誕生日パーティーを開くのは誰?フィリピンでの誕生日の祝い方と習慣

誕生日









フィリピンでは誕生日を祝うことがとても大切です。フィリピンのバースデーパーティーは、子どものためだけではありません。大人やおじいちゃんやおばあちゃんになっても、バースデーケーキにろうそくを立てて、みんなで「ハッピーバースデー」を歌ってお祝いします。

家族の結びつきがとても強いフィリピンでは、普段遠くに住んでいる兄弟や子どもたちも家族の誕生日のために会いに来ます。フィリピンではバースデーパーティーをしない人がいるんだろうか?と思うくらいみんなバースデーパーティーを開きます。

フィリピンの名物とも呼べるバースデーパーティーについてまとめてみました。

パーティーの主催者は?

バースデイケーキ

主催者は本人

日本でバースデーパーティーというと、誕生日の人を家族や友達が祝ってあげることを想像すると思います。しかしフィリピンでは誕生日の人がパーティーを開いて家族や友達を招待します。

自宅に招くこともありますし、レストランを予約することもあります。職場にパーティー料理をデリバリーして同僚たちと祝うこともあります。

そしてかかった費用はすべて誕生日の人が支払います。何十人分かの料理を用意するので費用もバカになりません。

避けたい誕生日

友人の駐在員は誕生日が近づくと溜息をついていました。上司である彼は、100人ぐらいいる従業員を呼んで会社でバースデーパーティーを開くことになっていたからです。

本人はバースデーパーティーを開くつもりは全くないのですが、誕生日が近づくと周りから「もうすぐ誕生日ですね!」と声をかけられ続けた結果、暗黙の了解でバースデーパーティーを開かざるをえない状況にありました。

誕生日会を開かないとみんなにケチな日本人だと思われるそうです。友人は「来年の誕生日は一時帰国しようかな。」と、なんとかバースデーパーティーを逃れる策を考えていました。

毎週のようにお祝い

風船

みんなが誕生日会を開くので、毎週のように誰かの誕生日会に呼ばれます。中には全然知らない人の誕生日会のときもあります。誕生日会に招待された人は自分の家族、親戚、友達、友達の友達などどんどん人を連れてくるので、誕生日の人もそれを想定して多めに料理を用意します。

誕生日会に呼ばれても、誕生日プレゼントを用意する必要はありません。近しい間柄の人はプレゼントをあげることもあります。

誕生日会は1年無事に過ごせたことを神様に感謝し、日頃お世話になっている人への感謝の気持ちを伝える機会でもあります。だから誕生日の人が来てくれた人に奉仕するという感覚です。

1歳の誕生日は盛大に!

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1歳のパーティは豪華

フィリピンは1歳の誕生日を盛大に祝います。これは昔衛生状態や栄養状態が悪くて1歳まで生きられなかった子どもが多かったため、1歳まで無事に生きられたことを祝ったのが由来とされています。

1歳のバースデーパーティーは、パーティーホールやレストランを貸し切って行われることが多いです。誕生日の子の写真やバルーンなどが部屋中に飾られます。

子どもたちの喜びそうなスパゲティーやハンバーガーなどずらりと料理がならび、真ん中には誕生日の子どもの名前が入った大きなケーキが置かれます。

誕生日の余興

余興もたくさん用意されています。歌やゲーム、子どもたちの大好きなピニャータが出てくることもあります。

ピニャータは紙製でできた人形で、中にお菓子をたくさん詰めたものです。高いところにぶら下げて、子どもたちが目隠しをして棒で叩き割ります。日本のスイカ割りのようですね。

割れて落ちてきたお菓子に一斉に子どもたちが群がって、たくさんあったお菓子が一瞬でなくなります。見ている方もとても楽しい遊びです。

ピエロやマジシャンが登場することもあります。会場の大人も子どもも大盛り上がりです。ただ誕生日の本人はまだ1歳のため何が起こっているのかよくわからなさそうな顔をしているのが印象的です。

成人のバースデーパーティー

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18歳と21歳はデビューのお祝い

フィリピンでは女の子は18歳、男の子は21歳の誕生日に「デビュー」します。別に歌手や俳優としてデビューするわけではありません。ここで「デビュー」とは「成人した」という意味で、「デビューパーティー」は、成人式とバースデーパーティーが一緒になったものです。

