを使ってチャージします。
2つ目は駅に設置されているPRESTO専用の機械でチャージします。機械だとカードの他に現金でも支払うことができます。ほとんどの駅に設置されているので残額や乗り換え途中にチャージすることが可能です。
何回か現金でチャージをしたことがありますが、釣り切れやコインのみ使用可能など多々ありました。紙幣しか持っていない場合は駅員に伝えれば両替してくれます。
ちなみにトロントピアソン空港からダウンタウンまでTTCだけで出ることができます。たったの3.25ドル(約280円)でダウンタウンに行けるので他の国に比べたら結構お得ですよね。
空港からはバスで駅まで向かいます。空港から出ているバスにはスーツケースを置くスペースが確保されているので大きい荷物を持っていても邪魔にならないです。
地下鉄の乗り換え場所
TTCは4つの路線しかないので電車の乗り換えは簡単です。
路線の乗り換え駅は5つのみです。Spadina(スパダイナ)、St Geroge(セントジョージ)、Bloor-Yonge(ブロアヤング)は黄色と緑の路線を乗り換える駅です。
Sheppard-Yonge(シェパードヤング)は黄色から紫色の路線へ、Kennedy(ケネディ)は緑色から青色に乗り換える駅です。
この中でもSt Geroge とBloor-Yongeをほとんどの方が使われると思います。なぜなら、紫色と青色の路線は中心部から遠くワーキングホリデーや留学生の人たちが滞在することはあまりないからです。
実はSpadinaとSt Gerogeはどちらで乗り換えても同じです。ですが、Spadinaから乗り換えると緑色の路線から黄色の路線まで5分程歩かなければいけません。St Gerogeは1階と2階で路線が分かれており、階段で行き来することができるので30秒ほどで乗り換えることができます。
時間がない時や歩くのが面倒くさいという方はSt Gerogeから乗り換えをしてみてください。
トイレの場所
75駅のなかで終点駅を含めた10ヶ所のみにトイレが設置されています。乗り換えの駅や人が多いダウンタウンの駅にはほぼトイレがありません。ダウンタウンにはお店がたくさんあるので立ち寄れるトイレはありますが、ダウンタウンから離れた駅の周りはそうではありません。
緑色の路線の場合は終着点と乗り換え駅のBloor-Yonge(ブロアヤング)のみに設置してあるので長距離移動をされる方は事前にトイレの場所を確認しておくと良いです。
私は電車の中で具合が悪くなりトイレに行きたくなることがありました。しかし、30分後の終点までトイレが無くて困りました。結局その時は来た道を戻り、カフェでトイレを借りました。
2021年にオレンジ路線が新しくできる予定なので、それと同時に各駅にトイレの設置をしてくれることを願っています。
リクエストストッププログラム
リクエストストッププログラムとは
リクエストストッププログラムとは、遅い時間帯に停留所以外で運転手にリクエストをすれば降りたい場所で停まってくれるサービスです。時間帯は21時から朝の5時までです。
TTCではブルーナイトと呼ばれる24時間運行する路線があります。この路線でよくリクエストストッププログラムを使います。
1人でバスに乗る時や安全を確保するために実施されています。2011年までは女性のみ対象だったそうですが、現在は誰でもリクエストストッププログラムを使うことができます。私は夜遅くに帰る時は停留所ではなく、家の近くでバスを停めるようにリクエストします。
降車方法
座席の横に降車ボタンがあるので、降りたいところに近付いたらボタンを鳴らします。そして、運転手にここで停めてくださいと伝えれば、運転手はバスを停めてくれます。夜遅くに1人でバスに乗る機会があればぜひ活用してみてください。
遅延
日本では1分でも電車が遅れると謝罪のアナウンスが入ることが当たり前のように感じます。私がよく使っていた電車は通勤ラッシュで遅延することがよくありました。遅延と言っても最大3分の遅れです。それ以上の遅延は滅多にありませんでした。
ではカナダの交通機関はどうでしょうか。結論から言うと、電車やバスはいつも遅れてくることがほとんどです。グーグルマップでも電車の来る時間を調べることができますが、遅延することがほとんどなので家を出る直前に時間を調べるようにしています。
時間にきっちりしている日本人からすると最初は困惑するかもしれません。ですが、慣れてしまうと遅延をしていても気にしなくなります。真冬になると外で待つのは辛いので、必ず時間を調べてから家を出てください。
まとめ
年越しの時はTTCが無料になります。12月31日の午後7時から翌日の午前7時まで全てのルートが無料です。Happy new year! Happy TTC free!などバスの中でもお祭り騒ぎでした。
ストリートカーの運転手がよく乗客と喋りながら運転しているのをよく見かけます。誰も指摘をしたり怒ることもないです。これがカナダの日常です。
最初は戸惑うこともありますが、カナダの交通の違いをぜひ実感してみてください。