フィリピンと言えば英語留学が有名ですよね。実は英語以外にもフィリピンで学べることがたくさんあります。
私が今まで習ったものはギター、社交ダンス、手話、スペイン語とフランス語です。どれもとてもリーズナブルでかなり本格的です。時間に換算すると何を習っても1時間500円程度です。
ギターもダンスも実績のあるプロフェッショナルが、語学もすべてネイティブスピーカーが教えてくれます。そして日本で習うよりも進み方が早いので短期間で上達します。
習い事はこの他にもまだまだたくさんありますが、フィリピンで私が特におすすめするのは英語以外の語学を学ぶことです。その理由をまとめてみました。
フィリピンは言語学習が得意
ほとんど全員が複数の言語を扱う
フィリピンは国語がタガログ語、公用語が英語です。そしてフィリピンには島が7,000以上もあり、地方の言語が170もあります。
フィリピンの地方言語は日本の大阪弁や博多弁のような方言とは全然違います。タガログ語とは全く違う言語で同じフィリピン人同士でもそれぞれの地方言語を話したら理解できません。地方出身の人はそれぞれ母語があり、タガログ語と英語も話すのでみんなトリリンガルです。
さらに中華系のフィリピン人は中国語も話すし、スペイン系のフィリピン人はスペイン語も話すマルチリンガルです。
フィリピン人は生まれたときから多言語の環境で育つため、言語能力がとても優れています。
フィリピン人は耳がいい?
私が知る限りフィリピン人は音を正確に聞き取る力が優れています。
私はフィリピン人と一緒にスペイン語とフランス語を習ったことがあります。フィリピン人のクラスメートたちは初級のクラスでボキャブラリーもまだ限られているのにもかかわらず、先生の言ったことをきちんと理解できます。
というのも、彼らは先生が言った言葉を正確にリピートできるからです。先生の使っている言葉のすべてがわかるわけではありません。断片的にわかる単語をつなぎ合わせて意味を推測するのです。
言語の中でもフランス語は1語1語はっきり発音せず流れるように話すため、聞き取りはとても難しいのですが、フィリピン人は難なくこなしているので耳がいいのでしょう。
聞き取れるということは、発音がいいことにも繋がります。初級とは思えないくらいみんな流暢にフランス語もスペイン語も話していました。
授業は会話が多くスピーディ
学習中の言語を使った会話が多い
フィリピンでは習った言葉をすぐ使って先生に質問したり、クラスメートと話したりします。授業以外でも友達同士で習っている言語で話そうとします。
私もスペイン語のクラスメートとは先生がいてもいなくてもずっとスペイン語で会話をし、外で会っても、メッセージのやり取りも全部スペイン語でした。
フィリピン人は普段の会話も英語、タガログ語、時々地方の言語のちゃんぽんで話すことが多いです。その流れで習った言葉を自分たちの会話に取り込みながら使います。私の日本語の生徒たちもタガログ語と英語と日本語を上手にミックスしてクラスメート同士で話していました。
言語学習は単語や文法を覚えるインプットと、覚えた知識を運用して話したり、書いたりするアウトプットのバランスが大切です。フィリピン人の語学学習法は正に理にかなっています。
進み方も早い
習ったことをすぐ使い、完璧じゃくなくても先にどんどん進めていきます。理論よりも実践あるのみ。練習すればそのうちできるようになるという考え方が多いようです。
私はフィリピンとタイで日本語クラスを持ちましたが、両国ともだいたい1コース30時間前後として教えました。驚くことにタイの4コース分をフィリピンでは1コースで教えてしまいます。
タイは日本人が英語を習うのとよく似ていて、授業以外はもちろん、授業中でも日本語を話そうとする人が少ないです。ちょっと進んでは復習するの繰り返しです。フィリピンでは復習は基本的に自分でやるもので、授業はどんどん先に進めていきます。進み方が早いので教える方も大変です。
私のスペイン語のクラスもとても進み方が早かったです。全部で12コースくらいあったのですが、最初の2コース目ぐらいでスペイン語の映画を見て感想を言わされたり、スペイン語の新聞記事を読んで要約したりと、習ったことよりはるかに難しいことをさせられていました。
ついていくのに必死でしたが、やっていくうちに、不思議なことに何とかついていけるようになりました。おかげでたった2年でスペイン語が話せるようになりました。日本で10年くらいかけて習った英語とほぼ同じレベルです。
最大のメリットはフィリピン人と一緒に学ぶこと
生まれながらにして語学の才能があるフィリピン人たちと一緒に学ぶことは語学の上達を一気に早めることになります。
覚えたての単語や文法を会話にどんどん取り入れていくフィリピン人と同等のレベルで勉強することはとてもハードで、相当の努力が要ります。私は語学が得意なので、日本ではいつもクラスで上位にいましたが、フィリピンでは最下位でした。
しかし何とかついていこうと必死で勉強した結果、彼らに追いつき、短期間でかなり話せるようになりました。語学を早く上達したいならば、自分の実力よりレベルが高い人たちと勉強すると大きなプラスになります。
おすすめの言語
フィリピンで習うのにおすすめの言語はスペイン語です。フィリピンはかつて400年間スペインの植民地でした。そのためタガログ語の中にもスペイン語と同じ言葉やスペイン語から派生した言葉がたくさんあります。
例えば数字や時間は今でもスペイン語の言い方がそのまま使われています。他にも「机」という意味のLa mesa(スペイン語)-Lamesa(タガログ語)や「仕事」という意味のtrabajo(スペイン語)-trabaho(タガログ語)などあります。
フィリピン人は全員タガログを話すので、すでにスペイン語のベースができています。そのため、フランス語やドイツ語を習うよりもスペイン語の授業は早く進みます。
フィリピン人のクラスメートは初級からある程度話せます。そういうフィリピン人たちと一緒に勉強するとついていくのには大変ですが、確実に話せるようになります。
2段階留学のすすめ
フィリピンで基礎を勉強してから本格的な留学をする
私はフィリピンでスペイン語を2年ほど勉強してから、グアテマラに本格的にスペイン語留学をしました。フィリピンでは週に1回か2回学校で2時間勉強しただけです。それ以外は自分で空いた時に勉強したり、スペイン語の本を読んだりしました。
スペイン語を習うならスペインで、フランス語を習うならフランスでというのももっともな考え方ですが、実際には簡単なことではないですよね。フィリピンで基礎を学んで、ある程度話せるようになってからそれぞれの言語の国に行くのも1つのいい選択肢だと思います。
本留学を短期化させる
スペイン語を学ぶのにはスペイン語ネイティブの国で勉強するのが1番です。でも私は経済的に余裕がなく、その資金を貯めるのに何年も費やすのが嫌でした。
授業料が安く、授業の質も高いフィリピンで文法を一通りすべて終え、スペイン語で生活に困らない程度の会話ができるようになってから留学しました。そのため実際にグアテマラの学校で勉強した期間は5か月だけです。
その後は秘書のアルバイトをしたり、旅行したりしながら会話力を上げていきました。フィリピン、グアテマラと2段階で留学したことで予算が100万円以上抑えられるし、留学期間も短期で期待以上に上達しました。
まとめ
フィリピンで言語を学ぶと、今まで日本で学んできた方法では話せるようにならないんだということに気づきます。習ったことをどんどん実践して、自分のレベル以上のことをすることでより早く言語習得ができます。
そして授業料もとてもリーズナブルです。「学びたいのに経済的余裕がない」と断念することもありません。以上の理由から私はフィリピン人と一緒に語学学習することをおすすめします。