ブルガリアという国はご存知ですか?ヨーグルトの名前にもなっているので、名詞としては日本ではポピュラーですが、それが実は東欧にある国の名前だったということは知らない人も多いのではないでしょうか。日本ではあまり知名度のない国の1つです。
ブルガリアは、オスマントルコとの交流があったために、欧州文化だけではなくオリエンタルな香りもするという、文化的な魅力にあふれた国でした。東欧を巡ったときに、電車でブルガリアの首都ソフィアへ向かうことになったので、その時の経験をまとめてみます。
- ブルガリアレフの当時の通貨レート:1レフ=約59円
- 現在の通貨レート:1レフ=64.26円
ブルガリアについて
ブルガリアは、日本では、名前だけが有名で、その他はあまり馴染みのない国かもしれません。セルビアやマケドニアの隣にある、バルカン半島に面した国です。
日本では、以前大相撲で活躍していた琴欧洲関や、ヨーグルトの名前として知られていますね。そのほかには、カヴァルマ(子牛のトマト煮込み)といった肉料理や、モスクやバズルジャ山の共産党時代の施設などの建築物など、見どころが豊富にあります。
チケットの購入方法とVISAについて
私は、セルビア側でチケットを購入しました。ベオグラード中央駅で41レフで購入でき、そのまま乗車できます。ブルガリアは一般的には英語はあまり通じませんが、観光客が多い場所では英語を解する人も多く、駅窓口では通じました。
VISAは、日本人であれば必要ありません。観光目的なら最長90日まで滞在できます。
ブルガリア行きの電車内のようす
夜の10時、駅のホームで電車を待っていると、青や赤のスプレーで落書きされた列車が入線してきました。これは、治安的にちょっと悪いのかも……と、最初はかなりびくびくしながら乗る事となりました。
けれど、車内はかなり清潔で、寝台は2ー3段、シートはかなり柔らかく、またきれいなシーツと布団がちゃんと備えられていたので、快適に眠ることができました。
電車内はさまざまな人が行き交っていましたが、実際、自分のいた寝台の部屋は、出発してからはかなり長い時間静かだったのを覚えています。客室のランクとしては2等寝台でしたが、静かだし布団も清潔、寝るだけであれば本当に合格点でした。非常に良かったと思っています。
イミグレーションの通過方法
ブルガリアへの夜行寝台列車のなかでの国境通過の手続きは、とても簡単でした。
出入国ともに、国境近くの所定の場所に差し掛かると乗務員さんがやってきて、一人ひとりからパスポートを集め、数分後にはスタンプが押されて戻って来るだけというシステムですので、よほどのことがない限り自分から何かをする必要はありません。
電車で国境を超えることのない日本では、出入国にはもっと大げさなイメージがあるかもしれませんが、あまりに簡単で拍子抜けするかもしれません。このあたりの国々は、もともと一つの国だったこともあって、国境という感覚が薄いのかもしれませんね。
ソフィアの駅のようす
ソフィアの駅は、非常にガランとしていたのを覚えています。市街地に出るには、夜行電車を降りたあと地下鉄に乗っていくのですが、閑散としていて人影がまばら、自分の足跡が響くような駅でした。
改札について
国際列車に関しては改札口はありませんでしたし、車内の検閲も同様です。日本人の感覚としては、ちょっと心配してしまうくらいです。一方、地下鉄に関してはその辺りはきっちりとしていて、チケットを確認されますので、すぐに出せるようにしておきましょう。
通貨と両替場所
ブルガリアの通貨は独自通貨で、レフといい、両替をする必要があります。ユーロからでしたら街の両替屋さんを使う事が可能です。日本円からだとなかなか両替しにくいので、ユーロを持っていくことをお勧めします。
銀行での両替も可能ではありますが、たいていの場合、両替屋さんの方がレートがよいケースが多いようです。
ブルガリア ソフィア駅
- 住所: 1202 Orlandovtsi, ソフィア ブルガリア
- map:下記参照
移動中の経験
移動中は、良くも悪くも日本から来たというと、話しかけられる事が多く飽きる事はありませんでした。
「どうしてブルガリアに行くの? 珍しいね。ブルガリアは好き?」「日本のどこに住んでいるの? 日本はどんな国?」などなど。好意的に話してくれる人が多くて楽しい時間を過ごしました。
なお、ブルガリアから出国するときはバスを使いました。そちらは指定席ですが、空いていたのでみんな好きな席を確保していて、空席も好きに使えたので、そこに横たわり眠ることができました。
ただ、バスに乗ってきた人ともといた乗客で少し揉め事が起きたことを覚えています。席の取り合いだったのかもしれません。その人はしばらくして降りていったので、あまり大ごとにはなりませんでした。
治安面でそんなに悪くない国でしたが、気を抜くことはないようにしたほうがいいですね。
まとめ
ソフィアは紀元前5世紀までさかのぼることができる都なので、古くからの建築物がたくさん残されています。ギリシャやペルシャ、トルコの文化も流入し、驚くほど多様な文化が共存しています。
また、共産主義時代の建築物や、食文化など、ここに書ききれないぐらいたくさんの見所がありますので、ぜひ訪れてみてください。
電車だと安くて簡単かつ安全に入国できました。出国する際のバスのほうが、ちょっと緊張しました。セルビアからだと、チケットの購入もわかりやすく、寝台列車も一晩過ごすなら十分なレベル。まずまず快適な旅でした。