「海外で働く」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?漠然とかっこいいイメージを持たれる方は多いと思いますが、実際に働くことを考えると英語力の問題や金銭面など、いろいろな問題に直面して諦めてしまう方も多いと思います。
そこで今回はbe動詞すら分からなかった筆者が、どうしてオーストラリアで働くという選択に至ったのか、オーストラリアでどんな風に生活をしていたのかお話ししていきます。
オーストラリアへ行く前に日本でしていた仕事
幼少期から洋画が大好きなこともあり「海外」への憧れが強かった筆者。けれど勉強が好きではなく、高校を卒業してからは就職の道を選び、すぐにアパレル会社で販売員として働き始めました。
大学生の友人とは違い平日が休み、さらに長期休みを取得することはできず、海外旅行はそれまでの人生で1度だけ。
英語も中学生の頃からまったく勉強をしておらず、外国人に道を尋ねられても「ソーリー」しか喋れない、海外とはまるで無縁の生活を送っていました。
海外に行くという選択
転職を決意
海外に行くという選択をしたのは、販売員として5年ほど働き、周りの友人たちもようやく社会人1年目になった頃のことです。「このままずっとこうやって働いて生きていくのかな?」と考えるようになりました。
もちろんアパレルの仕事は好きでしたし、やり甲斐もありました。しかし同時に、なんとなく過ぎているような日常に急に不安を感じ、転職をすることに決めたのです。
先ほどもお伝えしたようにアパレル職では連休というものがほとんど取れませんでした。そこで、転職活動中に今までできなかった海外旅行をしたいと強く思うようになりましたが、当然社会人1年目の友人はすぐに長期連休を取ることができません。
海外経験もなければ英語力も中学生レベルの筆者にとって、1人旅だなんてもっての外。そこで目をつけたのが「フィリピン短期留学」でした。
勢いで海外へ
学生寮完備なら友達もできるだろうし、現地でお友達を作って土日の休みを利用して観光を楽しめる!さらに英語も勉強できて話せるようになったら旅行中もラクになるし一石二鳥!と勢いで海外に飛び出してみたことがきっかけで、あれよあれよという間にオーストラリアやカナダで2年間を過ごす人生を送ることになりました。
なので最初は海外に行きたい!という強い気持ちがあったわけではなく、とにかく今までやってこれなかった海外旅行に憧れてちょっとした軽い気持ちでの行動が始まりでした。
ワーキングホリデーという選択肢
勢いでフィリピン留学に旅立った筆者ですが、寮生活をしていく中で「ワーキングホリデー」という制度を知ることになります。
特に目的がなく、ただ観光がしたい!海外に行きたい!と思って行動していた筆者とは違い、寮生活を共にする友人たちにはきちんとした目的がありました。それがワーキングホリデーです。
フィリピン留学には「ワーキングホリデー」の第一段階として、英語を学びにくる学生や社会人がたくさんいました。英語の基礎を学費の安いフィリピンで固めて、英語力が上がったところで自分の選んだ国で生活をしていく。
ワーキングホリデーをいう制度を知らなかった筆者にとっては、短期間だけでも海外で働くことができる制度があるという事実に衝撃を受け、目的のために努力している友人がキラキラと輝いて見えたのです。
ワーキングホリデーへの挑戦を決意
キラキラした友人たちに囲まれ、次のステップの話を楽しそうに語る友人を見ているうちに、「自分ももう少し海外生活を味わいたい」「目的を持って勉強に取り組みたい」との思いが日に日に強くなりました。
そして気がつけば空き時間を利用してワーキングホリデー制度について調べ、そのままビザを申請するという、自分でも驚きの行動をしていました。
当時、日本とワーキングホリデーの協定を結んでいる国は全12カ国。海が大好きな筆者が「海外生活」を思い浮かべてでてきたのは「海のきれいな場所でのんびりと暮らす」となんとも単純なことでした。
そんな単純な理由から海の街として有名なオーストラリア・ゴールドコーストに行くことを決めました。
