イタリア・ミラノは、ローマやフィレンツェ、ヴェネツィアと並ぶイタリアの主要な観光地のひとつです。ミラノ大聖堂やファッション街など見どころの多い街です。そのため、ミラノに立ち寄るツアーも数多く組まれています。
ミラノツアーで提供される食事は、「ミラノリゾット、ミラノカツレツとサラダ、デザート」というコースメニューが一般的です。実はこのコースメニュー、日本とは違う、イタリアならではの食べ方があるんです。
今回は、日本人ツアー客が陥りやすい間違いと、イタリアの食べ方をご紹介いたします。
飲み物の準備は時間がかかる
「すぐに乾杯をしたいから早くビールを持ってきて」
そうひと言伝えるだけで、日本では素早く飲み物が運ばれてくるのが普通でしょう。しかしイタリア・ミラノのレストランでは、日本よりものんびりとした、イタリアの時間が流れています。
イタリアで言われる「かっこいい人」とは、余裕がある人のこと。飲み物や食事がすぐに運ばれてこなかったとしても、ゆったりとしたイタリア時間を楽しむくらいの気持ちで対応しましょう。
しかし、「随分待ったけれど来る気配がない」と思ったら、スタッフに知らせましょう。きっと忘れています。
イタリアンレストランに醤油皿はない
イタリアのレストランで注文すると、すぐにパンやフォカッチャがテーブルに置かれます。ではこのパンやフォカッチャをどのように食べることが正解なのでしょうか。
「オリーブオイルやバルサミコ酢をパンにつけて食べたいので小皿が欲しい」という日本人ツアー客がいます。しかし、イタリア人はオリーブオイルを小皿に注ぎ、パンを浸して食べることはしません。そのため、レストランにはいわゆる「醤油皿」はありません。
パンなどは、パスタやリゾット、メーン料理と一緒に食べるもので、日本食でのご飯ような存在だと思ってください。レストランでご飯に醤油をかけて食べることはしませんよね。ちなみに「パンにバターを塗る」という文化もイタリアには存在しません。
リゾットはフォークで
ミラノツアーで提供されるメニューのプリーモピアット（一番目の皿）は「ミラノリゾット」です。サフランの鮮やかな黄金色と、たっぷり入ったチーズが特徴の料理です。
ではこのリゾット、何を使って食べますか？
日本では「チャーハンやオムライスを食べるときにスプーンを使うので、リゾットもスプーンを使って食べるもの」と思うかもしれません。しかし、イタリア料理であるリゾットは、フォークで食べることが一般的です。
ミネストローネなどのスープ料理を食べるときにはスプーンを使いましょう。
ミラノカツレツにソースはかけない
ミラノツアーで提供されるセコンドピアット（メーンの皿）は、「ミラノカツレツ」です。牛肉（レストランによって豚肉のこともあります）を叩いて薄く伸ばし、チーズを混ぜたパン粉をつけて揚げた料理です。
ではこの「カツレツ」には何をつけて食べますか？
日本でカツレツを食べるときにつけるのは、トンカツソースや醤油、ケチャップなどですね。イタリアでの正解は、レモンです。カツレツに添えてあるレモンをかけて、シンプルな味わいを楽しんでください。
イタリア料理の味付けはとてもシンプル。塩とオリーブオイル、ハーブのみといった料理が大半で、フランス料理のように複雑なソースをかけることはほとんどありません。
イタリアのレストランでソースの持ち込みはマナー違反
ミラノカツレツの味わいが日本のカツレツに似ているためか、トンカツソースを要望する日本人ツアー客もいます。しかしイタリアンレストランに、トンカツソースは常備されていません。そこでツアー添乗員の中にはトンカツソースを持参し、日本人ツアー客のカツレツにかけて回る人も。
レストランで提供された食事に持参したソースをかけることは、日本と同様イタリアのレストランでもマナー違反です。外国人が日本の寿司屋に行って、マグロの握りに持参したケチャップとマヨネーズをかけたらどう思うでしょうか。
味が足りないと思ったら、テーブルに置いてある塩をかけましょう。トンカツソースのかかったカツレツは、日本食レストランでお召し上がりくださいね。
食後にはエスプレッソ
ミラノツアーで提供されるメニューがデザートまで終わりました。最後にコーヒーを頼みましょう。どんなコーヒーを頼みますか？本場イタリアのカプチーノでしょうか。
実はイタリアでは、カプチーノは朝に飲むもの。泡立てたミルクがお腹に溜まるので、空腹時に飲むことが一般的です。
満腹な食後には、エスプレッソやアメリカーノ（エスプレッソをお湯で割ったもの）がお勧めです。濃いエスプレッソの味わいが苦手な人には、ミルクを少し垂らしたカフェ・マッキアートをお勧めします。
まとめ
イタリアのレストランでは食べ方のルールがありますが、基本的に食べ方は自由です。リゾットをフォークで食べられないならスプーンを頼んでもいいですし、食後にカプチーノを飲んでもマナー違反ではありません。
レストランでの一番のマナーとは、同席した人とおしゃべりをしながら食事を楽しむこと。ぜひイタリア・ミラノのレストランでは、旅行仲間や同席した人とおしゃべりをしながら楽しい食事をしてくださいね。
