留学エージェントにお金を使う代わりに旅をもっと豊かなものにしませんか?私はエージェントを一切使わず自力で全て手続きをしました。
オーストラリアとカナダ、2度のワーキングホリデーに行った私の経験を踏まえて、カナダのワーキングホリデーへ向かうために、日本での「役所の手続き」「やっておいた方がいいこと」などをご紹介します。
日本にいる間にしかできないこともたくさんあります。心置きなくワーキングホリデーに行けるよう準備しておきましょう。※1カナダドル=約82.89円、1米ドル=約110.74円(2019年3月)
ビザの申請
カナダのワーキングホリデービザは日本人に対して毎年6,500人という定員があります。インターナショナル・エクスペリエンス・カナダ(International Experience Canada)とよばれ「IEC」と省略されていることが多いです。
まずオンラインでプロファイルを作成します。作成には「パスポート」と「連絡先情報」が必要です。その後Poolというシステムに登録され、その中からビザの申請に進める人にはメールで招待状が届きます。招待状が届くと20日間の申請期間が設けられます。
招待状が届いてからの必要書類
- 残高証明(日本の銀行の通帳コピーで大丈夫です。)
- 健康診断書(過去一年間で6カ月以上カナダ政府が指定する海外に滞在していた場合のみ)
- 犯罪経歴証明書(18歳を過ぎてから海外に6カ月以上住んだことがある場合)
- 英文履歴書(職歴・学歴・資格を見るためのもの)
- パスポート
- 証明写真(35mm×45mm)
- 家族構成
- ビザ申請料250ドル(約20900円)
カナダに入国するのに必要な電子渡航認証eTAはワーキングホリデービザを申請すると同時に取得することができるため、申請の必要はありません。観光ビザで入国して、あとからワーキングホリデービザに切り替えようと思っている人は申請が必要です。
- カナダワーホリビザ申請サイト:https://www.canada.ca/en/i
航空券の購入
ビザが取得できたら航空券の購入です。航空券の購入といってもカナダはとても広いので、まずはどこに行きたいのか決めないといけません。
ビザは取得してから1年間有効です。期間中だったらいつ渡航してもかまいません。ゆっくり時間をかけて考えることができますね。
冬から春にかけてが比較的カナダへの航空券が安くなっている時期なので、そちらも併せて考えていきましょう。
片道航空券と往復航空券
往復航空券は片道航空券を2枚購入するより安くて、帰りの航空券を購入する資金の心配をしなくていいのが利点です。
往復航空券のフィックスオープンを購入すると帰りの便の日付を変更できるのですが、事務手続きの手数料が発生する場合があります。また、フィックスオープンの航空券は少し高いです。
片道航空券は、帰国の日を決めていない人や、違う町や国を旅してから帰国しようと思っている人におすすめです。
ワーキングホリデービザは1度しか取れませんが、ビザの種類を観光ビザや学生ビザに変更して更にカナダに滞在することも可能です。何が起こるかわからないので、私は片道航空券をおすすめします。
アメリカを経由する場合
乗り継ぎでアメリカの空港を経由する場合、空港にしか滞在しない場合でもESTAの取得が必要です。14ドル(約1550円)でオンラインで申請ができ取得後は2年間有効です。
- ESTA公式サイト:https://esta.cbp.dhs.gov/
健康保険の加入
カナダに渡航する際、入国日から365日分をカバーできる健康保険に加入している必要があります。健康保険に入っていないと入国させてもらえません。
カナダはカナダの国民健康保険証を持っていないと、診察料だけで100ドル(約8300円)を支払わなければなりません。
日本の保険会社は1年15万円ほどもかかるのに対し、海外の保険会社は安いもので1年5万円ほどと割安です。ただしウィンタースポーツをする場合、保険料は少し高くなります。補償内容を比較して気にならないようであれば、海外の保険に加入するという選択肢もあります。
デスティネーション・トラベル・グループ(Destination Travel Group)
私が利用していたトロントに本社がある保険会社です。オンラインで申請ができるのでクレジットカードで支払いが可能。決済終了後、書類が添付されたメールが届くので印刷して保管しておくようにしましょう。入国の際に提示が求められます。
