皆さんは「Kiwi husband」という言葉を聞いたことはありますか?近年日本のメディアでも紹介され、大きな話題となりました。Kiwi husbandとはその名からイメージできる通り、ニュージーランド人の既婚男性のことを意味します。国籍を問わず、独身女性にとって憧れの存在です。
では具体的に、Kiwi husbandがどんな男性なのか、彼らが生まれるニュージーランドならではの事情とともに見ていきましょう。
Kiwi Husbandの特徴
ニュージーランドには、飛べない鳥「Kiwi」がいます。Kiwiの特徴として、メスが卵を産み、オスが子育てをするということがあります。メスが卵を産んだ後、上に座って卵を温めるのは男性であるオスの役目とされています。
結婚した年齢に関係なく、ニュージーランド人男性は子育てに積極的に加わります。家事も自ら手伝うので、Kiwiの鳥からその名前を取って「Kiwi Husband」と呼ばれているのです。
Kiwi Husbandの特徴は以下の通りです。
- 赤ちゃんのオムツ替えや子どもの寝かしつけを当たり前のようにできる
- 育児休暇制度が整っているので自らも休暇を取る
- 子どもの学校の行事に積極的に参加する
- 子どもの学校の送り迎えをする
- 料理ができる
- 食事の準備や後片付けも積極的にこなす
- 公園で子どもと遊ぶ
このように、多くの独身女性が結婚したいと思う男性像を体現しているのがKiwi Husbandなのです。
Kiwi Husbandが生まれる背景
では、なぜニュージーランドにはこうした“理想の男性”が多いのでしょうか。その背景には、この国ならではの文化や意識があります。
ニュージーランドは男女平等の国
ニュージーランドは、女性の社会進出が当たり前の国です。結婚しても、小さい子どもがいても、たくさんの女性が社会で働いています。
結婚後もフルタイムで働く女性が多く、管理職としても活躍しています。女性の人権を守る法律が古くから幅広い分野において制定されており、国内では男女平等意識が強いです。
そのため、子どもを出産し半年から1年前後の育児休暇を取得した後、再び同じ会社へ戻るのは当たり前の習慣です。
加えて、女性だけでなく男性も育児休暇の取得率が高く、それも女性の社会復帰を後押しするひとつの要因となっています。
ニュージーランドの若者は自立時期が早い
多くのニュージーランドの若者は、高校や大学などを卒業後、独り立ちし、家族とは別々に暮らします。ほとんどの若者がシェアハウスや大学などの寮で、また早い人だと恋人と一緒に暮らし始めます。高校卒業後、すぐに自立するケースも多く、それぞれしっかりとした考えを持っています。
ほとんどの家庭が共働きのニュージーランドでは、小さい頃から家事や掃除を手伝うのは当たり前の習慣です。また、お父さんが積極的に家事や育児に参加する姿勢を直接見て学びます。
そのため、大人になる頃には、自然と家事ができるようになっているのに加え、結婚前に自立する若者が多いことから、特に、掃除や料理などの習慣も身についていきます。
Kiwi Husbandとの結婚生活
ニュージーランド人は、結婚し子どもができた後でも、夫婦2人だけの時間を大切にしています。たまには、親に子どもを預けて、夫婦水入らずの時間を過ごす人も多いです。
特にKiwi Husbandは、妻の誕生日や結婚記念日に2人で外食に出かけたり、花束やプレゼントのサプライズをしたりするのが特徴です。結婚後も恋人のような時間を過ごせそうですね。
また、ニュージーランドでは大企業や中小企業など会社の大きさにかかわらず、子育てに対するサポートや、法律上の制度が整っています。そのため、夫婦2人で子どもと過ごす時間も大切にすることができます。
日本人男性はKiwi Husbandになれるか
日本でも、子育てに対するサポートや法律が少しずつ整ってきています。大企業を中心に、女性はもちろん男性も育児休暇を取りやすい環境が整備されつつあります。
また、「イクメン」と呼ばれる、育児や家事に積極的な男性も増えてきています。数年前と比べて、街でもベビーカーを押したり子どもと公園で遊んだりしている男性の姿を多く見かけるようになりました。若い男性を中心に「レディーファースト」文化も浸透してきています。
しかし、特に会社内ではまだまだ、妊娠中や育児中の女性に対する理解やサポートが少ない状況があります。また、自分自身の仕事に手一杯の人が多く、男性に限らず彼女たちをサポートしたくても、できないのが現実です。
日本人男性がKiwi Husbandになるには、環境や意識が変わることが必要。まだまだ先のことになるかもしれません……。
まとめ
留学などをきっかけに結婚し、ニュージーランドで子育てをしている日本人女性も多くいます。
私も留学中に、部屋をシェアするフラットメイトとしてニュージーランド人男性と一緒に数カ月間暮らしました。彼らが私にとって、初めて出会ったニュージーランド人男性でした。
私が留学生ということもあり、積極的に英語やニュージーランドの文化を教えてくれました。週末には一緒に出かけたり、夕食を一緒に作ったりもしました。別々に暮らすようになってからも時々会ったり、メールで近況を報告したりするなど、友人として良い付き合いをしました。
もちろんニュージーランド人男性全てがこれに当てはまるとは限りませんが、私がフラットメイトとして出会ったニュージーランド人男性や、学校の先生はどの男性も魅力的で、とても親日家でもありました。
また私の友人の中には留学やワーホリ中にニュージーランド人男性と出会い結婚している人もいます。
皆さんも、留学やワーホリをきっかけにニュージーランド人男性と出会い良き友人としてはもちろん、生涯のパートナーとしてすばらしい出会いがあるよう、積極的に行動してみてはいかかでしょうか?