ちなみにフィリピンでは「Debut」を「デブー」と発音して「デビュー」と言いません。

デビューパーティの特徴

男の子のデビューの場合はいつものバースデーパーティーとあまり変わらないのですが、女の子は盛大に祝います。知らずに参加したら「結婚式」かと間違えるかもしれません。

ホテルや高級レストランで行われることが多いです。招待客はみんなドレスアップします。ステージで主賓やその友達が踊るのを見ながら、招待客は食事をします。照明や音楽も本格的でまるでコンサートのようです。

それから家族、友人代表、市長や市会議員のような人たちがスピーチをします。その後18本のろうそくに明かりをともす儀式、主賓のスピーチ、余興と続き深夜になってもお開きにはなりません

最後はディスコ状態でみんな踊りだしていました。私は途中で捌けましたが、パーティーは夜通し続いたようです。

デビューパーティの費用

私が呼ばれた「デビューパーティー」は特に豪華で盛大だったようで予算が300,000ペソ(約63万円)でした。普通は50,000~15,0000ペソ(約10万5000~31万5000円)くらいで収まるそうです。

フィリピン人の平均年収が230,000ペソ(約48万円)ですから、親にとっては大出費です。それでも子どもの成人を祝う親心が勝るのですね。

誕生日によく食べる料理

食事

パーティー料理はいろんな種類がありますが、その中でバースデーパーティーでよく見かける代表的な料理を紹介します。

レチョン(豚の丸焼き)

パーティーの目玉料理と言えばこれです。外側の皮がパリパリで中がジューシー。フィリピン人はみんな大好きです。でもパーティーの規模や予算により鳥の丸焼きやフライドチキンになることもあります。

パンシット(フィリピン風焼きそば)

長い麺は「長寿」を表すそうで必ず一品は用意されまます。パンシットはいくつか種類があって、代表的なものはパンシットカントン(中華めん)、パンシットパラボック(米麺)、パンシットビーホン(ビーフン)など、使われる麺だけではなく、作り方や味付けも全然違います。

パンシットの代わりに甘いバナナケチャップを使ったスパゲティーのときもあります。面白いのは「長寿」を表す長い麺は茹でる際バキバキに折ってスプーンで食べられるくらいのサイズにします。「長寿」の意味は果たしてあるのでしょうか。

マカロニサラダ

一見日本のマカロニサラダのように見えますが、全然違います。日本のマカロニサラダにコンデンスミルクとエバミルク、さらに砂糖をたっぷり加えた甘いデザートのようなサラダです。

1度日本のマカロニサラダをご馳走しようと作ったことがありますが、みんな各自で私の作ったサラダにコンデンスミルクをかけて食べていました。甘くなければ、マカロニサラダとは呼べないのです。でも意外にこの甘いマカロニサラダはクセになります。

フルーツサラダ

これも甘いサラダです。上に書いたマカロニサラダのマカロニをフルーツに変えて、さらにクリームを足したものです。フルーツは缶詰のフルーツです。そこにナタデココやチーズやココナッツが加えられます。

ルンピア・シャンハイ

揚げ春巻きです。中身はひき肉を包んだものもあれば、キャベツやニンジン、春雨などが入ったものもあります。甘いソースにつけて食べます。

レチェ・フラン

フィリピンのプリンです。コンデンスミルクと卵黄をたっぷり使って作るのでとても濃厚で、とても甘いです。ほんの少し食べる分にはとてもおいしいです。

その他の定番メニュー

バースデーケーキはもちろんのこと、フィリピン人には欠かせないご飯やチャーハン、そのおかずになるカルデレータ(フィリピン風ビーフシチュー)やチャプスイ(八宝菜)、ピザやラザニアなどもよく見ました。

全体的に甘いものが多いです。いろんな美味しい料理が並ぶのでいつも食べ過ぎてしまいます。

まとめ

フィリピン人はバースデーパーティーを始め、パーティーや人が集まってワイワイガヤガヤすることが大好きです。

フィリピンに住んでいたころは、バースデーパーティーだらけで、1日に2回あるときや3日連続ということもしょっちゅうあり、本当にお祭り好きな国民だなあと思っていました。

でもバースデーパーティーを通して、家族や友達など人との繋がりを大切にしています。普段私の生活は、仕事や家事に追われて、こういう人との繋がりを後回しにしています。

フィリピンのバースデーパーティーについて書きながら、時には何かイベントを作って、家族や友達に会って感謝を伝えることも必要だと改めて思いました。

フィリピンに来ることがあれば、きっとどこかでバースデーパーティーをしているのを見かけるに違いありません。フレンドリーなフィリピン人は「一緒にご飯を食べましょう。」とパーティーに誘ってくれるかもしれません。