実際に体調を崩し1度だけ病院に行ったことがあります。その場で保険が適用されるわけではなく払い戻されるシステムなので領収書を捨てないようにしましょう。
病院の診察料と薬の領収書、いつどの病院を利用したのかを必要書類に記入し提携会社に郵送します。後日、デスティネーション・トラベル・グループから小切手が家に届き、申請した料金全額が返ってきました。
- 名称:デスティネーション・トラベル・グループ(Destination Travel Group)
- 公式サイト:https://www.desttravel.com/
携帯電話の解約
カナダで出会ったワーキングホリデーをしている日本人に多かったのが、携帯を解約せずにカナダに渡って来たという人です。
携帯電話会社によっては解約するときに、契約更新月でないと解約料が発生したり、解約してしまうと日本に帰ったときに同じ電話番号を使うことができなかったりなど問題があります。
1年間日本を離れるのであれば解約を
最近では日本でも2年契約の縛りがない携帯会社もありますし、必ず解約を検討しましょう。海外に長期滞在する人のために毎月300円ほど払って番号を継続利用し、日本に帰ってきた時点で契約を再開できるという方法もあります。
トロントは公共Wi-Fiの環境が整っているので、地下鉄やショッピングモールでもインターネットに接続することができます。海外で使えるSIMフリーの携帯電話でない限り日本の携帯電話を使うことはありません。
日本に帰ってから使ってもいない携帯電話の基本使用料の請求に驚く前に対策をとっておきましょう。
転出届
出国日の14日前から転出届を出すことができます。手続きに必要なのはマイナンバーカードと身分証明書です。「出国予定日」「行先」「滞在予定の住所」を記入する欄があるので記入します。
マイナンバーカードは市役所の方に「無効です。」と手書きで記入され、担当者のハンコが押されたものが手元に戻ってきます。帰国後、転入届を出す際に新しいマイナンバーが発行されるので古いものは返納が必要になります。大切に保管しておきましょう。
自動的に脱退となる国民健康保険
国民健康保険に加入している方は、転出届を出すと自動的に脱退となります。1年以上海外に滞在する場合に適用されるので、1日早い364日で日本に帰ってきてしまうと、日本に居なかった期間でも、住民税や国民健康保険を払わないといけなくなります。
パスポートにスタンプを
最近では出国や入国の際パスポートにスタンプを押すのが任意になってきましたが、市役所では「365日以上日本に滞在していなかった」という証明として、パスポートの提示が求められます。
今後どのように市役所が対応をしていくのかは不明ですが、旅の思い出にもなるスタンプは押しておきましょう。
宿泊先の予約
出発の日程が近づいてきたら、宿泊先の確保をしておきましょう。ホームステイをする人や、ゲストハウスに泊まる方などいろいろだと思います。
宿泊施設・民宿の情報を検索できるウェブサイト「Airbnb」
私は長期滞在できる家を見つけるまでの一時的な宿泊先をAirbnbを利用して探しました。
入国の際、滞在先の住所を聞かれることはあまりありませんが、もしものときのために「一時的な滞在先」を用意しておくと便利です。私はAirbnbのアプリで探した宿泊施設に1週間ほど予約を入れました。
結局長期で滞在したいと思う家はなかなか見つかりませんでしたが、その宿泊施設のホストの方がすごく明るく親切な方だったこともあり、そのまま2ヶ月間滞在させてもらうことになりました。
日本からもネット検索で長期滞在先を探すことはできますが、オーナーと意思疎通ができなかったり、掲載されている写真と違ったりすることもあります。長期滞在先は現地で見つけることをおすすめします。
まとめ
以上、6つのことを日本にいる間にしておけば、帰国後もスムーズに手続きを進めることができます。ビザや必要書類は英語でしか申請できないものもあり、取得できたときの達成感は大きいです。
役所の手続きなど、普段あまりしないことも経験することができます。時間はかかるかもしれませんが、全て自分でできることばかりです。
挑戦してもしできなかったら、そのときこそエージェントを介してアドバイスをもらっても遅くないと思います。