オーストラリアでの仕事の見つけ方
オーストラリアに住んでいる日本人が一般的に仕事を探す方法は下記の2通りです。
日本人向けコミュニティーサイトを使う
オーストラリアで生活する日本人に欠かせないのが日豪プレスという日本人向けのコミュニティー情報サイトです。
仕事探しはもちろん、家探しやコミュニティ作りにも大変役立ちます。日本語なので英語が苦手な方でも安心して使えますよ。
- 公式サイトURL:http://nichigopress.jp
履歴書を持って売り込みに行く
レジュメ(履歴書)を持って働きたいお店に直接行く方法です。日本では滅多にない手段なので最初はドキドキすること間違いなしですが、ここで働きたい!と強く思う場所がある方にはぜひ試していただきたいと思います。
特にローカルのお店で働いて英語を学びたい方などはこちらの方法を使う方が多いです。
日系以外のお店では表立って日本人向けに求人を出していることは少ないので、飛び込みで自分をアピールするのはよい手です。
大抵の場合は扉や入口、窓などに求人募集の張り紙が貼ってありますが、ない場合でも聞いてみたら雇ってくれることがあります。まずはチャレンジしてみることが大切です。
いきなり第一希望のお店に履歴書を渡しに行くと緊張で上手く話せなかったり、予想外のことが起きて慌ててしまうことが多いので、何件か練習として履歴書を渡しに行ってみることをおすすめします。
オーストラリアで得た仕事
ブーツショップで働く
日本食系のレストランやお土産ショップが多いオーストラリアは働き口に困ることはありません。レストランは雇用口も大きいので比較的雇ってもらいやすい傾向にあります。
筆者は日本での販売員経験を活かしたいと考え、ローカルのブーツショップへ履歴書を持ち込み、雇ってもらえることになりました。
仕事は販売の他に在庫の整理やお会計など、日本での販売職とさほど変わりはありませんでしたが、文化の違いや言葉の壁があり始めたばかりの頃は環境に慣れることに必死だったことを今でもよく覚えています。
語学面でも成長
観光客向けのショップなので日本人観光客への接客も多く、おかげで英語力初級の当時でも働くことができました。
しかし同時に、外国人のお客様やオーナーとスムーズな会話をしたいと強く思い始め、英語を学ぶ意識が高まりました。習ったことをすぐに職場で実践できるので上達も早かったと思います。
オーストラリアで働いてよかったこと
言葉の壁や文化の違いに戸惑うこともありましたが、「オーストラリアで働く」という経験で自分に自信を持つことができました。グローバルに繋がりが増えることはもちろん、何でも挑戦してみようと勇気を持つこともできます。
そして何より、遠い存在に感じていた「海外」が、生活として当たり前の「日常」になる体験ができるのが魅力です。旅行では味わうことのできない生活を送ることができます。
心にゆとりが生まれる生活
筆者はゴールドコーストというオーストラリアでもリゾート地として有名な場所に住んでいたので毎日仕事終わりにふらっと美しいビーチを眺めることができて、まるで夢のような生活でした。
オーストラリアはとても広い国なので、週末に飛行機でいろいろな州に遊びに行ったり、ちょっとした休日は日帰りでテーマパークや国立公園に出かけたりと、日本の仕事ばかりの生活とは違いプライベートも充実し、心にゆとりができたと実感しました。
自分の時間をとても大切にできるので、旅行が好きな人や趣味の多い人にはもってこいの生活環境だと思います。
まとめ
海外に住んでみたいというキモチはあるものの、いろいろな問題や不安から行動に移していない人もたくさんいると思います。日本のような安定した生活を失うかもしれないなど不安な気持ちはとてもよく分かります。
心配性な筆者もそんな大勢の中の1人でしたが、今は自信を持ってみなさんに「挑戦することにこそ意味がある」とお伝えすることができます。失ったもの以上にたくさんのことを得られ、経験できるチャンスです。
この記事が、悩んでいるみなさんの背中を少しでも押すことができたら嬉しいです。